わかるほど強くなる交渉のマネジメント―「交渉・説得・交流」の実践セオリー

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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860590185

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  • 中嶋洋介著「交渉のマネジメント」アーク出版(2003)
    ・交渉のプロセスと交渉の種類「交流→交渉→説得→意思決定→交渉の終結」
    ・交流には3つあり。1つは交渉のプロセスの初期段階で現れる交流、もう1つは説得のプロセスの初期段階で現れる交流、最後の1つは交流そのものを目的とした交流である。
     交流の内容と目的は、交渉や説得のプロセスに現れる交流と、交流自体を目的とする交流で異なる。交流自体を目的とする交流の特徴は、交流そのものが目的であり、それ以外の目的を持たない点にある。このため「交流とは、面接などを通じたコミュニケーション、情報交換、相互理解、心的交流などをいう」と定義される。
     一方、交渉や説得のプロセスに含まれる交流には、交渉のための交渉材料となる情報や説得のための説得材料となる情報を入手するという明確な目的がある。したがって「交流とは、面接・面談などを通じたコミュニケーション、情報収集、相互理解、心的交流などをいい、交渉のための環境整備を目的とする行為」と定義される。
    ・交渉の目的は利害関係の調整、対立の解消、利益の実現をはかることにある。このため「交渉とは当事者間の話し合いによる何らかの利益の実現を目指した取り決め(合意)を目的とする行為である」「何らかの利益とは、交渉当事者自身の利益である」と定義できる。交渉は相手との信頼関係をつくる交流、取り決めの内容を詰めるための交渉、相手の決断を促す説得のプロセスを経て、交渉は成立する。
    ・説得には2つあり。1つは交渉のプロセスの最終段階で現れる説得である。他の1つは説得を目的とした説得であり、「交流→説得」のプロセスを取るのが一般的である。ただし、いずれの説得も行為の内容は同じである。説得は「話し合いなどのコミュニケーションによって相手の同意・納得を得て、相手の行動を変える意思決定を促すことを目的とする行為」「人もちくは集団が、他者・集団等を対象とし、コミュニケーションを通じて、相手の自由意志を尊重しつつ、相手の態度・規範を変えると言う意図を実現しようとする試み」「説得は説得者自身の利益、説得相手の利益、第三者の利益のいずれかの利益の実現をめざす」などと定義される。
    ・【パワーバランスの把握】パワーバランスを把握するためには、相手の社会的地位、職業、専門性、経済力、政治力、組織規模などの固有の力、商品の競争力、競争者の有無、交渉案件についての依存度などの情報を集めるとともに、自分についても同じ項目の情報を集め、双方の比較対象票を作って自分で分析することが必要である。このとき、注意することは自分の情報を集めて分析することと、相手への依存度を客観的に正確に評価することである。
    ・【交渉の着地点を見る】
    パワーバランスを把握できれば、相手との交渉可能領域が予測でき、目標となる交渉の着地範囲または着地点を予測することができる。この予測値の上限付近を具体的な「交渉の目標」とする。
    ・【代替案】上限と下限以外にもBATNA(代替案)を検討しておくことは有効である。BATNAは交渉の目標を少し下げたレベルに設定する。BATNAには交渉の着地点を1つのみに限定せず交渉に柔軟性を持たせ、交渉が成立する可能性を増す効果がある。
    ・【ロープレ(事前演習)の大切さ】さまざまな人に交渉相手になってしまい、交渉をシュミレーションすることで、交渉における問題点が浮き彫りになり、準備不足の部分がはっきりと見えてくる。また、いろいろな角度からの質問をうけることで、事前の準備も出来、面談交渉への不安を取り除くこともできる。ロープレは準備の総仕上げとして行うのが普通であるが、準備不足案件の対応策をお検討するために行うことも出来る。
    ・【プレゼンの目的】プレゼンは交渉及び説得のために行われる。交渉相手や被説得者に理解してもらうこと、これがプレゼンの目的である。説明しなければならないことや自分の考えなどを、相手に正しく伝えることができれば、プレゼンは成功である。
    ・【実施者に求められるもの】プレゼンは実施者と受けての間に否定的な感情がなく、相互に認め合っていることが必要となる。また、実施者にプレゼンの内容に信憑性を与える自信に満ちた力強さや雰囲気が大切である。
    ・【パワーバランスを自覚させるプレゼン】プレゼンを通じて、相手が自分で気づくようにリードする必要がある。たとえば交渉中の案件(対象課題)についての売り手側の市場支配の状況や技術の優位性、価格競争力の優位性の事例を交えて説明し、相手の反応を確かめながら、質問を繰り返し、相手に自分の置かれている立場を理解させ、状況をパワーバランスを自覚させる方法を取る。
    ・【交渉の文書】交渉の文書には、議事(AGENDA)、覚書(MOU)、議事録(MINUTES)、契約書(CONTRACT)などがあるが、これらの文書を作成することで交渉の主導権を握ることができる。

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