乱歩彷徨―なぜ読み継がれるのか

著者 :
  • 春風社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861102844

感想・レビュー・書評

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  • オタクの社会性獲得の物語。自意識が強く、マニアックで、故に人嫌いな作家が、いかにして業界の象徴なっていったのか。その秘密は、そもそもの、マニアックでで自意識が強いところにありました。「眼高手低」と自嘲するように、求めるレベルの高さと、そのエグゼキューションのギャップで悩むこと自身、ある種の自己の相対化が出来ている訳です。そこで自分の作品を世界的な推理小説の広がりのなかでデコンストラクションする、という仕事を戦略的に行ったことがポイントと本書は述べます。それを「コード化」「脱コード化」「別コード化」と整理したところが新鮮でした。乱歩という作家の分析にとどまらず、自己と社会の関係の構築の仕方に繋がる今日的な本だと思いました。

  • 文学
    ミステリ

  • 江戸川乱歩の評伝です。
    大学の演習で乱歩を学ぶために、まずこれを手に取りました。

    大変わかりやすく、明快な論旨で、全く乱歩についての予備知識を
    持たずに読み始めたのですが、逆に偏見なく乱歩の実作に入って
    ゆくことが出来ましたので、よかったと思います。

    近代文学の中で、大きな位置を占める乱歩に対する評価が
    正当になされればいいのですが。

    作品を実際に手に取るきっかけとしても良い指南書です。

  • 小説の最後の解説の物凄く長いのを延々と読んでいるような感じ。

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著者プロフィール

評論家・作家。書誌学、メディア論を専門とし、評論活動を行うほか、創作も手がける。
主な著書に『紀田順一郎著作集』全八巻(三一書房)、『日記の虚実』(筑摩書房)、『古本屋探偵の事件簿』(創元推理文庫)、『蔵書一代』(松籟社)など。荒俣宏と雑誌「幻想と怪奇」(三崎書房/歳月社)を創刊、のち叢書「世界幻想文学大系」(国書刊行会)を共同編纂した。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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