それでも笑みを

著者 :
  • 清流出版
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860293345

作品紹介・あらすじ

カンボジア、広島、コソボ、アフガニスタン…。戦争や内乱など社会情勢の厳しい地にも、涙をこらえた笑み、はにかみの微笑み、はじける笑顔がある。40年にわたり撮り続けた世界35か所での「笑み」。

感想・レビュー・書評

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  • いろんな国のいろんな人たちの「それでも笑ってみせる」姿をうつした写真集。
    「清貧」とか「美しい被害者」や「前向きな障害者」の類の「たいへんなのにがんばる弱者」を高いところから期待する目線が嫌だ。
    「日本人が忘れてしまった大切なものが」式のどっかで聞いたような文章を読んでいると澱がたまっていく気がする。
    (だから途中から文章はほとんど読み飛ばした)

    写真はきれい。
    ぷっくりしたおなかのこどもに乳を与える母親の写真は天使と聖母の宗教画のようだ。
    チェルノブイリの抗癌治療で髪の抜けた頭を布で覆った少女の写真はフェルメールを思い出した。
    ・・・作りすぎじゃね?

    表紙の写真は目の前で殺された父親の話をしようとして泣きだした少年。
    ずいぶん素敵な構図を素敵なタイミングで撮れたものだ。
    まるで写真を撮るために泣かせたかのよう。

    見たいものを見たいように見るために素材(そこで生きている人)を使っているようで不愉快。
    他人の苦痛をうっとりと消費するポエミーな文章と合わせて悪趣味この上ない。

    好みは別として、ポエムも写真も完全フィクションのアートならそれはそれでありだと思う。
    アートのくせにジャーナリズムの顔をしているのが気に入らない。

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著者プロフィール

●大石芳野(おおいし・よしの) 東京都出身。写真家。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、ドキュメンタリー写真に携わり今日に至る。戦争や内乱、急速な社会の変容によって傷つけられ苦悩しながらも逞しく生きる人びとの姿をカメラとペンで追っている。2001年土門拳賞(『ベトナム 凜と』)、2007年エイボン女性大賞、同年紫綬褒章ほか。

「2015年 『戦争は終っても終わらない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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