石山修武の設計ノート: 現場の声を訊け

著者 :
  • 王国社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860730116

作品紹介・あらすじ

ハラハラ、ドキドキ、シメシメ、現在進行形の物語、建築家はこんなにおもしろい。建築は、複雑な他者との網の目から紡ぎ出される事件でもあるのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 石山修武の設計ノート―現場の声を訊け
    (和書)2013年02月22日 15:46
    2003 王国社 石山 修武


    磯崎新さんの『やま中』という九州博多の料理屋は興味を持った。描き方が巧いので行きたくなる。

    自分でゼネコンをやるだとか、自分で建売を建設するとか、現場の声をきくというか自分で現場を指揮して設計するということなのだけれど、当たり前にも思えることだけどそれを徹底化していて面白いです。

    若い時、アジアを旅するとかいいですね。

    大学の設計室というもの、設計者を育てるということ、いろいろ難しいことなんだな。

    この人の建築は見たことないけど興味を持った。

    ただ建築家というものは徹底して常識人でなければならないらしい。自分だけで創れないしいろんな人と付き合わなければならない。他者を手段としてのみならず同時に目的として扱う・・・目的とは「自由な人格」としてとか考えて、そういう理念を持ってやっていけたらそれで生きていけたら確かに止められない職業だろう。

    しかし僕みたいなアナーキズム好きにできることなのだろうか?

  • 以前日曜美術館で紹介された「開拓者の家」というセルフビルド住宅にすごい刺激を受け、設計士である著者の本を数冊購入、その一冊。

    本書は90年代後半の活動エッセイ、さっそく読んでみる。
    いきなり学生に対する愚痴でガッカリ...。建築家としては世間的に一流なのだろうが、(読む限り)、自分に出来て他人ができないことなんてごまんとあるがそれを理解できずに人を責める典型的なクソ野郎じゃないか...。

    一方、本書を読んで「自分の住む家」と「建築」について興味を持つことができた。自分はクソ高いローンを抱えるのはまっぴら御免で生涯賃貸住宅で通す予定だが、自分の住む家を建ててみたい気持ちがすこしでてきてしまった。
    また、文化的/歴史的地域はあらゆる改善/発展がやりつくされているが、新興住宅地こそ文化の基底で面白いという知見はなるほどーと思った。

    また著者が設計した、西伊豆松崎町の長八美術館、何時か訪問してみたいなって思いました。

  • 建築の世界に入ってから、15年。
    ちょうどその頃の本である。

    当時は、石山修武って変な奴でわけわからん、と思っていたが、
    時間が自分を熟成させてくれたのか、今では、共感を覚える。

    はっきりと分かったことは、時代の表側で、メディアの波にうまくのることが評価とされる現代社会の価値観は、自分にとってはあまり興味のないことだということ。

    そのような意味で、
    藤森照信、石山修武は、実に興味深い。

  • 室内に連載されていたエッセイで、一つ一つが量は少ないけど内容は濃くて読み応えありあり!

    「もしかしたら捨てたとしか思えなかった二十年を取り返すことができるのではないか」という言葉から始まり、「黄色人種のジイさんバアさんがそこに居ても、キチンと絵になる、現代建築」と続く話には感銘さえ受けた。
    そう!それだ!それこそがこれからの現代建築だ!

    セルフビルドの精神に始まり、石山修武のバイタリティ、まさに不屈の精神力はどこから湧いてくるのか…すごい。

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著者プロフィール

1944年生まれ。建築家。早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院修了。早稲田大学理工学部名誉教授。1985年「伊豆の長八美術館」で第10回吉田五十八賞、1995年「リアス・アーク美術館」で日本建築学会賞、1996年「ヴェネチア・ビエンナーレ建築展」で金獅子賞ほか受賞。主な作品に「幻庵」、「世田谷村」、「ひろしまハウス」など。主な著書に『笑う住宅』(筑摩書房)、『住宅道楽』(講談社)、『生きのびるための建築』(NTT出版)ほか。中里和人との共著に『セルフビルドの世界』(筑摩書房)がある。

「2023年 『原視紀行 地相と浄土と女たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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