- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860572273
作品紹介・あらすじ
かつて栄えた小人文明が消えた…小人家族がふみだした愛と冒険の物語。日本で生まれた本格的ファンタジー。
感想・レビュー・書評
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ふたごの小人、はなはなとみんみは、南の森で家族5人で平和に暮らしていたが、北の森で小人を見たという話を聞いて、小人大戦争の生き残り探し、小人の未来をつなげようと仲間を探す冒険の旅に出た。かつて空中小人隊員だった白ひげじいさんは、旅の危険から身を守るため、悩みながらも戦争で使われた小人の魔法「空中とび」を家族に教える決意をする。戦争を知らないはなはなとみんみは、小人の歴史に驚きながら、魔法の力で数々の試練をのりこえていく。戦争の傷と記憶、そして強大な技術を、平和のためにどう伝えていくべきかを小人家族の旅を通じて描く冒険ファンタジー。
小さな小人たち、モグラや野ネズミ、ウサギの家族など、可愛らしい登場人物たちが次々に登場し、柔らかい言葉遣いでつづられる一見愛らしい冒険談だが、その根底には戦争経験と平和への道標という骨太のテーマがある。主人公はなはなはやんちゃだけれど勇気のある少年で、妹のみんみは少し怖がりだが心の優しい家族思いの少女だ。ふたりの純粋で前向きな明るさと、家族の愛情で、小人家族は恐ろしい羊びとに立ち向かい、未来を切り開いていく。しかし、この物語の真の主人公は白ひげじいさんではなかろうか。空中小人隊員として特攻をかけたものの生き残り、孤児となったひいなとたけびを育てることで生きる希望を見出した白ひげじいさんは、かつて小人たちが犯した戦争の責任を一身に背負って生きてきた。はなはなとみんみ、そして小人族に未来を遺したいという希望と、そのために戦争の引き金となった魔法を再び使うことになる苦悩は、いかほどものだっただろう。決して同じ滅びの道を歩まぬようにと家族に語りかける白ひげじいさんの言葉は胸を打つものがある。
戦後70年以上が経過し、家族の中で戦争を語り継ぐことが難しくなってきた中で、家族への愛に満ちた白ひげじいさんの言葉は、愛する者の幸せと平和を希求する切実さを持って、読者の心に届くだろう。ワクワクするストーリー展開と可愛らしい挿絵で、戦争物の重々しさを感じずに読むことができる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私たちが生きていく上で、一番大事な事を、小人達の冒険の一部始終を経て教えてくれる、子供にもいつか読ませたいそんな良本。
そんな中で、いたちおばさんの『待つということ』への考えが素敵で、
春を待つ 夫の帰りを待つ お茶を待つ 待つということは、未来の希望や幸せが先にあるのだから、幸せだというような事が書いてあり、とても穏やかな気持ちになった。 -
小学生ぐらいの時に読んで以来ずっと好き。たま〜に読み返すよ。
本当はハードカバーで持っているんだけど、画像なかったからw -
魔法の大戦争の果て、かろうじて生き残った両親の双子の子供はなはなとみんみの物語。私にとってのファンタジーの原点、良質な児童書。
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中学生のころ、こころおどらせて読んだ、わたりむつこさんの3部作。
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かつて小人族は栄えていたが、魔法を使った戦争を繰り広げられ、ほとんど絶滅という自体に陥る。はなはなとみんみは、かろうじて生き残った両親の双子の子供。
ある日、ここから大分離れた場所で小人を見かけたと情報を得て、仲間を求めて住み慣れた森を旅立ちます。
仲間には会えるのか?途中、得体の知れない物にも捕らえられ、絶体絶命の危機にも遭遇します。
小人、魔法、冒険とわたしの大好きなエピソードがいっぺんに詰まっている物語です。
ファンタジー好きにはたまらない作品です。 -
大好きです。このスペースでは語りきれないので、いつかはなはなみんみシリーズのページを作って語りたいくらい好きです。「小人」「魔法」が盛り沢山のファンタジーとして読むも良し、「小人大戦争」をキーに次世代への教訓として読むも良し。とにかく読んで下さい。
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かつて、小人たちを滅ぼした小人大戦争。
戦いを生き延びた小人がいました。
はなはなとみんみの兄妹は自分たち家族以外にも生き延びている仲間を探すことになります。
戦争を題材にして力強く復興していく人々を描いた優しいファンタジーです。