昭和恋々〈パート2〉

著者 :
  • 清流出版
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本棚登録 : 11
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860290412

感想・レビュー・書評

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  • この続編が出るまでの期間に、山本夏彦さんが亡くなられている 。
    久世さんの心遣いからか、【はじめに】の山本さんの記事はない。
    【あとがき】で久世さんが、続編が出るようになった経緯を簡単に述べられていて、山本さんから半ば威嚇されるかのように頼まれたことを明かしている。
    なので、序章の部分が無言でも、山本さんの息遣いを感じながら読むことにした。
    第一部が「あの頃いた場所」で、第二部は久世さんと川本三郎さん、俵万智さんの対談が約40ページ分載っている。

    第一部は前回同様、一枚ずつの昭和の写真に寄せてそれぞれの記事が載っている。
    それは、久世さんの少年時代からの思い出を巧みに織り交ぜながら語られる。
    テレビドラマを作りながらエッセイや小説も書き、テレビ界と文芸界を往復していた久世さんの文章は、どの一行をとっても美しい。
    珠玉のような、などという表現さえ空々しく感じるほど風雅な香りがある。
    無駄がなく、冗長さもなく、かといって物足りなさもなく、すべてが流れるようなのだ。
    演出家でもあったためか、文章からは風景がありありと浮かぶ。
    およそ文章を生業とする方には、まずはこの方の作品を読んでもらいたいなぁ、なんて偉そうなことを思う。

    「喧嘩」「蠟石」「木造校舎」で、ふと心の歩みを止め、「写真館」「初詣」では、もうほとんど涙が出る寸前まで来る。
    「火鉢」では懐かしの「吉川英治さん」の画像が登場して、歓喜のあまり声をあげそうになり、「帽子」では、帰宅した父の帽子を玄関で受け取り、帽子掛けに掛けるのが大好きだった子供時代を思い出してしまい、切々となった。

    お元気だったら、もしかしたら、第三部、第四部と手がけられたのではないか、そんなことも思う。
    昭和は遠くなりにけり。
    それは、この作品の中の言葉を借りれば【街にしても建物にしても、そして人の一生にしても、すべての物語の主役はーーー歳月である】
    ということなのだろう。

    • nejidonさん
      あやさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます!

      出版事情がどうなっているのか分からないのですが、
      久世さんの本が手に入りにくくなり...
      あやさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます!

      出版事情がどうなっているのか分からないのですが、
      久世さんの本が手に入りにくくなりました。
      この一冊も(清流出版のハードカバーです)古本屋さんでようやく買えたものです。

      文章がとても自然に、すうぅぅぅっと馴染んでくるのです。
      あれ?さっき何て書いてあったっけ?なんて読み返したことはないですね(笑)
      【古き良きことを忘れずに前に進むことは
      すごく難しいけれど、そう努力していかなきゃと
      改めて思ったりしています。】
      温故知新という四文字は、なかなか深くて難しいです。
      そもそも「温故」だけでも難しいです。
      私なんて、たぶん一生「温故」だけでウロウロしそうです。。
      この一冊が、あやさんの手元にも届きますように!
      2013/07/04
    • 山本 あやさん
      nejidonさん、こちらにもお邪魔しますー[*Ü*]

      まずは初心者なので「昭和恋々」のパート1のほうから
      古本屋さんを検索しまくって注文...
      nejidonさん、こちらにもお邪魔しますー[*Ü*]

      まずは初心者なので「昭和恋々」のパート1のほうから
      古本屋さんを検索しまくって注文しました!
      もー、到着がすごく楽しみです♪

      最近は電子化で在庫を持つリスクを減らすためにも
      重版がすぐにかからなくなって、余計に絶版が増えたりで寂しいですよね。
      復刊ドットコムさんでもなかなかたくさんの本には
      手が回らないし、復刻がやたら高かったり[´iωi`]

      仕方がないけれど、ステキな本が1冊でも多く
      先に残っていてほしいですよね[^-^]

      すぅーっと入ってくる久世さんの文章とっても楽しみです♡
      2013/07/04
    • nejidonさん
      あやさん、こちらにもコメントをいただいてありがとうございます!
      おお、すでにパートⅠを注文されたのですね。
      どきどき(胸の鼓動)・・ あやさ...
      あやさん、こちらにもコメントをいただいてありがとうございます!
      おお、すでにパートⅠを注文されたのですね。
      どきどき(胸の鼓動)・・ あやさんにも気に入っていただけたら本当に嬉しいです。
      もしも、もしも、お気に召さなかったら、そこは黙っててくださって構いませんから(笑)。

      【最近は電子化で在庫を持つリスクを減らすためにも
      重版がすぐにかからなくなって、余計に絶版が増えたりで寂しいですよね。】
      そうなのですよね。
      本当に欲しい本は、マニアな人がとんでもない高額で売っていたりします。
      そうそう、復刻版もそれはそれは高いですね。
      なので私は、手に入れたら大事に保管することにしています。
      電子化ももちろんメリットが大きいですが、紙の本をめくって読むのがやっぱり好きですね。

      2013/07/05
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