石、転がっといたらええやん。

著者 :
  • ロッキングオン
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本棚登録 : 40
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860521264

作品紹介・あらすじ

音楽誌『ロッキング・オン・ジャパン』で11年続くエッセイが初の書籍化!バンドのこと、音楽のこと、電車のこと、京都のこと、酒に珍味のコモドオオトカゲのことまで、岸田繁的思考の欠片がこの一冊に。

感想・レビュー・書評

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  • 「ポールはベースでどこどこの音を弾いています。ジョンは12弦ギターにカポタストをはめ、こんなフォームでなになにを弾いています。そしてジョージはなんとこんなコードを弾いています。さあ、同時に鳴らしてみましょう、準備はいいですか、せーの⋯⋯ ちゃ〜ん!!  感極まった司会者は大興奮、会場は拍手喝采の嵐。 ギター一本だと思っていたら、三人によるアンサンブルやったのね。しかもかなりの頭脳プレイ。よく思いついたな、ていうか、仲良くないとできないや。何がって? バンドだよ」(p.245)

    「今日(この原稿を書いているのは1月14日)の京都市内はこの冬いちばんの冷え込みやったけど、夕陽に照らされた東山がびっくりするほどまぶしかった。山がまぶしいんやで!? 夕陽やなくて。あんまし寒いから、ぜんざいをすすりに茶店に入って、窓辺に真っ赤なナンテンが実っているのを見つけた。茶店の女将に、「ナンテンがえらい綺麗やね」と話しかけたら、「いっつもナンテンの実は雀にすぐ持っていかれるのに、今年はそこら中でナンテンが真っ赤に実ってるんよ。雀、なんか他に美味しいもん見つけたんやろか」と女将。外に出て、哲学の道を凍えながら歩くと、真っ赤なナンテンがそこらじゅうにびっしり。太陽に照らされる赤は、凄まじくパワフル。でも、これで当然やん、みたいな普遍性がある」(p.157)

    「何はともあれ、6/8拍子というものは、日本語にとって、或いは日本のあちらこちらでの生活にとって、少しばかりの余裕と、緩やかな連帯感を生み出すモノだと思っている。グルーヴ、という言葉が当てはまるのかどうかはわからないけれど、大きな部屋の中で、自分の訛りで独り言が沢山言えるような、そんな拍子である」(p.363)

    「音楽を作る人は、自分の尺度とズレたことをやると失敗する。むしろ、自分の尺度の中で凄い発明をするほうが、ずっとクリエイティブなのである」(p.367)

    「では何故、ここ日本において男女混合バンドが増えたのか、と言いますと、バンドが男子中学生の秘密基地ごっこではなく、社会性を帯びた大学生のゼミのようなものになってきたからではないか、と思います」(p.397)

    「若者たちは、ロック音楽に心を揺さぶられる特権を持った世代である。そんなロック音楽を作り出すミュージシャンたちは、若者たちに希望を与え、時が経ち、成長した若者がそのロック音楽を糧に自分のロックを胸に刻み、逞しく生きていることがミュージシャンたちの心の支えになっているのだ」(p.242)

  • 他愛もない話の中にも岸田氏のプロのミュージシャン的意識。

  • エッセイも、小説みたいなんも、もれなく岸田っぽい。

  • 岸田は普通のひとでなおかつ変態。

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