同姓同名小説

著者 :
  • ロッキング・オン
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本棚登録 : 203
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860520090

感想・レビュー・書評

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  • 松尾スズキ、初の短編小説集。
    松尾スズキが好きで好きで、戯曲だけじゃ全然足んねえ、と思っていた頃に刊行。
    そらハードカバーで買うわ。1500円、出しますわ。

    初読は2002年。
    ユーロが流通して、雪印がなくなって、ソルトレーク五輪があって、日韓W杯もあって、自衛隊は東ティモールに派遣されて、鈴木宗男が逮捕されて、石井館長も逮捕されて、田中さんがノーベル賞もらって、金正日が拉致事件認めて謝罪して蓮池さん達5人が帰ってきて、タマちゃんは神出鬼没で、猫も杓子もベッカム様だった。
    そして私は色々中途半端ながらもとりあえず身分的には社会人1年目だった。

    芸能人の名前いっぱい出てくるけど「実在の方々とは何の関係もありません。同じ名前の別の人、としてお読みください」とのこと。

    甘えん坊さんの大学生から心の準備体操なしで社会に飛び込んでしまい、泳いでるのか溺れてるのか解んないアップアップの中、築30年のアパートでひとり膝を抱えながら読んだのを思い出す。
    読みながら、「こういうパロディって風化しちゃわないのかなあ」とか余計な心配をして、でもとにかく面白くて、こんなブッ飛んだ小説を書く松尾スズキがいる世界にいられて良かった、みたいな事まで思って、そんでインスタントラーメン食べて寝たのを思い出す。

    先日、久々に再読。
    ホント芸能人って、架空の存在だなあ。空想上の生き物だなあ。河童の類だなあ。ヒロスエ回が全てを物語っていると思いました。
    今はもういなくなってしまった人たちもいるけど、松尾スズキのキレキレのギャグは全く色褪せていないよ!

    第1話「みのが、みのであるために」―みのもんた
    第2話「ピンクレディー復活の日」―ピンクレディー
    第3話「蚕谷村奇譚・なお美の夢」―川島なお美
    第4話「間違えたいの!」―中村江里子
    第5話「上祐の夏」―上祐史浩
    第6話「乱の乱」―乱一世
    第7話「力の魂」―竹内力
    第8話「田代の一番長い日」―田代まさし
    第9話「女優・荻野目」―荻野目慶子
    第10話「広末の秘密」―広末涼子
    第11話「総理の息子と呼ばないで」―小泉孝太郎
    第12話「モニと私」―モーニング娘。
    第13話「上161下105の男」―松尾スズキ

  • みのもんた、広末涼子、小泉孝太郎、安田圭、名前がたまたま一緒な彼が繰り広げる奇行。
    「同姓同名小説」と言い切ってしまってここまでやってしまうのが松尾スタイル。

  • 特に良いのは、みのの話。
    ほんとに良いです。あと、田代の回の後半、松尾ちゃんがいかれまくってる感じが非情に楽しい。
    自分がいかれている時もあんな感じなので、共感できまうす。

  • いろんな有名人が「え?」って形で出てきます。みのが良かったなー。

  • 「有名人と同姓同名の別人」というノイジーな人物を劇中に登場させるのは松尾作品における十八番だが、これはその松尾お得意の小ネタを構造上の肝に据えた短編小説集。笑いの中にリリカルな余情をもたらす手腕などは芝居やコラムでも見られる彼の持ち味だが、小説でもそれは見事に花開いている。個人的には川島なお美、中村江里子、広末涼子、小泉孝太郎の回などが白眉。

  • <font color="999999">「胡椒や酢ぅを入れるのは誰にでもできまんのや。けんどな、ラーメンに水入れる、これは、この竹内にしかできまへんのや。これはな、食えん。正直に言う。食えるかいこんなもん。でも、これはあくまできっかけや。ラーメンに水入れる。そっからや。そっから何かが生まれるかもしれんやおまへんか」<BR> まったく意味がわからなかった。</font><BR><BR>伝説が生まれるらしいです。という竹内力さんの章(笑)ラストごきげんようで小堺さんもいい仕事してるしw この章気に入ったなぁ。すごいなどっから出てくんだろこのセンス。抜群にくだらない。でもいいのかこれ。ちょっとタブー気味な匂いが・・。苦笑。田代まさすを登場させといて、後で自己嫌悪に陥ってる辺り最高。あはは。崩壊してるw 兵庫!って叫んでるし。ロキノンキング・シーサーw 乱一世とか知らない・・誰?? 人生は段取りの混乱した一回きりのショーである。即ち乱一世。うまいこと言うけど・・知らんなぁ。くーやーしー。こう、ある側面から創り出された妄想に過ぎないんだけど、全体的に妙なリアルさがあった。こわっw そうかーお兄ちゃんに影響されたのかぁ。そういう生き方、松尾さんの根本的な価値感に組み込まれてるのかもね。悲しいけど、普通の人間からすれば羨ましい部分もあるんじゃないの??(20060625)

著者プロフィール

作家・演出家・俳優

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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