食の職 小さなお店ベルクの発想 (P-Vine Books)
- スペースシャワーネットワーク (2010年8月2日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860204020
作品紹介・あらすじ
1万人以上が立ち退き反対署名した驚異のお店の副店長が、社員&職人とともに書き下ろした1冊。
感想・レビュー・書評
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こだわりと丁寧さ的な世界と、俗っぽさ猥雑さが共存する不思議な雰囲気。
P47 大手のビールはよくできています。飲みやすさ、扱いやすさという点でこちらも安心して提供することができる【中略】(大手に”違う”と伝えると)公式のコメントがあらかじめ用意されていて、それを繰り返すのみだったりします。【中略】メーカーとは腹を割れる対等な関係になりたい。
P84 とはいえ、私たちも最初はコンサルタントの紹介で飲食店専門の仕入れ業者さんのお世話になったのです。【中略】束縛されたくなければ断然(フランチャイズより)コンサルタントでしょう。
P224 ある東洋医学の権威の先生が「健康とはなにか」という質問に「ここぞという時にふんばれること」と答えていてなるほどと納得したことがあります。
P239 音楽がやるものから聞くもの(一方的なもの)になってしまったのも、全面的に商品(オリジナル)化しているからです。【中略】表現のありとあらゆるものが「商品」(オリジナル)化するなかで、料理だけがかろうじてまだ誰のものでもなく、誰のものでもあるという文化本来の姿をとどめているのではないでしょうか。
P249 ひとりやふたりで切り盛りしている極小単位のお店は、なかなか人を雇う余裕がないんです。人件費がかかる?それもありますが、人を使うってパワーが要るんですね。【中略】個人商店では、屋当方も雇われる報も「お手伝い」感覚からなかなか抜け出せません。お互いにそこに「育てる」「育つ」という覚悟がないとかえって中途半端になりエネルギーを消耗するだけなんですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実家の喫茶店を継ぐ予定なので、その参考に。
なると思ったけど、ここまでの専門化は無理やなぁとひしひしと。
でも、ベルクさんはこうしてこだわっているからこそ、長く続けられているんだなと。
一回行ってみたいね。 -
ファンならおすすめ。
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新宿にある「ビア&カフェベルク」の副店長さんが書いた本。お店の話だけでなく、ベルクに食材を提供している職人さんたちへのインタビューや、食そのものの話など、いろいろ詰まっている。まったく職種は違うが、読んでみて仕事に対する矜持というものについていろいろと考えてしまった。自分の仕事がいかに「ファスト」なものであるか再認識。どうせならベルクのようにこだわりと情熱を持って仕事がしたくなる。
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新宿駅の小さな喫茶店ベルクの副店長が語る飲食業。
特に興味深いのが取引相手のパン屋さん、肉屋さん、コーヒー屋さんとの対談。職人さんってこういう生き方なんだなぁと実感。
職業教育にいい一冊。 -
すべてに共感はできないが、真摯に食と向き合う人は、その存在だけで心強い。
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読んでいる間ずっと、食欲が刺激されて仕方ない。
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新宿駅東口の地下でがんばっている小さなお店ベルクの副店長が書いた、食と職人魂に関する本。
本書では例の立ち退き問題には触れず、「味」を形やイメージとして記憶することができる鋭敏な感覚を持った著者が、いかに店で出す味にこだわり商品を育ててきたかを語っており、美味しそうなメニューとともに読んでいて楽しい本になっている。
特に、ベルクの味を支えているコーヒー職人、ソーセージ職人、パン職人との対談内容に引き込まれる。自分の作るものに情熱を注いでいる職人が、自慢話にならずに本音を語ってくれているのは、お店と職人がお互いに信頼し合った仲だからだろう。その道を究めていくと、自然とこのような出会いが生まれるのも不思議なものだし、その恩恵にあずかれることを一顧客としてありがたく思う。
読んでいる途中で我慢できなくなり、久しぶりにホットドックブランチを食べにベルクに立ち寄ってしまった。最初は満員で入れず時間をずらしてようやく食べることができた。すばらしいコーヒー、ソーセージ、パンと、お店の雰囲気を堪能できた。 -
新宿に開かれている小さなお店のポリシーをまとめる。店のメニュー、食材の選び方など、こだわりが店を続けられる理由になっているのがわかる。
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この間食べたホットドックブランチは、ベルクの3職人による賜物だったのですね。