- 本 ・本 (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860643973
感想・レビュー・書評
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自分が大学でなにを学ぶか、これからどう生きていくのかの将来設計していく上でのきっかけとなった本。
まだ中学生か高校生あたりの頃に、空ってどんなふうに成り立っているんだろう、雲ってどんな奴らなんだろうと思い、初めて親に本をすがって買った本だからなんか愛着がある。
気象を学ぶにあたってのバイブル的な存在である「一般気象学」の数式を除いたイラスト付きの参考書、みたいな立ち位置で、とっつきにくい数式が散りばめられた気象の世界をキャラクターを用いて擬人化したり比喩表現をふんだんに用いたりしてわかりやすく解説してある良書。理系以外の人にもわかるようにアラケンさんが読者目線に立つよう努力しているのがひしひしと伝わってくるし、何よりも雲好きなんだなってことがわかる。
個人的に物理現象のイメージを掴むために大いに役だったと感じるし、本質を知れてますます気象を好きになれたとちと思う。
しかしながら、本質を正確に記述してあることからどうしても難しい、理解し難い内容も多く、自分が大学で気象を専攻して勉強を進めていくまではなかなか読み進められず、挫折し続けてしまった。
自分の学力と共に徐々にステップして読める領域が広がってくみたいなアドベンチャー的な感じがあって、最近ようやく読み切れた。サボったせいもあるけどここまで長かった。
ガッツリ学びたい人、ある程度気象に関しての教養を持つ人向けの本だと思う。
また何回でも立ち返って読み返すだろうし、読み返したいと思う本だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
気象の基礎を学ぶうえで、数式だらけの教科書を読んで心が折れそうになっている人はぜひ読んでみてほしい。
表現がかなり易しくて読みやすいのに、かなり突っ込んだところまで記述されている。空気塊を「パーセルくん」というキャラクターに仕立てて、気象現象をパーセルくんの挙動として説明している。かなり面白いのに、かなり正確。
いま気象分野の研究で注目されている現象や、気象予報の精度を上げて行くために詳細を解明すべき問題などについても書かれている。気象の基礎から最前線まで、楽しみながら学ぶことができる。オススメ。 -
「次世代の気象学にむけたサイエンスエンターテイメント」
子供と大人が同じ文脈を共有するのは,
どんな分野のどんな事柄でも難しいものですが,
この書は,それをやってのけています.
絶賛がすぎることが嘘臭い,と思われることを覚悟しているので,動画におさめました.
https://www.youtube.com/watch?v=z7RJKd6poVo
なんの打ち合わせも,話す内容も決めずに,娘と妻と一発撮りです.
小学校3年生の娘がリアルタイムにこの動画の中で描いたイラストは,
ただ,本書のキャラクターが可愛く,面白い,
だけではない本質的なことを示していると思います.
上手いかどうか,ではなく,この本から自然に放たれた「雪片」というものの魅力が彼女に伝わった,
ということを示していて非常に興味深く感じました.
映画「アナと雪の女王」を観た後だった影響かもしれませんが,
何故その形なのか?色々な種類がどうして存在するのか?,
そんな問いが彼女の中に生まれたことは親としてこの本への感謝しかありません.
本書から湧き出すその全ての問いに親は必ずしも答えられないかもしれません.
それでも子供と大人が同じ文脈を共有して,一緒に考え,
本当に必要なことを見つけ出していくことは,
答えられるかどうかよりも尊いことではないでしょうか.
その本質的な土台がこの一冊に正確かつ躍動感を持ちながら,
エンターテイメントとしても成り立っています.
だから,気象予報士レベルの勉強にも最高の書であると
他の方のレビューにもあるのではないでしょうか?
気象学のバイブルとされる「一般気象学」は,
数式という前提を必要としていましたが,
それを全てイラストとキャラクターたちの小気味良いセリフに置き換えているため,
読み通すのに苦労する,ということは一切なくなっています.
天気予報という誰もが必要とし,
利用している技術を支える気象学にとって,
次世代のバイブルになる珠玉の一冊です.
雲の中では何がおこっているのか〜雲をつかもうとしている話〜 荒木健太郎 著 ベレ出版
http://amzn.to/1omBIuH -
娘の11歳の誕生日に贈る。その2。
わたしがほしいと思って本棚登録だけしてそのままだったこの本、雲のこと勉強したいというので誕生日プレゼントに購入。
親子で一緒に読んで楽しめる。かなり専門的な内容ではあるが、とりあえず読んでおいてまた中学高校と進んでから読み返してもいいのかも。 -
タイトルと内容が大きくかけ離れており、完全に気象の教科書。用語をキャラクタ化するものの、内容を簡潔に説明しているわけではないので、かえって回りくどい説明になってしまっている。専門用語も非常に多く、見開き2ページで5~10個ほど新しい用語が登場するので、用語の理解にとまどう(こんなに用語を出すなら2冊に分けるか、辞書みたいな用語集で良かったのでは)。
非常に難しい分野であり、数式を用いない点は初学者にもとっつきやすいかもしれないが、Wikipediaの方が分かりやすかった。半分ほど読んで投げてしまった。 -
雲に関する物理現象について,数式を極力排して擬人化を用いた解説をしている。
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摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99690085
地球を覆う無数の雲。地球は雲の星です。雲の中では水や氷の粒が複雑に動き、日々の天気に大きな影響を与えています。身近な存在の雲ですが、雲の中には多くの謎が残されています。研究者たちは雲について理解しようと、手が届きそうで届かない雲を必死につかもうとしているのです。雲ができる仕組みから、ゲリラ豪雨などの災害をもたらす雲、雲と気候変動との関わりまで、雲を形づくる雲粒の研究者が雲の楽しみ方をあますことなく伝えます!(生命融合科学分野 大塚正人先生推薦) -
雲の中では何が?と言っても「クラウド(コンピューティング)」の話ではない。正真正銘、空に浮かぶ「雲」の話。本当は「浮かんでる」わけではないらしいが…。
核として働くエアロゾル(最近だと、某ウィルスの感染源の疑いも掛けられている用語だが、本来は大気中に浮遊している微粒子全般を指す言葉)がある場合、相対湿度が100%を超えるや否や水蒸気が凝結して雲粒が生成されるが、それが全くない大気中では純粋な水蒸気から水滴が形成されるのは、なんと相対湿度が数百%に達した時という。
とまあ、こんな一般人からしたら豆知識的なネタが次から次へと展開される本。
個人的には面倒な理論の箇所は斜め読みで、楽しく読了した。
「#雲の中では何が起こっているのか」(ベレ出版、荒木健太郎著)
Day249
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再読すべし
イメージ構築に役立つ -
空気の流れがぶつかって雲ができることは知っていたが詳しいことを知らなかったので勉強してみたいと思った。物理的で内容は専門的だが、可愛い絵で例えていたり、ゆるキャラが説明してくれたりして読みやすく頭に入ってきた。これから雲を見るのが楽しくなりそうだ。
著者プロフィール
荒木健太郎の作品





