風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡

著者 :
  • ロッキング・オン
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本棚登録 : 713
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860520076

感想・レビュー・書評

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  • 宮崎駿インタビュー集。宮崎を崇拝しているかのような愛情あふれる渋谷陽一によるもの。ナウシカから千尋までの心境を、それぞれの節目と、振り返りと両方。手塚治虫や押井守への批判など面白い。ものつくりをしている人の、ここまでは見せていいかなという葛藤がみられる。深淵までは不可能だが、色々想像できる。

  • 雑誌紙面にて12年もの年月をかけて行われたインタビューの再録集。インタビューワーはCUT、ロッキンオン創刊者の渋谷陽一氏。さすが作品や宮崎氏自身についてかなりつっこんだ質問をされています。感覚的な問いが多く、それに対して宮崎氏も感覚的に答えるので飲み込むのに時間がかかることもしばしば。初期の頃の若干喧嘩腰の質問がおもしろい。「作品内のターニングポイントでたびたび風が吹くのは意図したものか?」という質問からこのタイトルがきたんでしょうか。

    宮崎駿氏はどこか現実に対してニヒリストな印象があったのですが、インタビューを読んで感じたのは全く逆で「理想がものすごく高い人」でした。アニメ制作の劣悪な環境を作り出したと手塚治虫氏を批判したエピソードは有名ですが、この本では更にアニメ化したことで手塚氏が商業的ヒューマニズムに走ったと批判しています。他にもディズニーや、エヴァンゲリオンの庵野監督、攻殻機動隊の押井守監督らの作品に対しても言及。

    全体的に、作品自体についての裏話などよりかは、その時々のジブリの状況、宮崎駿氏が何を考えているかに焦点が当てられています。もののけ姫以降年齢を理由に「俺は引退する」と何度も口にしているのが気になりました。やめられないんだなあ…。

  • 知ってはいたけど読まなかった本。「君たちは、、、」を観て、本当にこれでサヨナラかな、とセンチな気分になり読んでみた(その後、次回作を作る気マンマンとの事でビックリ)。相変わらずストレートと言うか容赦ない物言いにニンマリとする。また押井守と対談して欲しい。
    今読むと、注釈があった方がいいような気もするが、なくても別に良いか。インタビュアーの渋谷陽一自身に知識が無いのだから。「もののけ姫」の絵本くらい読んどいても良かったのでは。
    渋谷陽一は私にとって信頼出来るインタビュアーではありますが、もし吉田豪とか竹熊健太郎がインタビュアーだったらどうなったのだろう、、、とも思う。

  • 渋谷陽一さんと宮崎駿さんの対話文となってます。
    テレビでは見ることができない、宮崎さんの本音のようなものや葛藤を垣間見ることができ1冊。
    作品で言うと「千と千尋の神隠し」辺りまでの話。
    どういった思いで、名シーンを産み出してきたのか、どういったものに影響を受けてきたのか、アニメーションを作る上で大切にしていることは何なのか、そいった話を聞くことができる。

  • 2013年9月24日読了。
    インタビュアーと噛み合ってないところが一番のポイントかなあ(笑)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「噛み合ってない」
      それは面白そう!
      「噛み合ってない」
      それは面白そう!
      2014/05/22
  • インタビューというものは、インタビュアーの質によって如何様にも変わるものだということを教えてくれる本。
    そして、子供向けアニメ映画監督、宮崎駿の頭の中は、子供向けとは程遠く哲学的であることを教えてくれる本。

    日本のロック雑誌のパイオニア、ロッキンオン初代編集長である渋谷陽一が、巨匠宮崎駿に正面からぶつかって、他では聞けない本音と裏話をこれでもかと聞き出したインタビュー本。

    記事を少しだけ抜粋。
    ナウシカ、ラピュタ、トトロ、魔女の宅急便まで発表した後の1990年のインタビューより。
    大人向けの映画を作らないのか、という話の流れの中で。
    「子供は可能性を持ってる存在で、しかも、その可能性がいつも敗れ続けていくっていう存在だから、子供に向かって語ることは価値があるのであって。もう敗れきってしまった人間にね、僕は何も言う気は起こらない。と言ってしまうと、ちょっと言葉の上では走り過ぎてるのかもしれませんが。」

    そしてこの後、中年を主人公にした『紅の豚』を撮ることになる宮崎駿。その後のインタビューがまた、大変に面白いのです。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/64139

  • 渋谷さんによる宮崎監督へのインタヴューをまとめた一冊。
    ズバッと切り込む渋谷さんのインタヴューをウイットに富んだ返しで応える宮崎さん。
    お二人のやりとりから、ジブリの名作達が如何にして生まれたかを知ることができた。
    今では不動の地位を築いているジブリブランドもかつては大変な苦労をしてきたこと。
    公開当時のトトロが泣かず飛ばずだったことには驚いた。
    確固たる信念がありながらも常に自問自答を繰り返して産みの苦しみと向き合ってきた宮崎監督のクリエイターとしての矜持を感じる一冊。

  • 宮崎駿監督のジブリ映画に対する想いとか、製作時のエピソードとか、そういった読むと更に映画を楽しめる本。

    ジブリ映画が好き!宮崎駿監督が好き!って人じゃなくても楽しんで読めると思う。
    でも、これを読んだあとは誰かと「実はあの映画は〜」と話したくなるので、やっぱり好きな方に読んで欲しい。



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

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著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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