新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?

著者 :
  • あさ出版
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感想 : 198
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860635473

感想・レビュー・書評

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  •  新幹線お掃除の天使と呼ばれ、昨今各メディアで取り上げられている“テッセイ”社員。 乗客と社員が織りなす心温まるエピソードと、その様なチームを創りだしたテッセイという会社の取り組みの歴史を書き記した本。 著者は外資戦略コンサルティングファームの日本法人会長であり、各種ビジネス本を上梓している遠藤功氏。

    本書は2部構成となっており、前半は「エンジェル・レポート」と言われるテッセイ独自のモチベーションアップのシステムに寄せられたちょっと良い話集、後半は如何にしてテッセイが現在のような現場力、チーム力を発揮できる組織になったかを詳述している。

    テッセイが変貌を遂げた陰にはJRから異動してきた矢部氏(現専務)の奮闘がある。
    この変革を支える重要な考え方は以下の2点。
     1) トータルサービスを目指す企業と位置づけたこと
     2) 現場こそが主役であり、利益の源泉である、という認識

    トータルサービスを「さわやか、あんしん、あったか」というキーワードに落とし込み、乗客の為に何が出来るかを現場レベルで考えさせる仕組み、および従業員のモチベーションを上げさせる仕組みの構築が、テッセイ変革の妙である。
    結果として、仕事に対するプライドを従業員に与え、最強のチームワーク、プロとしての仕事を生み出す企業に変貌を遂げている。

    テッセイのケースは、ビジョンを与え、モチベーションを醸成する手法の成功例といえる。
    ダニエル・ピンク氏著の「モチベーション3.0」(http://booklog.jp/users/indyjr/archives/1/4062144492)において、モチベーションを上げる要素として以下の3点を挙げている。
     ①自律性(オートノミー)
     ②熟達(マスタリー)
     ③目的(ゴール)
    そして、何よりも重要なことは”目的を達成すること”を個人の利益に直接連動させること。
    テッセイがやってきたことは、まさしく「モチベーション3.0」で示している内容そのものである。

  • 『新幹線お掃除の天使たち』読了。★3.5(5点満点)
    http://www.amazon.co.jp/dp/4860635477
    新幹線の掃除を行うJRの小会社「テッセイ」について、遠藤功さんが取材してまとめた本。

    本の7割がエピソードで、そのエピソードは感動的なものが多く、ややウルウルきます(^^)
    確かにここまで、社員のモラルを上げるのは大変だったろな~。
    あとの3割は取組を紹介している感じ。
    コンサル的なまとめとかは、基本はなしで、何かを感じる本。という感じ。
    特に、サービス業系の方は読むとよいかも。

  • 会社推薦図書的な。この先何度か読むことになりそう。

  • この本を読んだ後は、新幹線を利用する際、とても謙虚な気持ちになれると思います。また、職場などで清掃業務をしてくださっている人に対する感謝の気持ちも今まで以上にわき出てくるはず。そのような気持ちにさせてくれる本です。
     ちなみに、現場の人の活躍もそうですが、やはり組織の一定の地位にいる人が変わらないと、組織として変わっていかない、ということもこの本で再確認できました。
    サラッと読める本ですが、学びもありました。

  • 掃除の時間はたった7分。

    世界最速の新幹線清掃会社、テッセイ。

    海外の多くのTV局から取材され、スタンフォード大学の学生や、その他多くの海外の学校が清掃の研修しに訪れる。
    アメリカ運輸長官やカリフォルニア州知事が視察に来たと書いてあったが、そんな清掃会社は世界でもここだけだろう。

    作業終了後、整列し退場の一礼をすると、ホームで見ていた多くの外国人観光客から拍手と歓声があがる。
    そんなエピソードに、掃除を越えたショーの雰囲気さえ感じられた。

    言われたこと以上の事はしなかった従業員たち。そんなどこにでもある普通の清掃会社が、なぜこうも驚くべき変貌を遂げたのか?

    その秘密は、掃除という概念を越えた魅せる掃除、そしておもてなしの心、を現場にに導入したからだと本書を読んで理解できた。
    働く一人一人の考えやアイデアが尊重され生かされる、みんなが主役と感じられる会社。

    そんな社風も世界最速にして最強の清掃チームになった理由なのかもしれない。

  • テッセンという会社には興味が湧いたが、美談中心の構成なので内容が薄く感じられた。同社の人材育成や意思決定の仕組みなどを見てみたかった。

  • フィッシュ!
    http://www.amazon.co.jp/dp/4152083263
    と似てる話。控えめであれ照れながらであれ、仕事の現場を正確にリスペクトするというのが大事だなと思った。

  • いいですね。上からと下からの改善は 、理想的です。
    会社で働くことを誇りに思えるようにする改善は非常に有効です。

  • 夫が会社で借りてきてくれた本。
    少し前にNHKの「サラメシ」という番組で現場の皆さんのことを取り上げていて、きびきびした働きぶりに感銘を受けていたので、この本の内容に興味があった。
    特に後半の、このテッセイという会社が変わっていくための取り組みは素晴らしいと思う。これはやろうと思ってもなかなかできないこと。経営陣の現場を大切に思う気持ちがあってこそだと思う。やはり、本当に実力のある人が上に立つということはこういうことなんだなと思った。

  • コンビニで売っていたので、たまたま手に取った一冊。

    心温まるエピソードと一人ひとりが輝いている職場の実践例としてとても学ぶことの多い一冊。

    一人ひとりの意識の高さが会社の雰囲気を改善し、よりよいものにしていると強く感じました。

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著者プロフィール

遠藤 功(エンドウ イサオ)
株式会社シナ・コーポレーション代表取締役
早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、複数の外資系戦略コンサルティング会社を経て、現職。2006年から2016年まで早稲田大学ビジネススクール教授を務めた。2020年6月末にローランド・ベルガー会長を退任。同年7月より「無所属」の独立コンサルタントとして活動している。多くの企業で社外取締役、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっている。
株式会社良品計画社外取締役。SOMPOホールディングス株式会社社外取締役。株式会社ネクステージ社外取締役。株式会社ドリーム・アーツ社外取締役。株式会社マザーハウス社外取締役。
15万部を超えるロングセラーである『現場力を鍛える』『見える化』(いずれも東洋経済新報社)をはじめ、『現場論』『生きている会社 死んでいる会社』(いずれも東洋経済新報社)『新幹線お掃除の天使たち』(あさ出版)『ガリガリ君の秘密』(日経ビジネス人文庫)など、ベストセラー書籍多数。

「2022年 『「カルチャー」を経営のど真ん中に据える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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