映像の発見―アヴァンギャルドとドキュメンタリー

著者 :
  • 清流出版
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860291358

感想・レビュー・書評

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  • 町山さんのネタ本?
    それはさておき、ここで述べられる話は、過去の話でもなく、それどころか映画の話でさえない。現代の我々の話である。我々はこの本が書かれた50年前から如何ほど洗練されたというのか。洗練どころか――と思わざるを得ない。
    【敗戦の事実から何物をもえようとせず、そのことによって「戦後」を挫折させたものたちが、戦後十四年を経た今日、敗戦を「敗戦」たらしめ、戦後を「戦後」たらしめることによって、現実変革のプログラムとその実践主体の革命をなそうとすることを「またしても」拒否しているということであり、そのような傾向にたいして、私たちが、断固非妥協的に闘いぬくことによって、私たちの戦後史に責任を負わねばならぬということである】
    【私たちが、虚偽の連帯の否定し、擬制のコミュニケーションを破壊しようと試みるのは、その問いを真剣に考えるからである。それはまさに、おのれのなかに他者(大衆)を見いだし、他者(大衆)のなかにおのれを見いだす視点が、いかにして獲得されうるかという問いに答えることでもある。私たちの運動は、ディスコミニケーションの凝視の果てに真の人間連帯を派遣してゆく地点から組織されなおされないかぎり、もはやどうにもならないとことにきていることは、あまりにも確かなことなのである】

  • けっこう有名な名著らしい

  • 【目次】
     輝きを失わない真の古典的名著(中条省平)

     映像芸術の現代的視座

     前衛記録映画論/方法とイメージ/ネオ・ドキュメンタリズムとは何か/隠された世界の記録−−ドキュメンタリーにおける想像力の問題

     残酷を見つめる眼−−芸術的否定行為における主体の位置について/堕落したリアリズム/モダニズムとクリティック/追体験の主体的意味−−『二十四時間の情事』について

     日常性と凝視/ドラマのないドラマ/存在の形而上学

     「敗戦」と「戦後」の不在/芸術的サド・マゾヒストの意識/変身の論理/大衆という名の物神について/運動の変革
    初版あとがき
    再版に寄せて

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プロフィール

1932年生まれ。映画監督・映像作家。
東京大学文学部美学美術史科を卒業後、新理研映画に入社し、実験工房のメンバーを起用してPR映画『銀輪』(1956)を演出。その後、教育映画作家協会(記録映画作家協会)に入会し、機関誌『記録映画』において前衛記録映画の理論を展開させ、その実践として『西陣』(1961)、『石の詩』(1963)等の記録映画を演出する。その後も『つぶれかかった右眼のために』(1968)、『アートマン』(1975)をはじめとする数々の作品で、国内における実験映画やビデオアートの動向を牽引してゆく。また、日本万国博覧会で『スペース・プロジェクション・アコ』(1970)を発表したほか、『薔薇の葬列』(1969)、『修羅』(1971)、『十六歳の戦争』(1973-1976)、『ドグラ・マグラ』(1988)という四本の劇映画を監督した。著書に『映像の発見』(三一書房、1963)、『表現の世界』(1967)、『映画の変革』(三一書房、1972)、『幻視の美学』(フィルムアート社、1976)、『映像の探求』(三一書房、1991)、『逸脱の映像』(月曜社、2013)などがある。

「2016年 『松本俊夫著作集成Ⅰ 一九五三─一九六五』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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