箸もてば

著者 :
  • 新講社
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860815554

感想・レビュー・書評

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  • 2018/03/08
    豆を茹でたくなる 赤飯を炊きたくなる 菜っぱを炊きたくなる....

  • 職場の先輩ママさんたちが「ひとりだったら毎日ごはん作らない、もっと適当にすませる」とよく言っているがそれはちがう、ひとりだからこそ、自分のために作るごはんは疎かにしたくないのだ。

  • 一人でも食事を楽しんで大事にしている人はきっといい人だと思う。

  • もっと年配の方かと思いました。
    自分も今後一人暮らしになってもこんな風に暮らしたいものです。迷ううちは食べどきではない、とか言って。

  • 2017 11/10

  • 前にも書いた気がするけど、書いたものを読むたび素直に好感を持つ。もし出会えたら友達になってくれるんじゃないか、なんて勝手な妄想をさせてくれるところがこの方のすごいところだと思っている。好きな作家は他にもいても、こういう"近しい"感情を持つ方は他にいない。友達になりたいなぁ(笑)

  • 20170730 相変わらず軽やかで読んでいて気持ちが楽になる。年代も近いせいか悲喜の感覚が合うのも楽しい。読んだ後、いつも料理をしようと意気込むのだが空振りで終わってしまう。この秋から冬にかけて小鍋から始めて見ようと思う。

  • この人の四季折々を綴る文章に慣れてくると、東京の東寄りにある古い木造集合住宅に棲む様子が、何処かで仕込んだ心象と相まって浮かんで来るようになる。ガラス戸越しの風景は、波打つガラス板によって僅かに歪むけれど、新聞紙で拭いたその透明はどこまでも透き通る。茶殻を撒いてから掃き掃除した畳は清々しい。小さなコンロには小さな調理器具が沸々とかかる。巷間使い古された言い回しだが、いかにも昭和な風景。寅さんや小津映画に映り込む市井の暮らし。最近の言葉で言いあらわせば、スローライフ、ということになろうか。

    本人は、泣いたり腹を立てたり鼻歌を唄ったりと忙しそうにしているが、文章に書き表される時間の流れは、どこかゆったりとして、別の言い方をすれば濃密であるような印象を残す。せっかちで、さっぱりしていて、それなのにうじうじと悩む様子、それを楽しく読む。

    中でも、この人の食べ物について記す言葉はよい。料理の印象をことさら大袈裟に伝えようとする訳ではない。簡素な料理の味付けや、出汁を取る昆布の終着点。そんな昔から変わらないことにこだわる姿勢がむしろ潔い。つられて頭の何処かに仕舞われていた味の記憶が呼び覚まされ、それが随分と贅沢な時間だったのだなという郷愁に似た思いを喚起する。すり鉢に炒った胡麻を入れ、滑らかになるまで磨り潰す。鰹節を入れた小箱を取り出して来て、細かに削る。確かにそんな光景を、そして味を覚えている。それは今の生活からすれば随分と幸福なことであったのかも知れない。

    そしてお家やさんに飽いたら外に出る。何故かこの人の周りには、向こう三軒両隣の時代に取り残されたような魅力的なお店がある。筆の跡を辿りながら、そこで忘れかけていた旬に出会う。そしてそれが季節の循環というだけにとどまらず生きるものの周期を司っていることを思い出して、はっとする。地球の自転を無視するような生き方をしているからか、そんな文章を為す生き方に余計に共鳴する。下町の狭い路地に入り込んだらタイムスリップでもしたような心地がする石田千の文章を堪能する。

     横丁の角を廻りて四季を喰う

  • +++
    箸もてば、いつかの夕方、いつかの乾杯。ひとくちめのビールが、喉もとすぎる。会えなくなったひとにも会える。(「あとがき」より)
    作家・石田 千による、つくる、飲む、食べる日々をつづったエッセイ。
    年々歳々、食相い似たり、年々歳々、人同じからず。
    時のうつろい、四季のうつりかわりととも自然の恵みとどう出合い、どう調理し、食べ、そして飲んだか。
    飲食は命を養い、心を支える。食べものへの思い、そして杯を手にすれば、思いおこすあの人たちの声、姿、気配。
    生まれたばかりのような繊細なことばで語られる、飲食をめぐる珠玉の掌篇集。
    +++

    またまた素敵な読書タイムをありがとう、である。どんなときに何をどうやって食べるか、それはその人を如実に表すことだと思う。著者は、自らの躰の声にきちんと耳を傾け、弱ったときには弱ったなりに、元気なときには元気ななりに。そして、季節の声もちゃんと聞いて、旬のものに丁寧に手をかけて食している。それは必ずしも凝った料理というわけではなく、その部分は外の食事に任せ、却って素朴で素材を生かした食べ方で、思う存分幸せを感じながら食べていることがうかがわれて好もしい。実際に食べているわけではないのに、読んでいるだけで、滋味あふれる湯気に包まれ、太陽の恵みたっぷりの素材の滋養が、躰の芯に沁みこんでいく心地になる。至福の一冊である。

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