- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860520083
感想・レビュー・書評
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たまたま書架で目を引いて手に取る。
孤高でなく、孤独。強烈な愛情と憎悪にもまれて育ったことで、常人にはない独特で複雑なリカージョン感覚を持っていることがわかる。宇宙観については自分とまったく一緒だ。
<blockquote>P60 で、「とりあえずお前らの面倒は、オレが一生みるぞ」って行ったんだけどね。あの後でもし本当に芸能界だめになってたらね、面倒見てねえと思うんだ。ほいで「裏切り者、恩知らず!」とかいろんなこと言われて、「汚ねぇぞ人でなし!」なんか言われていると思う。
P84 酒だと酔っても自分が考えてることは、基本的なとこは崩されない感じあるけど、薬って基本的な考え方まで崩されるような気がするからね。おれはやっぱり根本的な思想として、人生をただ楽しむだけのもんだとは思ってないし。淡々と生きるもんだと思ってるから。楽しもうとしてはいけないし、別に嫌がってもいけないっていう。ただ、普通に仕事を考えて、酒飲んだりして生きてることが一番ベストだと思ってる。でも、薬なんかやると、その考え方自体を根底から崩される可能性あるじゃない?したらちょっと、ヤバイ。
P110 ああ、笑われてるけど、これは自分じゃないんだっていうのと、自分だっていうのとか。痛みに対してとかね、あらゆるとこでポッと抜ける癖があって。(中略)俺は「オレを見せてあげてんだよ、俺じゃねえよこんなもの」って思ってて。そういう感じすごくあるからね。
P171 高めの球をふっちゃうバッターに「高めの球には気をつけろ」って言うのはプロのコーチ失格なんだって。「高め」って言っちゃった時点で、そいつの頭には高めの球っていうのが残っちゃうから。そうじゃなくて、そこでは「いいか、低めの球を狙え」って言うべきなんだって。はなから高めっていうもの自体を全部なくすんだって。
P223 宗教っていうのは、下手すっと、鏡みたいなとこあると思うんだよ。(中略)だけど、神というのはそういうものかなって感じがある。要するに鏡にしといて、こう自分を映してみて、ああ罰が当たるとか、そういうことしちゃいけないんだっていう、自分自身を再確認する鏡かなあと思う時あるね。(中略)要するに人間自体が自分で治る力があるじゃない?だとしたら、どんな汚い方法でもその人が治りゃあいいんだって。それが宗教だと思うんだよ。サクラ使って、足の悪い人が立ち上がりましたなんてやってても、ほんとに立てない人がそれをみて立ち上がったら、それでいいっていう。それはインチキでもなんでもないっつうね。</blockquote>詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
結構、文だけ読むとうわぁ~って内容なはずなのに不快感を感じないというのは仁徳なのだろうか。
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お金も女も名声も手に入って、自分のことを教祖みたいなものかもって言ってしまうところに好感を持ってしまう。そのくせ、こんなもののために生きてきたのか、頑張ってきたのかって当事者にしか分からないことを教えてくれる。成功者みたいな発言が全くない。目標とか夢を目指してとかってことを言わない。
本人が言うとおり心配されるタイプというのは、ファンのひとりとして当たっていると思う。読み終わってから気が付いたけど、インタビューは渋谷陽一だった、なるほど! -
この人の生きて、生きた時代を知らないことを恥ずかしくかんじる。私は貧乏も空腹も戦争も知らない。それは当然であり、おかしなことは何もないけれど、戦後の時代を生きてきた人間であることをこの本を読めばよくわかる。
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たけしの子供の頃とか若い頃の話とか家族の話とか、宗教観とか。
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たけしの本も結構読んでいる。
人生に一本筋が通っている人の発想はやはり違う。 -
桐生などを舞台とした作品です。
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北野武とは極上の鬼才者でもあり、ごく普通のオッサンでもあった。
いや、普通以下かもしれない。 -
また違った天才という印象
淋しがり屋のコンプレックスをもった人なんだと思う。
だから面白いのかもしれないですね。 -
また知らなかった殿の姿を見れて至福です。