出光佐三の日本人にかえれ

著者 :
  • あさ出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860635008

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  • 海賊と呼ばれた男の人。

    失われた30年を生きた身として終身雇用などの日本式経営は否定的に感じられるが、それがあったからこそ世界に勝てた企業の話ももっと知らなければならないと感じた。
    おそらく終身雇用や家族経営が絶対的に悪い仕組みなのではなく、現代人や今の組織が何かを失ったことにより噛み合いが悪くなった側面もあるのだろう。
    実際に出光氏の文章からは心理的安全性やティール組織で言われるようなエッセンスも感じられ、現代でも全然通じる普遍的な教養になりそうだ。

    この本自体は解説本なので出光氏ご自身の書かれた文章をもっと読みたくなった。

  • <目次>
    はじめに
    序章
    第一章 出光佐三という日本人
     創業の困難に立ち向かう
     「日本人なら必ず立ち直れる」
     「一人の馘首もならぬ!」
     「金儲けをしない商売」という道
     「黄金の奴隷になるな」
     根本の枷は取りはずされた
     巻き起こした熱狂
     「俯仰天地に愧じざる行動」
    第二章 魂を培ったもの
     両親と教師からの教え
     神戸高商で教わった「士魂商才」
     独立自営の思想
     「見えざる力」の助け
     「偉大な人」と「天の配剤」
     皇室を中心として醸成された和の精神
    第三章 意志と行動の起点
     一に人、二に人、三に人である
     株式公開は悪だろうか
     社員は皆、自主独立の経営者である
     人を、白紙からつくる
     働くことー日本人と欧米人の違い
     育成の基礎はすべて「愛情」
     「大きく生き詰まれば、大きく道が開ける」
     「順境で悲観し、逆境で楽観せよ」
     社員は家族 ー出光の七不思議
     日本人なら当たり前の経営
    第四章 日本人にかえれ
     心豊かな日本人の姿
     求められるようになった「ヒューマニズム」
     日本人の伝統の血に学べ
     「和」の力が日本人のDNA
     「和の実体をつくって、外国人に見せよ」
     今こそ「道徳」を世界中の人に伝える
     日本人が果たすべき役割
    終章
    おわりに

    <メモ>
    皇室を中心として醸成される和の精神(106-112)
    「数千年の長い間、平地に無防備でいる国の中心がどこにあるか。君らのキング、エンペラーは、皆城壁の中にいるじゃないか。朝鮮、中国の皇帝、国王も皆城壁の中にいる。それは、いつ人から攻められるかわからないから守っているのだ。」
    「「日本では皇室を中心として、長い間に和の精神ができ「和をもって貴しとなす」を線数百年やってきている。」
    守る必要性のない存在

    易学の二元論で考える(139)
    西洋文化は極めて陽的な文化です。「知の働き」は陽の原理に、「情の働き」は陰の原理に即していると考えられています。
    西洋文化は理知的で、才能本位で、功利的です。これに対して東洋文化は情意的であり、徳操的であり、はるかに内面的精神的な特徴を有しています。

    出光の七不思議(163-167)
    一、馘首(解雇)がない
    二、定年制がない
    三、労働組合がない
    四、出勤簿がない
    五、給料を発表しない
    六、給料は生活の保証であって労働の切り売りではない
    七、社員が残業代を受け取らない

    「もし僕に哲学があり僕が哲学者だというならば、それは日本の民族性が哲学であり、日本という国が哲学に基づいてできているのだと思う。」(173)

    繁栄には必ず陰がある(182)
    精神文明の進歩が機械・物質文明に遅れをとり始めた。
    機械文明は絶対的な非後退性がありますが、精神文明は人間という存在が死すべきものであるが故に進歩と退歩を行ったり来たりするのです。この物質文明と精神文明のアンバランスが疎外感の蔓延、自殺の増加、うつ病など精神障害の増加につながるのです。

    無我無視なんてことがぜんぜんわからない外国人に、そのあり方、平和福祉のあり方を教えなければならない。こういうことは五十年かかるか、百年かかるかわからない。
    それを若い人たちはやってゆかなければならない。これを僕は、若い人に遺言相続しておく。これは楽な遺言じゃない。借金よりもつらない。だが必ず成し遂げてくれるものと信じている。(199)


    2013.10.23 著者のブログで見つける。
    2014.05.03 読書開始

  • 献本にていただく。

  • わかりやすく解説されてる

  • 日本人にかえれ!
    特に手本とするは、
    江戸末期から明治にかけて、今の日本の基礎を築いた人たちだ。
    無私無我の思想、愛他利他の思想などが、物質至上主義の限界を破るために必要であろう。
    とても良い本に出会えた。

  • 自分に薄くして人に厚くせよ
    資本は人である,金が資本じゃない
    森信三「人間はあるべき人に会うべきタイミングで必ず出会う」
    順境にいて悲観せよ,逆境にいて楽観せよ

    伝記ではない。著者の好きなエピソードを集め,著者の思想(考え)を伝える本。

  • 日本人として生まれ、日本の会社で働く自分が、今後グローバル化の激流の中でどのような考えを持ち、行動し、働いていくべきか参考になった。日本人が本来もっている良い点を再認識するとともにこれを実践していくことが大切である。

  • 出光興産創業者、出光佐三氏の思想を、北尾氏が、自分の解釈や考えも織り交ぜながら解説していくという形式。
    出光佐三氏の大まかな思想は読み取れるが、それを利用した日本人的精神論ともいえる。
    日本人だけが本当に優れた民族で、世界を救うべきという結論は読者それぞれの判断で読むことになろう。

  •  著者は、SBIホールディングス代表取締役社長の北尾吉孝さん。あるテーマについて、佐三さんの著書から言葉を引用し、経営者としての北尾さんの考えを述べるという形式。佐三さんの写真は、表紙の一枚のみ。出光佐三さんについていくらか知っていて読む分にはいいのかもしれないが…。
     

  • 個人的には筆者の主張を極力排し、出光佐三についての記述に徹して欲しかった

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著者プロフィール

SBIホールディングス代表取締役会長兼社長

「2023年 『心田を耕す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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