You are what you read あなたは読んだものに他ならない

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  • 本の雑誌社
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本棚登録 : 87
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860114541

作品紹介・あらすじ

生きるとはなにか、生命とはなにか、を探求する書評集

読み、噛み砕き、飲み込み、考え、向き合う。
生命の存在理由や生きる意味を、卓越した言語表現の中に探すというのが、本書の命題のひとつだ。だが、どうやら人類はまだその問題の解答にたどり着いていない。命や人生に関する科学的な問題や哲学的な疑問は未解決のままでも、日々は怒濤のごとく流れ、我々はその中を無様であろうと泳ぎ続けなくてはならない。(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 「本の雑誌」に2015年から2020年にかけて連載された4ページ・59回分の書評を掲載する。サバイバル登山家による書評本だけあって、選書の傾向としてはやはり登山・狩猟・探検に関連する書籍が主体で、サイエンスノンフィクションがこれに次ぐ。割合としては少ないがフィクションも選ばれており、ジャンルとしてはSFが多い。なかでも「スカイ・クロラ」シリーズなどの森博嗣作品を気に入っており、三作品・五回分の掲載分が充てられている。

    新刊に限られた書評ではなく、おそらく選書は全て著者の裁量に任されている。前半を中心に生涯のなかでも著者の印象に強く残っている著作も選ばれており、それだけに絶版本も少なくはない。自由なのは選書だけではなく、エッセイ要素の濃厚さも本書の特徴だ。なかには冒頭から終盤まで著者の体験談や考察が続いて書籍の情報は末尾数行だったり、紹介に至らないままに次回に持ち越されるケースすらある。書評本全般に当てはまるかもしれないが、本書はとりわけ著者の人間性や思想への読者側の関心が評価に直結しそうだ。

    60冊近い書籍の書評ながらも基本的には「言説のなかに生きる意味を見い出す」意図が貫かれており、終盤では著者自身がそのことに言及している。著者の本業が関係する登山・狩猟・探検といったジャンルが生死に関わるのはもちろんのこと、その他のジャンルについてもサイエンスノンフィクション・SF・戦争ものなどについても生命倫理や死生観を問う内容の書籍が多く取り入れられている。全体に重いテーマを扱っているだけに堅苦しい雰囲気かといえばそうではなく、通俗的で身近な話題や家庭内のエピソード、自虐も多く取り入れた硬軟自在の筆致は同著者の『サバイバル家族』同様に楽しめる。緩い話題から一気に現代社会や生死に関するシリアスな考察になだれ込んでも違和感を感じさせないのは著者の持ち味であり、その大きな魅力だろう。

    もともと著者への関心が高まっていたこともあってか本書内から読みたい書籍が10冊程度見つかり、個人的に収穫の多い書評本だった。

  • 文祥さんの考察や表現はとても好き。
    読んでみたい本がめっちゃ増えて困った。

  • おすすめ作品は良いし、文章はうまいしでとても面白かった。読んでみたい本がたくさん出てきて嬉しい。角幡唯介への劣等感を隠さないのも素敵。俺は服部さんの文章の方が虚飾がなくて好きなんだよな〜。

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著者プロフィール

1969年生まれ。登山家、作家。世界第二の高峰K2などに登頂したのち食糧を現地調達する「サバイバル登山」を開始。著書に『サバイバル登山家』『狩猟サバイバル』『サバイバル登山入門』『息子と狩猟に』など。

「2022年 『お金に頼らず 生きたい君へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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