- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860632557
感想・レビュー・書評
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奥付は2008年第3刷で、当時は一社員の立場で人事制度に興味と不満を持っていた。今回は中間管理職の立場で読んだが、わが社の人事を見ると評価制度やMBOは、2023年の今も旧態依然としたものである。それにもまして耳が痛かったのは「有能な管理職の三つのセンス」だった。反省せねば……
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人事システムのさまざまな手法について随所で説明を入れつつ、従業員が皆『経営者意識』を持って仕事にあたるためにどうすればよいのかを提案している。基本的には成果主義を根底に、全社目標から部門目標、そこから個人目標まで落とし込んでいくことで合理的かつ公平・公正な目標設定ができ、評価も可能になるという考え方である。
本書は多くの企業で誤解されながら導入され、失敗している「成果主義」に基づく人事システムの諸々についてその誤りが丁寧に指摘されている。また、日本の実情として年功序列は大方維持されていることも念頭におきつつ、組織が瓦解しないようなバランスのよい考え方を示そうとしている。前衛的な意見よりも、このような実際的な分析と提言こそ本来求められるものだと思う。
ただし、紙面の都合もあるのだろうが、抽象的な説明が多く実例の記述はほとんどないことが気になる。これでは理想論をかざすだけになってしまうのではないだろうか? いくら自社が多くの企業のコンサル業務を受けていると言っても、それがどのくらい、どのように実際の利益に結びついているか、そして従業員の満足に結びついているか、見えないのである。これではやはり説得力はないと言う他ない。
本書を通じて、従業員の生活満足度についてほとんど言及されていないことも気になる。企業の利益が従業員の利益に結び付くのだから、従業員のパフォーマンスを上げるよう工夫することが大事なことは当然である。一方で、人事には従業員が安心して働ける環境を整える機能も必要ではないだろうか。従業員が健康に働ける、そして、きちんと家族を守っていける、そういった部分で会社を信頼することができなければ、個々のパフォーマンスにも影響する。
近年は特に、仕事と生活のバランスを考えることの重要性が叫ばれている。自殺者3万人を数える日本で最も必要なのは、競争し利益を上げていくこともそうだろうが、働く人と家族の命を守ることではないだろうか。本書ではこのような問題点への示唆はなく、非常に残念であった。 -
多くの企業では人事制度について真剣に考えられていないのではなかいとつねづね感じているが(特に中小、同族)、そんな企業の経営者、人事担当者に是非読んでいただきたい一冊。タイトルは派手だが、中身はオーソドックスに分かりやすく書かれている。具体的な精度の作り方までは書かれていないが、ここに書いてあるようなことは理解していないと、作れないと思う。
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題名に惹かれて読み始めたのだけど、
前半は今主流の人事制度の悪口ばかりで、
(本を売るためには現状を批判しないとダメなのはわかるけど)
ものごとには良い側面と悪い側面があるはずなのに、
一面的なものの見方しか出来ん人やなぁって感じだった。
後半は、人事は事業の成功をサポートするためのものという
考え方には共感できたし、
労働生産性を見ること、業績に見合った報酬は賞与で行うべき、
職種や世代によって響く内容が違うなど参考になることも多かった。 -
(☆交換可能:マーキングあり)人事畑は転職が厳しいらしいです。
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面白い。人事制度、導入は、失敗の始まり?
ト、2009.5.28