あんぱんはなぜ売れ続けるのか

著者 :
  • 清流出版
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860291709

感想・レビュー・書評

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  • "今では当たり前のように認知されている商品が、どのように作られ、どのようなブレークスルーを経て現在に至るのかが判りやすく纏められている一冊。

    当時は”マーケティング”という言葉は確立されていなかったにしろ、現状のフレームに当てはめると成程結果が出る訳だ、と合致する事が多い。
    全部で6つのエピソードが収録されているが、一つ一つは長くないので読みやすい。


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    【木村屋の桜あんぱん】
    ⇒文化創造のマーケティング戦略

    ◆桜あんぱんの商品コンセプト
    1.日本独自のイメージにしたいと言う”オリジナリティー”を
      商品作りのトッププライオリティー(最優先課題)においた事
    2.あんぱんに桜=日本の季節感・日本文化の香りを漂わせたこと

    ⇒明治天皇献上によって市場創造のブレークスルーを得た

    ◆高級イメージ戦略(プレスティジア戦略)と大衆イメージ戦略(プロモーショナル戦略)
    =木村屋は前者を取っており、販売チャネルは三越や伊勢丹などの高級百貨店のみ
     また、店舗ロケーションも銀座の一等地
     プレスティジア戦略で”一流店”というイメージを持たせた

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    【金鳥の蚊取り線香】

    ◆「使いやすさ」と「覚えやすさ」が驚異のリピート力を発揮

    当初は棒状で、40分程度しか持たない・折れやすい・煙が少ないなど、課題が多かった
    ⇒妻の「渦巻き型にしたら?」「金網の上で乾かせたら?」の一言でブレークスルー

    形状と乾燥方法が確立され、1902年の発売以来ずっと渦巻き状
    ⇒この形状が”金鳥の蚊取り線香”のオンリーワン
     ※1955年ごろ機械生産で他社が追随した為、唯一の”左巻き”にした


    ◆金鳥の宣伝戦略
    大正~昭和:美術品のような石版印刷のカラーポスター
    昭和中期 :美空ひばり「金鳥の夏、日本の夏」

    一流の商品には一流の広告・キャラクターを、というナンバーワン戦略に基づいた宣伝マーケティング


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    【キューピーのマヨネーズ】

    ◆「最高品質のマヨネーズをつくる」という創業者の理念
    原料に徹底的にこだわる製品開発戦略を行なった(卵の鮮度、独自の酢…etc)


    ”マヨネーズ”を誰も知らない時代
    試食販売による「販売促進戦略」:カニやホタテなどの高級食材を合わせた
    新聞広告による「広告宣伝戦略」:一回の大枠でなく、小さな枠に定期的に出稿し続けた

    ◆「Food, for ages 0-100」
    食分野開拓のマーケティング戦略
    赤ちゃんからお年寄りまで、それぞれの世代に「おいしさ」「健康」「安心」を、という多角的な戦略
    1.マヨネーズ・ドレッシング事業
    2.フルーツ加工・調理食品事業(マーマレードを起点とした)
    3.タマゴ事業(マヨネーズを作るうえで残る卵白の再活用=製菓材料から化粧品・医薬品まで)
    4.ヘルスケア事業(業務用の医療食、など)
    5.野菜とサラダ事業
    6.物流システム事業(品質保持の為には自分たちの手で運ぶべき、という精神のもと)


    【田崎真珠】

    ◆「夢を追い、夢を実現していくマーケティング戦略」を実現してきた
    創業時から”日本一の商店街、銀座に一流店を出店したい”という夢・ビジョンを描いていた

    ストアマーケティングの理想の姿を示している
    ・ジュエリーミュージアムで基礎知識を付け、そのまま下層フロアの店舗スペースに降りていく一連の流れ
    =要職から販売までの一貫メーカーという基本経営方針を貫いてきたから

    ◆インレンジ・アウトレンジ戦略(マーケット・カバレッジ戦略)
    創業後はインレンジ戦略で、射程圏内のカバー率を高めた
    その後、東京進出(アウトレンジ)をブレークスルーとし、全国展開へ
    (まず身近な所でポジションを確立した後に、東京のしかも銀座四丁目に出店、という話題性)


    【カゴメが推進する”ブランド価値経営”】

    「自然を、おいしく、楽しく」というブランドステートメント
    =価値や提供するものを”約束”し、立派に果たしていく=「ブランド価値の約束」

    スカイ戦略・カゴメ101運動など定期的に戦略方針や創業精神、あり方を表明して、
    本来持っているブランドイメージを再び問い直している=ユーザーの再認識も

    "

  • 木村屋のあんぱんを皮切りに、日本の企業七社の百余年に及ぶロングセラー商品がなぜ売れ続けているのか、その企業はなぜ存続し続けているのかという疑問にマーケティング戦略の観点から答える一冊。

    木村屋のほかに、キューピーやカゴメなどおなじみの企業が登場しますが、「イトーキ」ってなんの会社だっけ?目次で首をかしげたのですが、読んでみて思い出しました。
    私、イトーキのパソコンチェアを使ってる、と。

    どの企業の商品も、一度は購入したことのあるものばかり。
    そんななじみのある企業、商品を実例に挙げてマーケティング戦略を解説しているので、理解しやすかったです。

  • タイトルのあんパンの話は30ページ。しかし、この本はマーケてィングとはこういうものなのだという実例を紹介する本でした。とても参考になる。木村屋の桜あんぱんから始まり、キンチョウの蚊取り線香、キューピーマヨネーズ、田崎真珠、食料品メーカーのカゴメ、オフィス家具のイトーキ、文具のゼブラをそれぞれ、歴史から社風・マーケティングの素晴らしさを教えてくれる。

  • 日本人なら誰もが知っている、あの商品がなぜ、100年近くも愛されてきたのか。
    ちゃんとマーケティングが隠されているのです。

  • 2007.1/1〜1/2

    あんぱんは明治天皇に献上されたことで、庶民に広まったと知った。
    ほかにキューピーマヨネーズなど。

  • 日本における数々の老舗ブランドの本。
    手づくりの温かさが匂ってきそうな
    そういう商品が綿々と売れ続けるのかな。なんて思ってしまう。ここにあるあんぱんとは、当然銀座木村屋のあんぱんであるが、私も好物である。ただ、冷めてしまうととたんにぱさぱさして、旨みが遠のくので、焼き立てを食べたい。って本書の感想には関係ないか。。

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