近代政治思想の基礎―ルネッサンス、宗教改革の時代

制作 : Quentin Skinner  クエンティン スキナー  門間 都喜郎 
  • 春風社
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  • Amazon.co.jp ・本 (767ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861101816

作品紹介・あらすじ

膨大な文献の読解によって、近代に至る西洋政治思想の形成と展開をつむぎだす、壮大な思想史のドラマ。「国家」「革命」などの基本概念はいつ、どのように生まれたのか。長らく待たれていた名著、原著2巻を1冊に合本し翻訳。

感想・レビュー・書評

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  • 表題の通り、近代政治思想の基礎を解明するべく、イタリア都市共和国の時代から宗教改革、ユグノー戦争の時代までを論じた大著。中心的問題は、近代的な国家概念がいつ、どのように成立したのかというものであるが、登場する各思想家の具体的な議論についても詳しく分析がなされている。ルネサンスと宗教改革に近代政治思想の源流を求めるというのはそれほど違和感の無い見方だろうが、本書では、レトリックの伝統による共和主義的価値観の伝承、(特にバルトルスによる)ローマ法研究によるインペリウム概念の改鋳が極めて強調されている。その後、人文主義的学問スタイルが北ヨーロッパに伝播し、それとさほど変わらない時期に宗教改革が勃発する。ここでも、ルター派の思想が抵抗権を否定する絶対主義的な思想の成立に貢献したことが指摘されつつも、皇帝と諸侯の対立が深まるにつれ、まさにルター派の側から抵抗する義務の観念が提出され始めたことが指摘される。最終的には、ユグノー戦争周辺の政治思想家(ジャン・ボダンやモナルコマキなど)が扱われ、宗教的目的のためではなく固有の政治的目的のために政治が行われるべきだとする観念が成立し、それとセットになって抵抗する義務が宗教的色彩を捨てて抵抗する権利へと変容していったことが指摘される。

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