世界のニュースがわかる! 図解 地政学入門

著者 :
  • あさ出版
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860638207

作品紹介・あらすじ

「地政学」-つまり"地理的な条件が一国の政治や軍事、経済に与える影響を考えること"である。これをひと言で定義すると「世界で起こってきた戦争の歴史を知る」になる。地理的な条件とは、領土やその周辺地域のこと。領土といえば国同士が争い奪い合ってきたもの、つまり戦争がつきものだ。だから、地政学とは戦争の歴史を学ぶこと、といえる。そして、近代以降は「陸」から「海」へとその覇権争いの舞台が移された-。

感想・レビュー・書評

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  • この本では「地政学」=「世界の戦争の歴史を知ること」と定義づけており各章で中国、ロシア、欧州、アメリカそれぞれの戦争の歴史を辿って行く。この点では世界史を勉強している人にとっては既知の情報に過ぎないかもしれない。読んでいるうちに、地政学というよりも単なる世界史の本じゃないかと錯覚に陥ってしまうタイミングが幾度とある。

    以前、奥山真司著書「サクッとわかるビジネス教養 地政学」を読み、これこそが地政学だと自分の中ではしっくり来ていたので、そちらの方が入門書には向いてるかもしれない。

    恐らくこの本はどちらかというと「世界の戦争の歴史を知ること」に重点を置いた構成をしており(その点で「入門」と名付けている?)、その後の「地理的条件から現在の世界情勢の深層を読み込む力を養う」部分は各自考えてね、というスタンスなのかと感じた。現代の情勢を地政学の観点から深掘りする要素は著書内にはあまり深く記載されておらず、各々歴史からイメージする必要がある。

    地政学、世界史にあまり触れたことがない場合は、この著書で世界の戦争の歴史を知った上で、次に奥山真司著書「サクッとわかるビジネス教養 地政学」を読むと深層を掴みやすい気がする。

  • 借りたもの。
    現在起こっている諸々の紛争や各国の思惑が理解できる地政学入門書。わかりやすくてスラスラ読める!
    そこから見えてくる国際社会・外交とはいかなるものか、安全保障、世界経済……
    現在のメディアは「戦争反対!」を感情的に強く掲げるばかりで失念している部分がある。(それは戦時中のマスメディアが戦争へ突き進む世論を煽ったことへの反省なのか?)すなわち‘「なめられたら攻められる」――えげつない理論であるが、これが国際政治の現実(p.230)’である事実。
    憲法九条という‘崇高な理想があっても、その理想を共有できない相手が存在する以上、現実的には仕方のないこともある(p.74)’事実。

    現代の軍事技術の向上で、陸の軍備はほぼ丸裸にされているため、海洋進出をして索敵されない軍備(海峡に原子力潜水艦を沈めておく。対アメリカ)を手に入れたい中国。秋元千明『戦略の地政学 ランドパワーVSシーパワー』( https://booklog.jp/item/1/4863101864 )で、中国の考え方にヘンな分析していたが、こちらの方が納得ができる。
    北方領土問題で揉めているけれど、日本に返還したら他の地域の領土問題に飛び火しかねないから引き延ばすロシア。
    国同士でさんざん揉めて、懲りて?共同体を形成したヨーロッパ……
    朝鮮半島は地政学的に致し方無いのかもしれないが、長い物には巻かれるタイプ。

    EU成立は、戦争に懲りたこともさることながら、アメリカの巨大経済圏の対抗という側面もあったような気がするのだが…(成立時のニュースの記憶)

    世界とは、そして戦争とは、自分たちの思想を取り入れた経済圏の覇権争いだった。
    民主主義国家という政治システムは、根本的に戦争とは相いれない(p.34)。お互いにwin-winの関係を気付きたい。
    「個」に価値を置き、持ちつ持たれつの関係である同盟を結ぶ「民主主義国家同士は、まれにしか戦争をしない」資本主義であることも含まれるのか?
    対して、社会主義…共産主義は全体主義とは名ばかりの独裁政治に陥りやすい。
    共産主義・(一党)独裁国家である中国は、中華思想――中華王朝の朝貢の再建――による覇権をもくろんでいるように思える。

    日本はどうしたいんだろう?海に囲まれている以上、シーパワーに力を入れるべきでは……
    この本が出版されたのは2015年。
    丁度、集団的自衛権の行使に関する話題がニュースに取り上げられていた頃。批判一辺倒なマスメディアに苦言を呈している。特にp.232からの地政学的リスクから考える集団的自衛権の是非について、確率論で見ても戦争リスクを下げられるということを丁寧に解説している。

  • 現代の民主主義国家同士は戦争をしない。
    中国は民主主義国家ではない。
    日本にとって直近の最大脅威は中国である。

    中国に対抗するにはアメリカとの集団的自衛権が必要。
    衛星が発達した現在は原子力潜水艦を配備できる海を掌握することが重要であり、南シナ海が鍵を握る。

    上記が印象に残った一冊。
    とてもわかりやすく説明していただけていた。

  • 日本は、とても危険な場所にある。にもかかわらず、軍隊がないなんて。そりゃ、領土を奪われ、子供をさらわれて当然だ。

  • 世界史や国際政治についてチンプンカンプンな私を優しく導いてくれる書でした。

    地政学とは「戦争の歴史」。
    よりよい、より広い土地を手に入れようとする各国の綱引きの状況とそのロジックが描かれています。

    「なめられたら攻められる」だから集団的自衛権は大事、必要。
    というロジックには「何か他の方法もあるのでは?」と思ったが、中盤までの各国の動きに関しては、大変勉強になりました。

  • 中国、ロシア.ヨーロッパ、アメリカが一つの生き物のように時代を通して追い求めるものを物凄く簡単に解説。それでいいのかというくらい簡単に。そして日本の取るべき道も解説。地政学とは何だと知るための1冊。

  • 二男の本。

  • 「世界各国の外交がどうしてそう行われるか」
    (たとえば中国はなぜ東南アジアに拡大していこうとするのか)
    地理的な要因(どこそこと陸続き、海からはどんな脅威やチャンスがあって)から、外交の方針が理解できます。

  • 他の地政学関係の本に比べれば、内容が薄い感じは否めないが、地政学「入門」であるので、それは仕方ないかなと。

    内容は地域を4つに分けて、それぞれの地域の戦史を追うことで今後の戦争の可能性、そして立つべき場所を示している。

    1章 広い海がほしい「中国」
    2章 南へ向かいたい「ロシア」
    3章 争いを経た「共同体 ヨーロッパ」
    4章 世界の警察官だった「アメリカ」

    それぞれの地域的な特徴、戦史を経ると見えてくるものがある。そのうえで他書を読んでみるとよいと思う。

  • 高橋洋一先生著

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。数量政策学者。嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科教授、株式会社政策工房代表取締役会長。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(首相官邸)などを歴任。小泉内閣・第1次安倍内閣ではブレーンとして活躍。2008年に退官。菅義偉内閣では内閣官房参与を務めた。『さらば財務省!』(講談社)で第17回山本七平賞を受賞。著書はほかに、『正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマのつくり方』(マガジンハウス)、『高橋洋一式「デジタル仕事術」』(かや書房)、『国民のための経済と財政の基礎知識』(扶桑社)、『理系思考入門』(PHP研究所)、『国民はこうして騙される』『プーチンショック後の世界と日本』(徳間書店)など多数。YouTube「高橋洋一チャンネル」でも発信中。

「2023年 『日本の常識は、世界の非常識! これで景気回復、安全保障は取り戻せるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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