- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860530563
感想・レビュー・書評
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日常や学校で障害者と触れ合う機会がない場合は、テレビで植え付けられた「障害者はひたむきにがんばって困難を克服する聖人である」というイメージを持ちやすいですね。
でも、彼らは一部不自由なところを持っていますが、私たちと同ように、怒り、喜び、悲しみ、恋をします。
そして、彼らに対して、どのように接したらいいか、障害者本人からのリアルな要望が、この本から学べます。
勉強になったのは以下の点です。
■介助犬や聴導犬は、障害者の世話を動物に押し付けているだけ!?
少なくとも僕は、人間に助けてもらいたいです。
■障害者は直接話しかけてもらえないのは世界共通!?
アメリカの視覚障害者団体が使うフレーズに、
「私たちは目が見えないだけです。
決して愚かではありません」
というものがある。
■じろじろ見てもいい
もしも街で目が見えない人が困っていたら、どうするのか学ぶことができる。
■May I help you?
アメリカには点字ブロックも音の出る信号機もほとんどありませんが、いつでもどこでもすぐに誰かが声をかけてくれました。
■生んでくれてありがとう
受精卵診断で対象とされる病気にかかっている人たちは、現にこの世にいる。
着床前診断は、その人たちに「もういらない」と言っているのと同じである。
病気の子供が生まれてきたら、必ず不幸せになるなんて決まっていない。
幸せか不幸化を左右するのは、その子を囲む社会の在り方。
問題なのは、一定の確率で生まれてくる障害者をきちんと受け入れられない社会そのものにある。
■人間に許されていることは「子供を持つか否か」だけである。
人間が性の営みを続けていく限り、生まれてくる子供の数%は障害児である。
こっちのほうが正常ととらえ、それを受け入れるための準備をすべき。
■障害者に冷たい社会があるから、障害者を傷つけても「温情判決」になってしまう。
■生んでやって、育ててやって。
障害のある子供でも、そのほかのどんな子供でもどうか産んでやってください。
育ててやってください。
それが、僕からあなたへの、心からのお願いです。
オリンピック・パラリンピックの開催が契機となって、
人々のメンタリティを含め、
ハンディキャップのある人にやさしい街になるといいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示