どんぐりのリボン

著者 :
  • 清流出版
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本棚登録 : 29
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860293208

作品紹介・あらすじ

何がうれしいといって、待ち合せのときめきほど、いい気分のものがあろうか。そして、彼の手に触れてみたくて…。一行一行を舐る愉悦-田辺聖子の恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 本屋で気になっていたので読んでみました。久々の田辺聖子作品です。どんな恋愛や人間模様を展開するのかと思いながら読み進めていくと楽しい人たちが思い思いに過ごしているのですが、終盤になってまさか災害が起こるなんて…でもそれがきっかけで主人公の
    五月と栗本の恋心が結ばれたというどんでん返し。
    1986年の作品は色あせないものなのですね。

  • 2011.01.09. 去年くらいから、じわじわと田辺聖子さんが好き。主人公は25歳、私と同い年なんだけれど、結婚への切迫感が全然違うなぁ。

  • 1986年に単行本、1989年に文庫本になったという小説の再刊。
    田辺聖子は短編もいいけど、こういう長編もイイ。

    たぶんこれは「恋愛小説」という括りに入るんやろうけど、「まちづくり」とか「田舎と都会」とか「地域の活性化」とか、そういうのに興味がある人が読んでもオモロイ小説やろなアと思った。

    大阪の近郊「螢川市」(というのはこのあたりか隣あたりのことかいな、と思われる)で、「螢川をおもろうする会」をつくってるコタやん、「人間の住むトコは、あんまりきれいに塵ひとつとどめぬようにしてしもたらあかんのですワ」という説。

    ▼「町も人間もバイキンだらけのほうがよろし。バイキンに堪えて人は生きていく。そのほうがイキイキしてよろし。こういう汚いけどうまいうどん屋、古い古いうどん屋が、いつまでもつぶれずに、新しいもんと混じって町にある、そういうのが町としてはええねん、この店、立ち退きさせて…」
    「は?」
    「ここもチェーンストアのファミリーレストランにする、いうハナシが来てるそうやけど。な、おばさん」
    とコタやんは、通りかかった婆さんにいった。
    婆さんはあいかわらずむっつりと、
    「へ」
    といって奥に消える。
    「そんなん、あかん、ちゅうねん。そないいうて、みな同じ味にしてしもたらつまらん。…(後略)」
    (p.53)

    ▼「町には産業があって、それで文化があって、自然がきれいで。バイキンというか、カビもあって、──そういうのでないといかん。そこで食えて、楽しめて、自然にかこまれてる、いうような。つまり一つの文化圏をかたちづくり、一つの経済圏としての機能を発揮してる、というようなところでないといかんのや」
    (p.108)

    「螢川市」の役所に勤める主人公の五月は、仕事の縁でコタやんに会って「螢川をおもろうする会」へ入り、勤め先のまちのことを見る"新たな目"をもつ。仕事も楽しいになってくる。

    やはりひょんな縁で知り合った兵庫の姫路の奥のほうの「夢野町」の男・栗本とのやりとりで、ふん田舎のつきあいの感覚は都会とはちゃうワ、わからんワと思てたようなところが、実際の「夢野町」を訪れ、その風景を見るにいたって、五月はやっと栗本の言葉が実感できたと思う。

    そして、螢川市にも夢野町にも、地域社会のなかでつながれてる人間関係が同じようにあるんやなアと五月は思ったりするのである。

    「恋愛小説」部分もそれはそれでオモロイのだが、螢川市と夢野町の話が順繰りに出てきて五月がもの思うところも、わるくないのだった。

  • 農村青年とOLの心の交流を描く恋愛小説。
    25歳の主人公は友人の結婚式で農村の青年である男性と知り合う。価値観の違いから口論を繰り返すうちに、やがて2人は……。

    このたび、復刊された長編三小説の1冊です。
    1986年に単行本化されたので、いまどきとは付き合い方が違います。
    携帯電話などないから、直接家に電話をかけて取り次いでもらう。
    連絡方法は手紙…
    女は男を盛り立てる存在で、結婚したら仕事をやめて家に入る。
    どれも懐かしい、いい時代の物語です。

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著者プロフィール

1928年、大阪市生まれ。樟蔭女子専門学校卒業。64年『感傷旅行』で芥川賞、87年『花衣ぬぐやまつわる……』で女流文学賞、93年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞を受賞。『むかし・あけぼの』『ジョゼと虎と魚たち』『田辺聖子の小倉百人一首』など著作多数。

「2017年 『私の大阪八景』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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