- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860644994
作品紹介・あらすじ
史料から歴史の真相を解き明かし、その実像に迫る日本史教養書。本書では原始・古代から現代までの日本史の注目テーマを40取り上げ、史料や年表を用いて歴史の疑問を次々と解き明かしていきます。本文中で疑問を提示し、実際に史料を検討し自分で考えながら読み進められるので、まるで歴史研究の現場にいるかのようなワクワク感を味わうことができます。歴史を単なる知識ではなく、様々な史料を読み込むことで、当時の人々の生の声や歴史の実像を捉えることができる一冊です。
感想・レビュー・書評
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著者は日本史の高校教員(最後は校長)。40のテーマを設定し、「このように言われているが本当にそうなのか?」「なぜこのようなことになったのか?」などと批判的に見ることで、歴史に深く迫っていくスタイルの本です。資料や根拠を示しながらとにかく「なぜ?」「どうして?」と問いかけ、読者に考えさせます。これは歴史学者が日常的に用いる基本的な研究手法と近似しており、歴史を学ぶ面白さを伝えてくれます。テーマごとの参考文献(やや古いものが多いが基本文献)も数冊ずつ紹介されているので、さらに学びたい人に親切な設計です。
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<目次>
第1部 原始・古代
第2部 中世
第3部 近世
第4部 近現代
<内容>
サイト「日本史へのいざない」、著書『日本史へのいざない1・2』を書いておられる著者の、ちょっと一般向けの本。サイトには日本史のネタ以外に、授業の取り組みなど多くの教育に関する示唆も載っており、教育への真摯な取り組みを実践されておられ、この本の経歴を見ると校長にまでなられた由。見ている人は見ているのだな、と思いました。
それはさておき、教科書の歴史をすべてだと思っている人に対し、痛烈なパンチをぶち込むこの本、テーマは前近代に偏っている感はありますが、天皇家の系譜、聖徳太子の実像、鎌倉幕府の成立…中世以降は、世界史のなかの日本史の視点が増えます。「蒙古襲来(元寇)」、最近話題の「鎖国」、ペリー来航の裏側、日清・日露戦争…。
基本的な日本史の知識は必要ですが、「なるほど」と手を打つ内容です。