- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860520625
感想・レビュー・書評
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チエちゃんが とてもとても魅力的でした。
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『どんな状況でも会えると嬉しいと思う。それはきっと本能的な部分での相性の良さなのだろう』という言葉が印象的。
あぁそうか…人生、明日に何があるかなんてわからないし、明日何が起きてもおかしくはないという事を改めて思わせてくれた。 -
この話を紹介するのには、巻末の自虐的な「私」の説明が一番しっくりいく。要するに、イタリアかぶれの四十路女が、親戚のコネで仕事をもらって、一人暮らしも淋しいからと親戚のちょっとおかしなおばさん(チエちゃん)を引き取って、くたびれてきたおばさん同士で一緒に暮らしていて、バツイチのだめっぽい男にちょっと口説かれたらその気になって火遊びする話。世間一般の人から見たら、とてもとても淋しい人たちに見えるかもしれないけれど、このチエちゃんと私の関係は素敵だと思う。結婚なんかしなくても、子どもなんか生まなくても、それが女の幸せのすべてというわけではないと思える。好きな人といるために、好きなことをするために、最小限の努力をする「私」もいいと思う。こんな生き方があってもいいじゃないかと思う。
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ああ、やっぱりこの透明感のある世界観が何とも言えず好き。字体までなんだか美しく感じられる。
なんだかカオリちゃんにとても親近感を感じる。私には今のところチエちゃんはいないけど。
「愛」ってものが何なのか、少しこの作品で触れられた気がした。
『そうか、また新しいことがたくさん始まるのだな。ものごとは同じように見えて、実はどんどん変わっていっているのだな。微妙に昨日と同じに見えることが混じっているから、気付かないだけなんだ、と私は思った。』
という一文がなんかすごく心に残った。
こうやって思いながら日々を暮らすってなんかよくないか。一日一日がもっと輝かないか。そう思った。 -
文章がすぅ〜っと浸透してくる。
最初からのめりこんでしまった。
何気ない文章にはっとさせられっぱなしだった。
大した変化ではないと思っているのは、「今の」自分だけなのかもね。 -
サガン的な大人の恋
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2008/3/16 読了
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今の私の求めていたものがすべて詰まっていたような本。図書館で借りたけど、買っちゃいたいくらい。
今の私は、早く大人になりたくて、早く働きたくて、誰かを愛するってことを考えてみたくて、海外についても考えてみたくて。
いつもの小説より少し大人で、カオリさんが確固とした自分らしさを持っていて、すごく良かった。
「愛とは忍耐」、ってかいてあった。きっと、自分にとって我慢できる人と我慢できない人がいて、前者の方しか愛せないんだろう。我慢できなければ、その人は自分にとっては愛せない人なのだろう。そして、「毎回違う波だというふうに思えることのほうが、似た波を分類するよりも大切なの」ってコトバ。人生はまさに、「船で海をゆくように、正確に読んで、波を分けていく」こと。人生は、やってくる波に乗るか乗らないかだから、先の先の計画なんて、本当は意味がない。乗るときにはさっと乗る。私たちには、「今」しか存在しなくて、「今」大切にしたいものを大切にするしかない。そんなことを考えた本。チエちゃんとカオリの関係も、篠田さんとの恋も本当に素敵だったなぁ。
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久しぶりにばななさんの本を読めて、やっぱり好きだなぁ、とつくづく思ったよ。特に、この主人公の彼女がチエちゃんに会うまで持っていた不安というのが私がいつでも持っている不安にぴったりと合致した。私にもチエちゃんがいないとダメなのかしら。でもそうなると今度は失う怖さがどんどん大きくなるんじゃないのかな、とか、そんなこと思ったけれど、この最後にあるように変わっていないけど少し変わっているようなそんな日常が愛おしいんだと、今は思うことにした。
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2008.5/19-20
よしもとばななの文章はトクマルシューゴの音楽とあうなあと思った。それとよしもとばななの文章はなんだか真理をついているような気がするんだ最近。/親戚のチエちゃんと一緒に住む話。