自然のしくみがわかる地理学入門

著者 :
  • ベレ出版
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本棚登録 : 89
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860644307

作品紹介・あらすじ

地理学のおもしろさは、私たちが生活する環境の成り立ちを解き明かしていくところにあるでしょう。本書はその地形・気候・植生について「なぜそうなったのか」という視点で、具体的にわかりやすく解説。さらに世界50カ国以上を訪れた著者が体験したエピソードも散りばめられていて、リアルで楽しい内容となっています。写真・図版も満載で、自然の様々な不思議や疑問を明らかにしてくれる自然地理学の入門書です。

感想・レビュー・書評

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  • 体系的な入門というより、広く様々な話題を興味を引く語り口で紹介している。章立てや順序が見通しにくく、あちこちに話が飛ぶ。

  • 請求記号 450/Mi 96

  • 昨年(2016)より、地政学という分野に興味を持ち始めました。世の中の出来事(最近の戦争や、歴史上の重要な戦争・領地争い等)には、地形が大いに係わることが徐々にわかってきました。また、気候変動も食糧生産に影響を及ぼすことから、民族移動に繋がることもあるようですね。

    気候変動とも絡むと思いますが、その結果、その土地の地形が決まってくると思います。日本をはじめとして世界には多くの地形の特徴があり、それらも気候に関わってきているようです。

    さて、この本は、自然のしくみがわかる「地理学」入門というタイトルで、身近な日本の地形(それが土地の名前に密接に関連している)について解説を加えています。特に、1章の前半の、沖積平野の地形に関する解説で、東横線の中目黒あたりが谷になっているくだりは面白かったです。

    大きな関東平野と思っていましたが、東京の地形はかなり複雑なようですね。中目黒あたりに食事をよくしに行きますが、あのあたりの目黒川の周りの堤防がとても高い理由が分かったような気がしました。

    以下は気になったポイントです。

    ・東京の山手線に乗っていると、電車が地下に入ったり、高架の上を走ったりする。目黒駅は地下、渋谷駅では高架を電車が走る。軌道の高さを一定に保っているからこのようになる。東京の副都心の場合、新宿では電車は地上より低い場所を走り、渋谷では地上より高いところを走る。渋谷の中心部にはほとんど高層ビルがないことは関係している(p14)

    ・最終氷期は、いまより1~7万年前にあって、最も寒かったのは2万年前、この最後の氷河時代が、これらの原因をつくった(p15)

    ・氷河時代に、渋谷では、渋谷川が河川の下刻作用により大きな谷をつくり、中目黒では目黒川が、都立大学では、呑川が大きな谷を掘った(p16)

    ・副都心で高層ビルを建てる場合、10~12万年前に形成された高台の新宿がもっとも地面が固いので、一番安い、その次が5-8万年前の池袋、2万年前の氷河時代に掘られた谷に泥がたまった沖積低地である、渋谷・品川・上野は、高層ビルを建てるのに建築費がかさむ(p23)

    ・地震が起きて被害を受けるのは、後背湿地に建てられた家である、泥の層だから(p34)

    ・ディズニーランドは、建造物の下の地中に頑丈な杭を打っていたので建造物は地震時の備えがあったが、それを行っていない駐車場は、ひび割れて、砂や水が噴き出した、液状化は浦安市域の86%(p38)

    ・神戸市の御影では、古くから六甲山地の花崗岩を切り出して利用してきたため、花崗岩は、御影石とも呼ばれる(p84)

    ・日本で有名な断層は、濃尾地震の震源となった、岐阜県の根尾谷断層、北伊豆地震の震源となった、丹那断層、兵庫県南部地震の野島断層がある(p100)

    ・中国東北部から北朝鮮にかけて、渤海という国があったが、西暦926年に突然滅亡している。中国と北朝鮮の国境にそびえる、白頭山の噴火が原因とされている(p105)

    ・国土交通省は、日本を構成する島は、6852あるとしている。日本の領土面積は61位(38万km2)であるが、領海と排他的経済水域を合わせた広さは、447万km2で、世界6位である(p113)

    ・アメリカ軍はB29による日本空襲のさいに、ジェット気流の存在を知った。日本軍は風船爆弾を1万個放球して、その1割が本土に到達したと推定されている(p151)

    ・温暖化すると南極周辺の海水温が上昇して海からの蒸発量が増えて、降雪量が増加するので、南極の氷河は拡大する(p162)

    ・小氷期に入った16-17世紀には、欧州では暖炉で燃やす薪が不足し、羊毛の上着を十分に暖炉で乾燥させることができず、ノミが繁殖して、欧州ではペストが大流行した(p180)

    ・皮膚にメラニン色素の多い黒人は、メラニン色素の少ない白人の人は肌に日分け止めを塗らないと皮膚がただれる(p236)

    2017年2月12日作成

  • 自然を見る目が変わる。美しいだけで終わらず、その向こうに膨大な年月の流れや、文明が栄える前の姿に思いをはせるようになる。

  • 山手線の話は面白いが、一般的に知られていない地名・人名・断層名・山の名前などまったく読みがながふられていないので極めて読みにくい。本当にことごとく読みづらい。入門というタイトルをつけているくせに本を編集した人は多分知恵が足りないのだろう。

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プロフィール

京都大学大学院文学研究科地理学専修教授。
名古屋大学文学部史学科地理学専攻卒業、北海道大学大学院環境科学研究科環境構造学専攻修士課程修了、東京都立大学大学院理学研究科地理学専攻博士課程修了。理学博士。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻准教授を経て現職。
専攻は自然地理学、植生地理学、アフリカ地域研究。
主な著書:『高山植物と「お花畑」の科学』(古今書院、1999年)、『ひとりぼっちの海外調査』(文芸社、2005年)、『神秘の大地、アルナチャル――アッサム・ヒマラヤの自然とチベット人の社会』(昭和堂、2012年)(2014年度日本地理学会賞【優秀著作部門】)、『自然のしくみがわかる地理学入門』(ベレ出版、2015年)、『人間の営みがわかる地理学入門』(ベレ出版、2016年)、『Himalayan Nature and Tibetan Buddhist Culture in Arunachal Pradesh, India: A Study of Monpa』(L. Tenpaと共著、Springer、2015)、『植生環境学――植物の生育環境の謎を解く――』(編著、古今書院、2001年)、『アフリカ自然学』(編著、古今書院、2005年)、『アンデス自然学』(編著、古今書院、2016年)。

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