いやっ!といえないノニ

  • サイエンティスト社 (2024年6月18日発売)
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本 ・本 (24ページ) / ISBN・EAN: 9784860790950

作品紹介・あらすじ

 主人公のノニは、いろんなことができるしっかり者ですが、ひとつだけできないことがあります。それは、いやなときに「いやだ」と主張すること。そんなわけで、友だちのスージーに、髪の毛を切られたうえに染められてしまったり、大好きな本を破られてしまったり。挙句にベッドまでとられてしまいます。とっておきのシリアルまで食べられそうになり、我慢も限界にきたノニが勇気をふりしぼって「いやっ!」と叫ぶと……、スージーは拍子抜けするほど簡単にノニの主張を受け入れます。
 2~3歳頃までは、自分の気持ちのままに主張していた子どもも、もう少し大きくなると「いや」といったら相手はどう思うだろうと気にしはじめます。友だちと関わるなかで、いやなときでも「いやだ」といえず、ノニのようにもやもやしたり、イライラしたりする子どもも少なくないと思います。本書はとりわけ、そんな子どもたちに読んでほしい。いやなときは「いや」といっても大丈夫なのだと、主張するのが苦手な子どもの背中を押してくれることでしょう。
 この作品を手がけたのはカナダ出身の作家・画家コンビです。淡い色使いのソフトなタッチの絵はノニの気持ちに寄り添ったお話のトーンとマッチして、魅力的な絵本に仕上がっています。気持ちをつたえること、ときには主張することの大切さを教えてくれる本書は、友だちとの関わりが増えてくる時期の子どもたちにぴったりの1冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 〝ノ二は、いろいろなことが、できます。弟にミルクもあげられます。靴の紐だって、自分で結べます。友だちのスージ-の家にも、ひとりで行けます。ただ、できないことが、ひとつありました。どうしても「いやっ❢」と言えません。どんなに嫌と思っていても「いやだ」と言えないノニ。そのせいで、友だちのスージーに髪を切られたり、ベッドを占有されて、床で眠るはめになったり…。そして、とうとう癇癪玉が破裂しそうになったノニは、勇気をふりしぼり、大きな声で「いや-っ❢」とぶちまけたところ…〟いやなときには「いやだ」と主張のできる子どもを、上手に育てること大切さと難しさを考える大人の絵本。

  • いやなことをいやと言えない女の子が主人公。いやといったら相手はなんていうのかな……。最後いや!と言えたら案外相手はほかの方法を出してくれる。

  • 大人の「仲良くしなさい」「“どうぞ”してあげて」という言葉は子どもにとって気持ちを縛りつける鎖なんだろうな…この作品のようないつもガマンしてるのを爆発させる本を子どもたちに読むとスッとした表情になる子が多いのよね。そうそう、子どものうちくらい自分を押し殺さなくてもいいのよ!「ガマンばかりしなくていいんよ」という気持ちをこめて本を閉じる。

  • ともだちの要求に中々「いやっ」と言えないノニ。
    本当は嫌で嫌でたまらないのにともだちに「いやっ」って言ったら遊んでもらえなくなるんじゃないかと心配しているんだろうなあ。
    「いやっ」と断ることはわがままではない、でもノニはそう思っているのかもしれない。
    きっと子ども達はノニに共感したり、ちょっとイラついたり。
    最後の展開はあっけないけど、スッキリ。

  • 言えない。なかなか言えないけど、勇気をふりしぼって言ってみたら思っていたよりスムーズにことが運んだりする。
    これは、きっと大人でもそう、、、

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著者プロフィール

新潟県生まれ。共訳に『ダ・ヴィンチのひみつをさぐれ!』(朝日出版社)、「アンドルー・ラング世界童話集」シリーズ(東京創元社)、『賞をとった子どもの本』(玉川大学出版部)など。やまねこ翻訳クラブ会員。本作り空Solaスタッフ。

「2023年 『ふたごハムスター 友だちさがし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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