成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?

著者 :
制作 : 織田桂子 
  • あさ出版
3.38
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本棚登録 : 229
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860636999

作品紹介・あらすじ

儲けよう、とは考えない。効率は一切無視する。全店共通のマニュアルは作らない。お店の評価を決める、売上よりも大切なもの。「高くない。むしろ安い!」といわれる秘密とは?熱狂的なファンを生む「非常識な仕組み」

感想・レビュー・書評

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  • 小売業に限らず、「顧客第一主義」を掲げる企業は多い。誰から利益を得ているのかを問うまでもなくそのお題目は当然なのだが、成城石井の「消費者の利益こそが第一」はもう半端じゃない。
    多店舗展開する前から惣菜をセントラルキッチンで作っていたり、そこに一流ホテルなどで働いていたシェフを雇っていたり、ワインとチーズを最高の状態で届けるために並々ならぬコストをかけていたり……と、「安くないのに選ばれる」理由がふんだんに記されていた。美味しいもの、出自のきちんとしたものにはきちんと対価を払うという消費者が増えてきた昨今、ようやく時代が成城石井に追いついたといったところだろうか。
    もともとスーパーを見て歩くのは大好きなので、次に成城石井に行った時は、じっくりいろんな商品を手にとって眺めてみたいと思う。

  • 成城石井に深く入り込んでインタビューしているので、ちょっとちょうちんぽいところもあるが、なぜ、これだけ躍進しているのか、よくわかる。 かれらにブランド戦略はないと、いままでにやってきたことがブランドになると。それもよくわかる。麻布十番に飲みに行きたくなる一冊。

  • チェック項目14箇所。今、急激な成長が始まっている成城石井の考え方は、まったくの異業種の方にも、これからのビジネス世界を生き抜いていくための、多くの示唆が得られると思う。どうして成城石井がこれほど支持を集めているのか、まず、何よりも大きな特徴は、その品揃えの独特さにある、輸入商材、隠れた名品、地方の名産品をはじめ、独自商材が極めて多いのだ。人気のチョコレートは本場のベルギーやフランスからの直輸入品も多い、ただ輸入したものを店頭に並べるだけではない、輸入品はワンパックの量が多く、また包装は日本のクオリティのほうが高いため、小分けして自社で包装し直しているものもある、そんな細やかさも支持されている理由だ。印象的だったのは、まず全体が”現場第一主義”で貫かれていたこと、現場の店舗が主役、そこではたらく店長やスタッフたちが中心、という空気感である。「これはスーパーに限りませんが、経費削減の名のもとに、従業員を減らしている商業施設も少なくありません。それでは、”お客様と会話なんてしてもしょうがない、手間がかかるだけだ”という考えだと思われても仕方がないと思います。成城石井は違います。店内には従業員が大勢います。お客様と、どんどん会話をさせていただきたいんです」。「レジはコミュニケーションの最後の砦であると同時に、サービスの最後の砦。だから、レジにかなり力を入れているんです」。「挨拶、欠品、鮮度管理、クリンリネスの四つの基本もそうですが、結局、基本的なことは、忙しくても忙しくなくても、やろうと思えばしっかりできることなんです。戦略的なことをやろうとするとスキルやテクニックが必要なときもあるわけですが、基本の徹底はやればできる」。安価なジャムはフルーツの量が少ないのだ、ラベルを見ると、原材料が砂糖から始まっている商品は、ほとんどそういうジャムなのだという「ラベルに最初に表示されているのが、一番多い材料です。砂糖が最初に書かれているジャムは、いってみれば、フルーツではなくて、砂糖を食べているようなものなんです」。「情報をオープンにすれば、どうすればいいのか、という改善策にもつなげていくことができる。隠したところで、物事が解決するわけではない。すべてオープンにしたほうがいいんです」。「お客様にとっては、一回の買い物がすべてなんですね。鮮度管理にしても、お店からすれば、50あったヨーグルトのわずかひとつ、賞味期限切れを見逃してしまった、と思うかもしれませんが、お客様にとっては、その一度がとんでもないダメージなんです。それだけで、もう二度と来てもらえなくても仕方がないんです」。「ひとつは、自分たちのお給料はどこから出ているか、ということ、もうひとつは、仕事のやりがいを与えてもらえる存在であること、そしてもうひとつは、自分を成長させ、会社を成長させてもらえること。この三つをいつも私からは伝えるようにしています」。「常に会社全体の利益を考え、お客様の利益を考えられるように仕組みを作っておかないといけないということです。そうすることで、会社のレベルを上げていくことができると思っています」。「小売業というのは、一人ではできない仕事なんです。スーパーは、いろんな組織がいろんな仕事をしている。お互いの協力なくしては、自分だけ頑張っても成果は上げられないんですね。逆にいえば、いい仕事をする従業員は、連携してチームワークをしっかり取って仕事をします。本部でもセントラルキッチンでも、店舗でも、です」。「また新しい動きがどんどん出てきます。挑戦をしていきます。これが何年後に花開くのか、そのために何ができるのか、また考え続けるわけです。その意味では、日々成長し続けないといけない。そういう仕事です」。

  • 2017.9.20

  • 成城石井で働きたくなる。

  • インタビュー本

  • 買収などの負の側面にも触れており、提灯記事と言うよりもファンの礼賛本という感じ。非常にごもっともなコンセプトなのだが、それが近年の拡大路線と矛盾しないのかがよくわからない。都心の成城石井はかなり品揃えが似通っていて各店舗の特徴が出ているかというと疑問な気がするのである。

  • さくさく読める内容だが、凄く興味深い。

    もし、成城石井を、高級品嗜好のスーパーとイメージするのであれば、今すぐこの本を読むことをおすすめしたい。

    成城石井は成城に住む顧客に育てられ、本当に良いものを妥当な価格で提供している。

    例えば、成城石井のワインは適切に温度管理された状態で輸入されている。Reeferと記載があるものは、そのように定温管理された状態で仕入れられている。

    顧客に本当に良いものを提供するべき、そう考えているからこそできることだと思われる。

    また、顧客だけでなく、生産者も成城石井は大事にしている。
    ただ、自分たちが提供したいものが提供出来なければ、自分たちでPBとして作ってしまうということも興味深い。
    自分たちで作るのは安く作れるからだという面が大きいが、
    セントラルキッチンの惣菜のように、作りたいものを作っている。

    ただ、成城石井のすごさは、人材育成にあるように思う。
    パート、アルバイト、社員の垣根もなく、全員が全員、顧客のためになることは何かを考えているからのよう。

  • 見た目が必ずしも味につながるとも限りません
    赤牛の肉はサシがほとんど見えない
    でも脂が少ないわけでなく
    種類とえさが違うんです
    自信をもって赤牛を売ります

    顧客のいろんな好みに応えるために
    肉の個性を出していく
    (p36)

    成城の始まりは都内屈指の高級住宅街
    世界でいいものを見てこられた目の肥えた方々の
    視線にさらされ続けてきた
    食も本物志向
    高くていいものは当たり前
    それをいかにお値打ちで出せるか
    商売としてはこれが問われたわけです
    どうやって応える
    どうやって考え続ける
    (p27)

    各店舗には
    肉の知識を持つ担当がいて
    熟成させて
    一番の食べごろの状態のときお客様に提供
    (p38)

    成城石井は値段が高い
    と言われることもあります
    ただストーリーをきちんとお伝えして
    こだわった生産者がいて
    それを理解して
    こだわって売ろうとする私たちがいて
    それでも本当に高いんでしょうか?
    ということは問うてみたいんです
    成城石井のお客様はそれをご理解くださっている
    (p43)

    本当においしいものを提供する
    それが一番大事
    おいしいものを食べちゃうと
    もう戻れないんです
    お客様が増えたということは
    それだけ
    おいしいものを求める人が増えてきたということ
    (p44)

    成城のお客様に
    肩肘の張ったコミュニケーションに
    ならないよう
    お客様が見ておられるような世界を
    従業員に見せる取り組みもありました
    サービスをされる側になって
    初めてわかる求められるサービス
    を知ろうという努力
    (p51)

    小売りで結果を出そうとすると
    簡単なことは
    安いものを並べること
    それなりに売れるが短期的にはです
    結果は出ても信頼を失ってはダメです

    当たり前のことを
    当たり前にすることが
    どれほど難しいか
    商売の基本であるにも関わらず
    認識している人は少ないのではないんでしょうか?
    だから
    基本がしっかりできるよう
    数値化して追いかけていく
    毎日それをやり続ける
    できないとわかっているからこそ
    できる仕組みを考える
    (p69)

    産地を季節にずらしていくことで安定供給
    日本列島を横断しながら
    有機野菜を仕入れていく
    (p82)

    バイヤーは世界に出張
    戻ってきたら報告会で
    SABCの4段階で評価

    自分の家族や子供に食べさせたいか
    安心安全のこだわりが
    これ程高まっているという中
    果たして世の現状はどうか
    (p110)

    安かろう悪かろうに
    人々は疲れてしまった
    ちょっといいものが欲しい
    特別変わったもの
    そんな時に成城石井(p121)

    スタンスは過去と全く変わっていない
    変わったのは世の中で
    周囲の小売りは簡単には追いつけない

  • 20160120読了

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プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒業。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がける。著書に、累計40万部を超えるベストセラーインタビュー集『プロ論。』(徳間書店)はじめ、近著『10倍速く書ける 超スピード文章術』(ダイヤモンド社)、『JALの心づかい――グランドスタッフが実践する究極のサービス』(河出書房新社)、『社長の「まわり」の仕事術』(インプレス)など多数がある。人気ブックライターとして数々の書籍に携わる、企画&執筆の達人。

「2018年 『企画書は10分で書きなさい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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