銀座ナイルレストラン物語 日本で最も古く、最も成功したインド料理店 (P-Vine Books)

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本棚登録 : 34
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860204358

感想・レビュー・書評

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  • 正解ってもとからあるんじゃなくて、自分で作るものなんだ、と思った。

  • 内容は興味深く面白いものだった。編集がめちゃくちゃで読みづらかった。

  • 逗子図書館にアリ

  • 銀座のナイルレストラン。初代オーナーはインド独立の志士だった。
    ドラマですなぁ。いつか機会があったら、レストランに行ってみたい。

  • カリ~番長の水野仁輔がナイルさんに密着取材してできた本。ナイルさんのライフストーリーと日本のインド料理シーンの歴史がリンクされて、とても勉強になりましたし、ナイルさんのパーソナリティーにも引き込まれました。
    最近ナイルレストランに行っていないけれど、ムルギランチを食べたくなりました。

  • 銀座の老舗カレー店、ナイルレストラン。
    2代目店主へのインタビューをメインにその歴史を描いた本。

    図書館で見かけて、たしか「盲導犬の訓練ってどうするの?」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4903690644に出てきた、最終試験の店だったはず。と内容を確認せずに借りた。

    私は初代がインド独立の闘士ということはおぼろげに知っていたけれど、店の知名度は知らずカレーも好きってほどじゃない。
    それでも面白かった。

    2代目のキャラクターが面白い。
    僕偉いでしょ、がんばったでしょ、ねえすごいでしょ!と言いまくってるし事実よりも楽しさを優先させて誇張がありそうな話しぶりなのに全然嫌味じゃない。
    多分本当にすごいからなんだろうと思う。
    こんなに大変だったよーという言葉以上に大変だったろうし、こんなに努力したよーという言葉以上に努力家なんだろう。


    「初代が亡くなった後、代替わりして味が変わったとしたり顔で言う客に腹が立った。初代は料理できないから厨房にタッチしていたことなんてないのに。ずっと同じ面子でやってんのに変わるわけないだろうが」というエピソードが印象に残った。
    「アシュリー事件」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4903690814「突然、僕は殺人犯にされた」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4812445043に続いて読んだから、なおさら思い込みで判断することが判断される側に与える影響に目が行く。

    店や著者と関係ない部分だけど、どれだけ自分が大事な客かを確かめたがる常連客だけが気持ち悪かった。
    それ以外は店に行ってみたいと思える。カレーがおいしそうないい本だった。

  • 関東近郊にお住まいの方なら、銀座のナイルレストランに足を運ばれたことのある方も多いのではないだろうか。日本で最も古く、最も成功したインド料理店と言われる店だ。銀座の老舗というと、敷居が高く感じるかもしれないが、この店の場合少しばかり訳が違う。

    まず、黙っていたらメニューは出てこない。本書にも登場する古株の店員ラジャンさんと目が合った瞬間に「ムルギランチね」と言われ、メニューが決定される。ムルギランチは、ご飯に鶏もも肉のカレーとキャベツ、ポテトがかかったもの。これを「混じぇて食べて」と言われながら出されることで、食べ方も決定される。ここで素直に混ぜて食べようとすると「飲み物はビール」と、昼間っからビールを出されそうになる。恐る恐る「ビールは結構です」と言うと、「とりあえじゅ、おみじゅ」と言われ、お水がビールへのプロセスであるということまで決定される。いやいや、だからオレ酒飲めないんだって!

    しかし、こうして辿り着いたムルギランチが、癖になるくらいにハマる。癖になっているのは、そのイニシアティブを一切渡さない接客にあるのか、カレーの味にあるのかよく分からないが、店を出た後に必ず「また来よう」と思わせる不思議な魅力を持つ店なのである。

    本書は、そんなナイルレストランの親子三代に渡る歴史を綴った物語。著者は東京カリ~番長でおなじみ、水野 仁輔氏。カレーに生涯をかけた男たちのドラマを、カレーを最も愛する男が描く。これをカレー好きが読まずして、誰が読むというのか。

    この親子三代の人間模様は、三者三様だ。初代オーナーのA・M・ナイルは、インド独立運動の志士。諜報員として、ラス・ビハリ・ホースの片腕として暗躍し、戦後の東京国際裁判ではインドのパール判事の通訳まで務めた男である。

    フロアにいる彼の態度は、サービス精神旺盛な接客とは程遠く、一国一城の主のようであったという。ムルギランチの「混ぜて食べろ」から始まって、食べ残しをする客には「残しちゃいかん」。ガムを噛んでる客には「出てけ!」って怒鳴る。昭和の頑固おやじを彷彿させるのは、店が昭和通りに面しているからだけでないだろう。

    二代目のG・M・ナイルは、いわゆる天才肌。オーナーとして店の営業を軌道に乗せ、タレント活動にも忙しい。その口調は自信たっぷりで、臆面もなく「僕はものすごい頭がいい」と言い切る。そこに嫌味を感じさせないのも、根っからの商売人として培われたキャラクターと、築いてきた実績の賜物である。

    三代目のナイル義己は、老舗ならではの重圧をひしひしと感じる毎日だ。店を継ぐ継がないでひともんちゃくあったものの、決心したのちはインドのゴアで修業を積んだ。日本でも数少ない本格派の腕前を持っている。

    インドにルーツを持つこの三人。彼らの手によって何十年もに渡り継承されてきたブランドエッセンスが、本書にはギュッと凝縮されている。始まりは、終戦のどさくさに紛れて、ちっちゃな汚い小屋でカレーライスを始めたという些細な出来事がきっかけだ。それが、長年に渡って愛され続ける現在の「ナイルレストラン」になるまでには、独自の思想によって形作られてきた特有のスタイルというものがあるのだ。

    その最大の特徴は、お店の営業形態を頑なに変えずに守り続けているということにある。それはメニューにも顕著だ。自称カレー通の僕が通常、インド料理屋で最も多く注文するカレーは、バターチキンである。複数人でお店に行き、三品くらい頼むのであれば、その中に必ず一品は入ってくる。そんなどこの店にもある当たり前のメニューが、ナイルレストランにはない。

    しかし、よくよく考えてみると、この選択が実に理にかなっていることに気が付かされる。バターチキンは、どこの店で食べても味のばらつきがなく、不味いバターチキンカレーにお目にかかることなどめったにない。要は一見さんのために用意される、外さないためのメニューということなのだ。常連客を相手にするナイルには、この間口を広げるためのメニューなど必要ないという判断なのである。

    「遠い将来を見据えたときに、何がこの店の生き残り策か、何が儲かるか、何が何がを突き詰めて考えたうえで、現状維持が一番良いという結論を出している」という台詞が、とても印象的だ。その不変性は、お皿一枚をとっても、向こう五十年変えなくてすむように買い置きしてあるというほどである。ここまで徹底して、初めて店の味を守り続けるということが可能になるのだ。

    カレーの本を読んだ後に、カレーを食べたくなることなどよくあることだ。しかし本書の場合、それは銀座ナイルのムルギランチでなくてはならない。そして、一度だけでなく、この店の常連になりたいとさえ思わせてくれるのも、本書で描かれている物語の力だ。

    ナイルが創業百周年を迎える三十八年後、僕は七十四歳。常連しか座れないとされる一階の一番奥の席に座り、まだ見ぬ四代目の店さばきを観察する。そして、ムルギランチを頬張りながら、「あいつも先代に似てきたね」などと呟く。読後の妄想は、どこまでも膨らんだ。

    おそらく僕が生きている限りは、かの地で営業し続けるであろう老舗のインド料理店。銀座ナイルの物語を共有することの魅力は、そんなところにある。本書の先に広がる世界は、果てしない。

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