雨はどのような一生を送るのか

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  • ベレ出版
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本棚登録 : 19
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860645120

作品紹介・あらすじ

「雨はどのようにして降り、降った後はどこへ行くのか?」私たちにとっては常識とも思われるこの疑問に、科学者たちはずっと悩んできました。古代の科学者は水の循環をあれこれ想像し、現在の科学者は最新の技術を駆使し、雨の一生に迫ろうとしています。
 本書は、研究の歴史を通して、雨が降るまでのメカニズム、そして、降った後もつづく地球をめぐる水の旅をわかりやすく解説します。
 日常の「当たり前」のなかに「なぜ?」と思う気持ちが芽生える、雨をめぐるサイエンスヒストリーを楽しむ一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 「雨はどうやってできるの?」という素朴な疑問を人は古代から繰り返し抱き、今なお検索フレーズで200件以上が完全一致でヒットしている。

    この純粋な疑問のパワーが如何に強力であり続け、結果として、科学が古代からどのように論争を繰り返してより良い結論に近付こうとし続けてきたのか、その壮大なストーリーが綴られるこの本は、知識や見解や課題だけを解説するものとは完全に一線を画した傑作である。

    科学が世界で最も信頼される理由は、単なる思い込みの科学信仰ではなく、「決して断絶せずに失敗も成功も含めて知恵を積み上げてきた歴史の長さと連続性」にこそ、信頼の根拠が置かれているとモテサクは思う。

    多様な価値観の人々が共有できる事実から出発して、自由に失敗し、成功し、論争し、検証を重ねる事によって、1人の人間には、決してなし得ない全体としての謙虚さを維持しているのが、科学だ。

    科学だから盲信すればいいのではなく、科学だからこそ謙虚さを要求され続けるが故に生まれる信頼感があるという事。

    それが、「雨はどうやってできるのか?」というシンプルな疑問を300ページも要してひたすら古代からどのように挑まれてきたのかが描かれる、すごい本です。

    三隅さんの人柄通り優しい筆致ながら、科学とはこういう事だ、という迫力と凄みの詰まった渾身の一冊。

  • 系推薦図書 5系(建築・都市システム学系)
    【配架場所】 図・3開架 
    【請求記号】 451.64||MI

    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=181814

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著者プロフィール

1964年福岡県生まれ。防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門 総括主任研究員。筑波大学生命環境系教授(連携大学院)。名古屋大学大学院理学研究科 大気水圏科学専攻 博士後期課程 修了。博士(理学)(名古屋大学)。科学技術庁防災科学技術研究所、文部科学省研究開発局開発企画課などを経て現職。専門は気象学(雲物理学)で、災害を引き起こす激しい雨の発生機構や、降雪粒子のモデル化について研究している。著書に『気象災害を科学する』(ベレ出版)がある。趣味は天体観測(月面スケッチ)、水泳、相撲観戦など。

「2017年 『雨はどのような一生を送るのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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