物語

著者 :
  • ロッキングオン
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本棚登録 : 63
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860521103

作品紹介・あらすじ

北野武監督にとって「物語」とは何か?『その男、凶暴につき』から『アウトレイジビヨンド』に至るまでの軌跡。すべての映画の脚本を語った画期的インタヴュー集。ベストセラー自叙伝、第10弾。

感想・レビュー・書評

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  • 渋谷陽一による2011年〜2012年までのインタビュー集。10冊目となる本書のテーマは「北野武、脚本を語る」。『その男、凶暴につき』から『アウトレイジ ビヨンド』まで。監督自らの狙いを知ることで全作品を見直したくなる。

  • 私が憧れる人物像のひとつに「めんどくさいが通用する人」というのがある。
    何かやらなくてはならないことがあっても、「めんどくさいからやらない」と言ってそれが通用するのは、それなりの力がないとだめなのだ。
    本書は、北野武が自分の映画について語ったインタビュー集だが、この中に何度「めんどくせえからやめちゃった」という言葉が出てきたことか。
    「映画は1枚の写真である」という持論が面白かった。1枚ではストーリーが語れないときに、その写真が動き、セリフがつき、音楽がつく。そういう発想で映画を創るとああいう映画になるんだろうか。
    「HANABI」を見た時に、確かに一枚の絵に収斂されるなあと思ったが、基本的にすべての映画をそういう発想で撮っていると知ったのは興味深かった。脚本の書き方、映画の作り方も、初めと終わりがあって、撮りたい絵があって、じゃあそれをどうするか、という加算方式で考えていく。そして編集で形を作ってしまうという。おそらく、ふつうの映画監督とは作り方が全然違うのだろうと思う。数時間で脚本を書き上げてしまうのはすごいと思うが、ご本人曰くそれは「たたき台」であると。ということは、現場での即興性や偶発性を重視しているということなのだと思う。
    インタビューを通して読んでいくと、次第に自分の中に虚無感や倦怠感が積もっていくのがわかる。もしかしたら北野武という人は「死」に魅入られているんじゃないだろうか。映画の終わりがハッピーエンドなんてありえない、とか、死んで終わりじゃないと変だろうとか、どうしてもそういう方向へ感性が向かってしまう感じがして、まあこれは読む方の勝手な思い入れなのだが、北野武という人の背後にあるとてつもない虚無感や諦観を感じずにはいられない。
    この人にとっては、絵も小説も映画も音楽も全部、「どうしようもなく出てきてしまうもの」なんだろうなと思う。何か意図があって表現しているというより、なんだかわからないけどどうしてもそうしたくなるもの。
    だから方法論や道具にはあまりこだわらないのかもしれない。どんな絵の具を使っているかに関係なく、彼の絵には心の隙間にそくそくと入り込んでくる「何か」がある。
    本人の意図とはまったく別のところで世間が評価したり騒いだりしている、ということがよくわかるインタビューだった。才能のある人ってそういうものなのかもしれない。
    バイク事故を起こした時はもうダメかと衝撃を受けたけれど、その後すごくいい顔になったと思う。少し歪んでしまった顔つきがまたいい。最近はとみに男っぷりがあがっているが、それもまた本人の自覚とずれているのが面白い。

  • 資料ID:21204618
    請求記号:778.21||K

  • 今まで手がけてきたキタノ映画の振り返り。また作品を見たくなってきた。特に「ソナチネ」「Brother」「キッズ・リターン」
    どれも個人的にはキラ星で、少し難解だった作品。今見たらどう思うかな?
    後半のリーダー論やテレビに関する話は的を射すぎていて、何度も膝を叩いてしまった。

  • 値段が高い

  • すごく久しぶりに芸能人の本を読んだ気がする。
    7割が映画の話で、『その男、凶暴につき』から最新作の『アウトレイジビヨンド』までを語る。

    残りは政治や芸術の話で、こちらはイマイチ。

    はっとするような視点や考え方が散りばめられていて、
    この本を読まなければ決して触れられることのなかっただろう神経を思わぬ形で刺激された感じ。
    はっきりと納得というか、感化されるものもあれば、
    理由はわからないけれど気になる表現もある。
    北野映画を見た時と同じかもしれない。

    映画でなくても、演劇や絵画や詩作や、何らかの表現活動をしたことがある人は琴線に触れるものがあると思う。

    徹底的に不自然さとかわざとらしさを排除したい人なんだなあというのが強く印象に残った。
    映画というものはそもそも人為的なものなのだから、作り物感を出さないよう腐心するか、逆にフィクションであることを利用するか、考え方や手法の数だけ表現が変わるのが面白いなあと思う。

    ところでエッセイについては、その人の人格なり思想なり作品なりが嫌いなら読まない方がいいと思っている。
    批判的に見ることの是非ではなく、「嫌い」ってフィルターがかかってる状態ではどんなに意味のある言葉も素通りしてしまうから。
    これはインタビュー集だけど、まあエッセイとそう変わらない。
    北野映画のうちひとつでも面白いと思うものがあれば、何かしら響くものがあると思う。
    ソナチネ大好き。

  • 観たのは観返したくなったりならなかったり、観てないのは観たくなったり観なくてもいいかなと思ったり。雑誌のインタビューの寄せ集めだけど、作品を順を追って語ってるのは面白かった。北野武の価値観語りも好きだけど、ハリウッドの裏話とかそういうライトな話が単純に面白かったな。装丁の割に薄っぺらいけど、一連のフィルム作品とセットと思えばよし!

  • 久しぶりにこのシリーズ読んだ。
    北野作品についてあれこれ喋るところは面白いのだけれど、終盤のインタビューがそれまでの内容と全く乖離していて、これはなぜここに収録されているのだろう・・・と首をかしげる。それに政治的心情に関しては、全く相容れない。政治の解決策は、万全なる民主主義的な制度ではなく、プラトンのような哲人王的な存在によって為されるということだろうけど、あり得ないと思う。清く正しい独裁というのもありえないわけではないと思うけど、いずれにしても独裁は多様性を阻害する要因になる。ありえない。
    ってまあ、そんな政治云々の話はどうでもいいのである。前半、中盤だけ読めば事足りるのである。アメリカとか政治の話は余分なのである。

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