パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学

著者 :
  • クレヨンハウス
4.30
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本棚登録 : 384
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861013430

作品紹介・あらすじ

脳研究者・池谷裕二さんが、娘さんの4歳までの成長を、脳の発達と機能の原理から分析し、子育てのコツとして惜しみなくご紹介!専門家だから伝えられる「脳科学の育児術」は、大人にとっても新しい発見があること、間違いなしです。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の池谷裕二氏(1970年~)は、『進化しすぎた脳』、『ココロの盲点』などの脳科学に関わる一般向けのベストセラーも持つ、脳研究者。
    本書は、結婚11年で長女を授かった著者が、生まれてから4歳までの娘の成長の様子を、脳科学者の視点から綴った記録である。初出は、落合惠子主宰のクレヨンハウスの育児雑誌「月刊クーヨン」の2013年8月~2017年7月の連載「脳研究者パパの悩める子育て」。
    脳ブームとも言える近年、脳科学者による著書は一般向けのものでも数多あり、私は、そうした中の数冊の本と、心理学・生物学などの一般書も多少読んできたが、人間の脳の働きを、実際の人間(赤ちゃん)の脳の発達の記録を通じて、これほど身近なものとして表した本にお目にかかったことはなかったように思う。
    読後の感想は「楽しい!!!」の一言。パパの子育ての奮闘ぶりが、飾ることなく綴られており、わくわく、どきどき、はらはら、もんもん、うるうる。。。まるで、自分が一緒になって子育てをしているような気分である。そして、そこに、一つ一つの反応や発語や動作について脳科学的な意味・分析が付されており、なるほど!と思わせてくれる。
    子育て前の世代にも、子育て中の世代にも、子供が大きくなった世代(私はこの世代)にも、それぞれに楽しめる良書と思う。
    多数の挿絵もとても愛らしい。
    (2017年11月了)

  • 脳研究者で薬学部の大学教授が自身の子どもの0歳から4歳までの成長を綴ったブログをまとめた一冊。薬学部で脳研究というと解剖でもしてそうなイメージですが、どちらかというと心理学とか行動科学的なものも含んだヒトの脳機能だとか発達に関する研究を専門にされているような雰囲気です。子どもが生まれてから少しずつ世界を認知し人間(ヒト)になって成長していく過程を、吾子の行動を通して専門家らしく蘊蓄盛りだくさんで紹介しております。「子育てブログ」+「脳発達に関する蘊蓄」+「コラム」という体裁で、子育てブログの部分は、自分の子ども自慢かと鼻白む部分も多いのですが、4歳ぐらいまでの子どもを育てている人には参考になることも多いと思う。個人的にはむしろ「コラム」の部分の方が一般的なお話しなので面白かった。少子化は夫婦が子どもを生まなくなったのが原因ではなく、生涯結婚しない人が増えたからであるとか。著者によると、早期教育にはあんまり意味は無く、3歳ぐらいまでにいろんなリアルな経験をさせてあげることが重要なようです。教育とは「親がいなくても一人で立派にやっていけるように導く」ことのようで、自分で考えて行動できるように導きつつ、社会性をしつけるのが大事とのこと。虐待や育児放棄をするような親に対して、子どもが通常より愛着を示す、というのも勉強になった。はそうしないと子どもは生き残れないということがDNAに刻まれているようです。注意したい。

  • お盆休暇、1冊目。子育てをやり直したくなりました。失敗したからというのもちょっぴりありますが、マシュマロテストがしてみたい。4歳ころから合格できるようになるそうですが、うちの子たちは合格できただろうか。大好きなマシュマロをしばらく食べずに我慢する、我慢ができればさらに追加がもらえる。我慢するためには見ないようにするのがよい。そういう生活の知恵を教えるのが教育だと池谷先生は言います。とにかく、この池谷家のご長女さんはかわいすぎます。マシュマロのかわりに使ったのは好物のミカンゼリー。次の日、「昨日のミカンゼリーのゲーム、今日もまたやろう。」だって、かわいすぎる。それともかしこすぎる? ところで我が家でも「心の理論」の実験ビデオは見せました。4歳の息子はできましたが、2歳の娘はあっさり間違いました。それぞれちゃんと発達段階があるのですね。本書は「クーヨン」の連載がもとになっていますが、イラストもあったかいし、もくじとか章扉の作り方とか、とってもていねいな仕事で、すてきな本に仕上がっています。

  • 発達の凸凹の多様性を認めつつ、脳の仕組み・成長や行動との紐付けを理路整然と優しい口調で語る本。小気味よく読了できた。

  • まず筆者が育児を楽しんでいる様子がわかり、楽しく読めた。子供の成長が早すぎて我が子と比べ不安を覚えることを除けば、見過ごしがちな成長の一端を脳科学的に説明されていること、子育てのポイントが論拠を交えて説明されていることからとても参考になり、楽しく読めた。
    子供はかけがえのない存在と感じほっこりした気持ちにもなり、我が子を大事にしたい気持ちが高まった。
    オススメの本。

  • どこまで因果関係があるかは疑問であるが、説得力があった。
    赤ちゃんには未知の部分がたくさんあるし。
    論理力や情緒は小さいことから身につけたい。
    比較するなとは言われるも、著者の子供と比較をしてしまう。
    とりあえずこれから子供と遊びに行ってくる。

  • 3)本来の育児の姿は「親の希望通りの子に育て上げる」のではなく「親がいなくても立派なやっていける子になる」ように導くこと
    4)第1子は右往左往しながら試行錯誤し、結局は失敗作になる、第2子こそはと意気込んだところで2人分の世話で充分な時間が取れず手抜き作になる
    ※子は親の作品ではない
    19)モロー反射=脳の回路が成熟する過程で一時的に生じる一種の反射。新生児~3ヵ月頃
    29)子供を授かると「こんなに大変な思いをして自分を育ててくれたのか」と親の苦労が理解できるという。でも本当は逆だと思う。子供が親をこんなにも幸せにしてくれる存在だということを知る。
    35)オキシトシンには他者に対して排他的になる作用もある。親密vs疎遠の対比が鮮烈になる。お父さんも親密な相手という枠内に入ることができなかったら攻撃対象。
    42)赤ちゃんの泣き声は周囲の大人にとって不快。心地よい泣き声では用をなさない。猿などの哺乳類は、外敵に気づかれて危険だから泣かない。
    65)野生の世界ではヒヨコはどこかに落ちたら助からない可能性が高い。だから生まれたときから高いところは怖いことが脳回路にインストールされている。見方を変えるとヒヨコは本能で決まっている範囲内でしか生きられない。ヒトは後天的に学ぶために高い柔軟性を備えている。生まれた直後の判断能力は動物の方が高いかもしれないが、ヒトの初期能力の低さはのちに柔軟性の高さへと化ける先行投資。先行投資が可能なのは親が落ちても助けてくれるから。子育てに手間がかかるのはヒトの能力が高いことの裏返し。
    151)人との約束は我慢を覚えるための出発点。一歩先の自制心も含めて。
    169)勉強において一番重要なことは知識の出力
    実際には再読を繰り返しても知識は殆ど定着しない。1回読んだ時より2回読んだ方がスラスラ読め、よく理解できたような気がする。このわかったという心理こそが学習の妨げとなっている。
    194)才能のある人とは反射力を上手に使える人。
    何かに躓いたら適切なアイデアを出して打開するとか、揉めた時にどう発言すれば穏やかに解決できるかなどを素早く思いつく反射。
    196)高い山には広い裾野が必要。得意なことは放っておいてもソコソコ伸びるもの。逆に不得意なことに何倍もの手間をかけてやることがバランスのよい人間を育てる。
    251)自発的に行動してもらうには否定語を避け、できるだけ肯定的な言い方をする。肯定的な言葉を使うことで当人の自制心を通じて積極的に我慢するように導く。
    299)我慢=学習できる
    マシュマロテスト=見ないことが有効
    テクニックに自分で気づくのが難しいなら、親が教えてあげればよい。親が教えなくてはいけないことは、学校の知識の先行詰め込みではなくこうした知恵。

  • あの池内裕二さんが脳研究を育児に応用し、娘さんとの日々を綴る。きちんとした目標、杓子定規でない、深みをもった知識、温かな情感。これまで読んだどんな子育て本よりも示唆に富んでいた。

    ・能動的に行動する方が、脳を強く活性化する。
    ・積み木遊びの効用。手順化とメンタルローテーションの涵養。
    ・会話ごっこから真の会話へ
    ・脳が成長するのは入力より出力。すぐの答え合わせは意味がない。
    ・絶対音感、計算力、読み書き、外国語はある程度遺伝子の影響がある。
    ・体格差に比べ、知能の劣等感は克服できる。
    ・ご褒美ではなく、成果そのものを一緒に喜ぶ。認知不協和を避けるため。
    ・虐待の世代間連鎖は統計学的に否定されている。
    ・音痴の人はメンタルローテーションが苦手。疑うまい人は人の気持ちに答えるのが上手。
    ・絵本はその人の来歴を映し出す鏡。

  • [図書館]
    読了:2018/3/21

    とても面白かった。赤ちゃんや幼児が少しずつ色んなことができるようになっていく、その時脳の中ではどういう機能が発達しているのか、仕組みが解ってすごくスッキリした。

  • 子育ては楽しい。しかし子どもの発育は千差万別なので、育児方法を一般化するのは難しい。そのため、差しさわりない無難な言説にとどまるか、極端な意見で挑発するか、といった極端なスタイルの育児本が溢れている。この本では脳科学者である著者が子育て中に気づいたこと、発見したことに対する個人的な見解と、最新の研究結果を併せて紹介してくれるため、個別事例と最新知見を同時に知ることができる。こんな本を探していた。

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