マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン Loveless (P‐Vine Books) (P-Vine Books)
- ブルース・インターアクションズ (2009年3月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860203252
感想・レビュー・書評
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2020/8/15購入
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《「みんな『何百万ものギターが鳴らされている!』みたいに言ってるよね。ギター・トラックを何百本も使用したと思ってるようだけど、実際には多くの人が作るデモ・テープのトラック数より少ないんだ」》(p.62)
《「つまり、ステレオ・セパレーションやアンビエンスといったものよりも、周波数のバランスのほうが深さを感じさせる。それが重要なんだ。」》(p.83)
《「エクストリームなまでのシンプルさとノーマルさが、むきだしの感覚、誰もが経験したことのある感覚のかたまりとミックスされている。あるべきものが、そこにある、みたいな。そしてノーマルさと、シンプルさというのが、理解されるための鍵なんだ」》(p.88)
《「あれからずいぶんたって、こんな伝説が生まれた。クリエイションは100万ドルだかポンドだかのお金を使って、それをリクープ(回収)できなかった。それで倒産寸前になったから、ソニーに身売りせざるをえなかった。オアシスだけがそれを救うことができた。こんな論調には、ある種のメッセージがひそんでいる。資本主義的発展に寄与しないアートというものはなんの価値もない、という。(…)レコード会社の人間が悪者にあるのではなく、バンドがそう見られてしまう。クリエイティヴな人たちというのは、かわいそうな会社のお金を浪費する悪者だ、ひどいやつだ、ってね」》(p.106)
《「マニック・ストリート・プリーチャーズはぼくらと違って、リスナーを先導するような音楽をやっている。彼らはそうやって変革をもたらしたいんだろうけど、ぼくらがこのアルバムをレコーディングしていた間に世界は音楽を関係なく大きく変化した。ここ2、3年は、ぼくが今まで生きてきた中で、世界にいろいろなことが最も起こった期間だったような気がする。ベルリンの壁が崩壊したり、湾岸戦争があったり、ルーマニアの政変とかもあった。世界やものごとのすべてが変化した。ぼくはテレビの前で傍観するしかなかった。そんななかで「これが答だ! お前ら、俺たちについてこい」みたいな音楽をやるなんて、本当にバカげたことだと思った」》(p.192) -
ケビン・シールズの意外にロジカルな語り口が面白い。
寡作、沈黙の長さによって生まれた様々なウソ
(クリエーションが倒産しそうになった)
にもきちんと反論したり、
実際はあまりギターのエフェクターをあまり使っていないとか。
エッセイ風の軽い文体で、突き詰めた検証をした本ではないので、
今後もう少しかっちりした研究書を出す野心的な作家が現れるのを期待。
でも、これはこれで読み物として満足。 -
クリエイションを倒産寸前まで追い込んだとまで言われるほど制作費がかさんだ90年代前半を代表する名盤『LOVELESS』。
これについてケヴィン・シールズは「全て自分たちで稼いだ分であって正当だ」と主張する。
なるほど、これでは新作が出ないのも無理からぬ…と思えるほどの"物語"が制作の背景にあるようだが、それはどんなバンドでも少なからずあるものだからなぁ。
バンド側から見たインサイド・ストーリーなので所謂研究本のような精密さはない。
なので、読了後『LOVELESS』の新しい魅力に気がつくということも少ないと思う。
というより、新作せめてリマスタリング盤を早く出して欲しい。。。。 -
My Bloody Valentine『Loveless』のディスクレビューとメンバー、特にケヴィンのインタビュー本。個人的には音作りが興味深かった。エフェクトやレコーディング方法などで納得したり驚いたり、様々な事に感動してしまった。目からウロコ、ケヴィンから空間系抜き。数々の伝説があるマイブラだが、メンバー本人の言葉が羅列されているので微かな信憑性をもたらしてくれた、かな。あと著者が音楽オタクなのでマイブラ周辺以外にも知らないバンドをサラッと教えてくれるのがありがたい。
マイブラファン必読!とまではいかないが読んでいて損はないと感じた。 -
発売後すぐに買って読んだけど、きちんと全部読んでなかったので、読み返してみた。めちゃくちゃおもしろいわけでもないし、かといってつまらないわけでもないし、普通だった。マイブラについて書くことは蛇足なのかもしれないと思った。
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shoegazeの魅力に取り憑かれてもう何年が経ったことでしょう。
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はじめて明かされるMBV秘話!
不思議なタイトルの謎やトラックの重ね方、モノラルだった録音、エフェクトの秘密などビリンダとケヴィンの謎が収録されています。そして伝説のレコード会社を破産寸前まで追い詰めながらレコーディングされたLovelessのエピックまでもが白日の下に。伝説の裏側を観にシューゲな方も耽美なヒトも購入すべし。