ほんとうにあった12の怖い話

  • 長崎出版
3.21
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本棚登録 : 41
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860954611

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭に“ほんとうにあった話だよ”と、念押ししながら語られる12の話

    「墓掘り」
    墓掘り人のジョンは酔っ払って自分の掘った穴に落っこちてしまう。後から落ちてきた男に声をかけるが…?
    …オチ話

    「トロル」 
    三人姉妹の姉がトロルにさらわれる。毎年会えるが年々人らしさを失っていく。最後の信仰を失ったとき。
    …民話の再話かな?

    「消えたワーニャ」
    ミーシャとワーニャは幼なじみの竹馬の友だった。だが、ミーシャは肺結核で二十を前に死んでしまう。ワーニャな自分の結婚式のとき、ミーシャの墓に寄って報告をする
    …友情は死で隔てられたのか

    「幽霊の出る宿」
    酒場で男は幽霊の出る部屋で一晩過ごす賭けをする
    …君子危うきに近寄らず

    「適任者」
    魔王が地獄の役職に空きが出たので、後任を探しにやってきた。
    …「地獄に落ちりゃいい」沢山の意味が込められるんだなあ

    「角笛」
    とんでもないごんたくれのミルフィード。悪態、暴力で注目を集めようとしていたが
    …大人から見るとかわいそうな気がする

    「魔王との晩餐」
    食いしん坊牧師、魔王からの晩餐の招待に考える
    …食欲に負けた

    「ミセス・シュガー」
    ハロウィーンのよる、友だちを驚かそうと変装して道路脇にしゃがんでいたペグに声をかけたのは?
    …いたずらな魔女

    「雄牛」
    悪魔の変身した雄牛に聖書を読み続け無ければならない。村と教会を救うのは、生真面目な若い神父か酔いどれの老神父か、それとも?
    …酒が最高!って話ですかね。

    「イヌの餌」
    たちの悪い魔法使い、仕返しの呪いを発動する
    …皮肉。

    「校長の奥さん」
    校長に夜ご飯を招待された若い教師。奥さんの後ろに幽霊を見る
    …訳が分からない。わからないから恐ろしい。

    「不思議な水差し」
    ジャックはお母さんのためにと水差しを持ってきた男の子に水差しがいっぱいになるまでのビールを与える
    …恩返し。民話的

  • ーー わたしは学校訪問である学校へいったとき、ひとりの少年に会いました。これからお話しするのは、ジェイスンというその少年にきいたものです。 女流作家による嘘か誠かもつかぬ、ユニークで不思議で怖い短編集。 児童書の棚より。一つ一つの話は短く読みやすく、気軽に読めて楽しい。ただし、児童書と油断することなかれ。数話なかなか怖い話が混じっている。「幽霊の出る宿」には笑ったけれど。私はそういう展開だと思ったけど、真実はいかに。女の人がこの宿に泊まるとどうなるのだろうと少し気になるところ。特に怖かったのは「角笛」「イヌの餌」。角笛は途中から不穏な空気が漂い始め、最後には……。結末はなんとなく分かっていたけれど、ドキドキしながら読み進めた。イヌの餌は自分の力に溺れる哀れな魔法使いの話。完全にしっぺ返しをくらっている。全部の話に共通するのは、ずるをしようとしたり、やましいことをしたり、乱暴だったり、不遜だったりする人間が総じて酷い目にあっているところ。(中には理不尽な展開に見舞われている人も居るけれど)こういうことをすると、怖い目にあうぞ!という戒めが感じられた。逆に人に親切にするといいことがあるよ、というのもあってよかった。(水差しの話がそうかな)

  • 墓掘りを生業としていたジョディじいさんが語る『墓掘り』

    ペグおばさんがまだ子供だった頃、体験した恐怖『ミセス・シュガー』

    教師のジョンから聞いた話『校長の奥さん』

    この3つが秀逸だった。どれも一ひねりあるお話ばかり。ただの恐怖小説集と思ったらよい意味で裏切られるよ…ふふふ。

  • ≪県立図書館≫

    面白い本だった。
    ちょっと怖い昔話。
    読んでやると、小学生はよろこんだが
    保育園児は怖がって、2話目で脱落した。

  •  怖い話を期待して読んだが、まったく怖くなかった。しかし、手軽に読めて楽しめたので満足。
    「トロル」柳田国男に似た話があったような……。このような話は普遍的なものなのかと思った。

  • 2012年10月1日

    <HERE LIES PRICE>
      
    装幀・組版/Katzen House 大塚+西田

  • とびきり怖いわけではなくて、ほんの少し首筋が寒くなるような短編集。自分の掘った墓穴に落ちてしまったおじいさんのちょっぴりユーモアのある話、昔と今がつながる話、悪魔や幽霊の話…。品のある怪談集。

  • この本には、12この話がのっていて、その中の「犬の餌」が気に入っています。とてもこわくてどきどきする作品です。1つ1つの作品は短いので、読みやすい本です。

  • 「墓堀り」
    墓堀りの老人が墓穴で遭遇したものはなんだったのか。
    「トロル」
    さらわれた人間がトロルになっていく様子。
    「消えたワーニャ」
    ロシア版”浦島太郎”というべきか。
    「幽霊の出る宿」
    かつらまで真っ白。
    「適任者」
    心の底から地獄行きを願われる者が適任者だという。
    「角笛」
    ロビンフッドの怒りにふれた。
    「魔王との晩餐」
    神父のくせに卑しいなあ。
    「ミセス・シュガー」
    魔女と呼ばれた人が幽霊になった。
    「雄牛」
    かぎたばこの入れ物に雄牛が入れられた。
    「イヌの餌」
    人を呪わば穴二つ。
    「校長の奥さん」
    校長の家で見たあの光景はなんだったのか。
    「不思議な水差し」
    3樽近くのビールが入る水差し。

    そんなに怖くなかったかな。
    魔王とか悪魔がどうこう、というより、人間が怖い、という話が読みたかったせいかも。

  • 外国のお話。怖いといっても、まぁ、ねぇ・・・といった具合。背筋が凍るとか、そういう感じでもなかったかなー。軽めのホラーです。ただ最初の、墓堀のおじいさんの話はギャグなんじゃないかと思ったwww

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著者プロフィール

イギリスのブラック・カントリー工業地帯に生まれる。14歳のとき短編小説のコンクールで入賞して以来物語を書き続け、1987年『ゴースト・ドラム北の魔法の物語』でカーネギー賞、1999年にThe Sterkarm Handshakeでガーディアン子どもの本賞を受賞。翻訳刊行された作品に『エルフギフト 上・下』(ポプラ社)、『12の怖い昔話』、『500年の恋人』『500年のトンネル』(ともに東京創元社)など。

「2020年 『ゴーストダンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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