ビルディングタイプの解剖学

  • 王国社
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本棚登録 : 32
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860730093

作品紹介・あらすじ

教会・学校・倉庫・工場・監獄・病院・動物園・万博・パサージュ。近代資本主義社会が生んだ典型的な空間の内側では、どのような現実的な様相が示されてきたのか。写真・図版多数収録。

感想・レビュー・書評

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  • 機能的な側面であるビルディングタイプの歴史的な誕生の経緯と社会的な制度とのつながりを論じた本。単純に課題などの要求を満たすだけではなく、その与えられた条件の根本的な理由を知ることで、本当に何が求められているのかを考えることができる。(建築学専攻)

    配架場所:工1B・建築
    請求記号:220-0:I.13-2

    ◆東京大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2001810829&opkey=B148057573012674&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=20&list_sort=6&cmode=0&chk_st=0&check=0

  • 学校教育を考える上で、学級を建築的な視点で見る、というのは新しかった。

    [目次]
    序 ビルディングタイプとはどういうものか
    第一章 教育
    教会
    学校
    クエーカー教と近代施設
    第二章 生産
    倉庫
    工場
    第三章 矯正
    監獄
    病院
    第四章 収集
    動物園
    万博
    パサージュ
    あとがき

  • 近代に成立した学校・倉庫・工場・監獄・病院・動物園・万博・パサージュについて、その起源と、それらの横断的な関連性について論じた1冊。

    普段建築関係の人間は、建物用途ごとの区分を「ビルディングタイプ」と呼んでいるが、それらの区分けの起源がいつで、どのような時代の要請から生じたものなのかを紐解いていく過程は、逆に建築の枠組みを解体していく作業にも似た感覚を覚えた。

    近代が進展していく過程で生じた社会的・生産的・経済的要請が新たな建築を求めた結果成立し、そして現在ではア・プリオリな「型」としてあるそれらのビルディングタイプは、その起源と成立過程を知ることで、現代において全く新たなビルディングタイプが発生する可能性があることに気付かせてくれる。固定的な「型」を踏襲する必要は全くないのだ。

    とはいえ近代の射程を18世紀前半からと仮に捉えた場合、本書で取り上げられているビルディングタイプの成立までは200年程度掛かっている訳であるから、一夜にして革新的なビルディングタイプが成立する訳でもない。大切なのは建築を固定的な「型」と捉えずに、様々なレベルで建築に求められているものから、タイプを超えて建築を生み出す方法論ではないか、というのが本書の裏テーマだと読み込むのは深読みしすぎであろうか?

    ともあれ面白い本です。

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著者プロフィール

五十嵐太郎(いがらし・たろう)
1967年、フランス・パリ生まれ。建築史家、建築評論家。東京大学工学系大学院建築学専攻修士課程修了。博士(工学)。東北大学大学院工学研究科教授。『ル・コルビュジエがめざしたもの』(青土社)、『日本の建築家はなぜ世界で愛されるのか』(PHP新書)、『日本建築入門――近代と伝統』(ちくま新書)、『新編 新宗教と巨大建築』(ちくま学芸文庫)、『現代建築に関する16章』(講談社現代新書)など著書多数。

「2018年 『白井晟一の原爆堂 四つの対話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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