- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861136337
感想・レビュー・書評
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いい会社を作りましょう
永続こそ企業の最大価値
人に喜ばれる仕事を積み重ねて、日々ファンをコツコツと増やしていく。
景気の波に左右されず、技術のトレンドは見逃さない。
毎年少しづつ、少しづつ、年輪のように成長し複利効果で巨大になっていく。
着実に永続し、去年の自分たちよりも成長することを使命にする会社をつくろうというコンセプト。
以下、印象にのこったフレーズ
働ける。それだけで幸せ(病気の時代があったので)
社員の幸せを通じて社会に貢献したい
会社は会社全体や経営者のために利益をあげ、発展するのではなく会社を構成する人々、社長を含めて社員全員の幸せのために存在する」
どうやった社員はもっと楽をできるか?どうやったらもっと快適に働けるかを考え続けるのが当社の歴史
自分さえ楽ができれあびいという社員はおのずと減り、ん谷か人のためになるようにという社員を増やす
しょせん人生二万日をいつも胸に。現役社員として働ける日は実は短い(100年カレンダーをはっている)
リーダーは会社の理念や進むべき方向を語り、社是にして社員に伝えなければならない。みんなと共有する夢を語り続けることはリーダーの最大の仕事。
マニュアルよりも大切なのは羅針盤としての社是。
目的と手段。企業の目的は、社員を幸せにすることを通じて、いい会社を作り社会に貢献すること。社員が幸福になりモラルが高まると治安がよくなり社会全体のレベルがあがる。急成長はできないが安定成長と永続性を手に入れられる。
会社にとって利益も成長も手段である。
人件費は費用か?人件費は幸せをもとめて働く社員の対価であり、この支払いは企業活動の目的そのもの
企業は社会の公器。雇用機会をつくりだすことに誇りを感じなければいけない
目的に向かう進歩軸と流行をみつめるトレンド軸。
人の行かぬ裏に道あり花の山
末広がりの八の字経営
成長は必ずしも善ではない。ライオンはお腹がいっぱいのときは必要以上には食べない。急な成長の背景でリストラなどがおきる。
会社経営はロマンではない
決算は3年に一度くらいがちょうどいい(3年決算の導入をしたらどうか?直近36ヶ月決算を四半期毎にローリングで実施)
自然に学ぶ経営をする。根を深くはる。年輪経営。巨木のような経営をする。根は深くはるとおのずと広がる(深耕)。深めることが広がりをうむ。脱皮する経営。
開発型企業として種まきをする
人材の1割を研究開発に
可愛い子には旅をさせろ
最良の合理化はモラルアップ
経営者のモラルと社員のモラル。先憂後楽。有言実行の経営。まず社員全体に伝えてそれから実行する。
経営者のモラルは社員のモラルに連動する。100人いれば200の瞳がトップをみている。
全員が知っていることの力を信じる。知らしめることが大事。知らしめる経営をする。話し上手、伝え上手であることが重要。(朝礼を毎週、来る人をかえてやるとか)
無駄にはに種類の無駄がある。ひとつは資源やエネルギーの浪費をおさえること。人のいないトイレの電気をけすとか。一方、社員やお客様が安全に働くための燃料や電力はプラスの無駄。
安全は最優先に。事務所は質素にではない。みんなががんばった対価として快適な管渠をえるのは当然。
経営とは雇用の機会を手創造する。人を雇用するとはその人の一生のなかの多くの時間や機会を拘束する。会社の都合で目先の利益で採用したり首をきってはいけない。
りっぱな社会人とは?1,自分や家族以外の幸せを願う人、役に立つことをする人、2,自分のことだけ一生懸命な人、3、人に迷惑をかけるひと。3は論外。
利益の使い方には会社に対する経営者の想いがくっくりとあらわれる。経営者は想いを言動であらわすことが大事だ。
自社の経費は他社の売り上げ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そうだよな〜と感じる部分多々ありますが、新たな考え方とはいうものではありませんでした。
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至極真っ当な教え。
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目的意識を大事にしている自分としては、事業の目的が社員の幸福というご意見を聞いて、始めは違和感を感じたというか、顧客や市場への貢献ではないのか?と疑問に思った。けど、読み進むうちに、顧客や市場への貢献をするために社員の満足を大事にしているということが感じられ、腑に落ちた。さらに、顧客や市場や社員の満足だけでなく社会や環境や地域や文化への貢献をも目指されていることが感じ取れて、大いに共感した。
それらのことを意識しつつ且つ着実な成長を続けるためには、KPIの定め方とか意思決定の仕方とか社内合意の図り方とか取引先との関わり方とか研究開発テーマの選び方とか、実務上の工夫がたくさんあるんだろうなと思うが、そういう部分を詳しく知ってみたいと思った。また、トップの視点だけでなく社員さんの声も聞いてみたいと思った。
とりあえず、機会を作って伊那の同社を訪ねてみたいと思った。 -
ゆっくりとした成長、社員第一、モラールを高める、地域と共存。日本的な家族的経営の特徴。
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田中さんが徹底していた、基本の5S「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」は、この本から学んだのだ、ということがわかった。
良い経営者、マネージャーとは、人格者でなければならない。会社や人を育てるには、目先の利益にとらわれず、先を見て実行に移すことが大事だ。
今やっている仕事が、果たして目先の利益を追うだけのものかどうか、お客様・取引先・弊社の3方良しなのかどうか、仕事をする上で常に見極めていかないといけない。
私の事業は、沖縄が観光地として魅力的でなければ成り立たない。例えばサンゴの植育や海岸のゴミ拾いなどをするのも一つ。よりメンバーが現場に目を向けるきっかけにもなるだろう。 -
創業以来48期連続で増収増員増益を達成した伊那食品工業
「いい会社をつくりましょう
~たくましく そして やさしく~」
を社是として永続する会社をめざす経営者が骨太の経営理念を語る
2004年刊の旧版を改訂し上製本として2012年に出版された新訂版 -
2014年72冊目。
『日本でいちばん大切にしたい会社』でも紹介され、数々の賞を持ち、多くの経営者から尊敬を集める伊那食品工業会長の塚越寛氏の著書。
常に会社の「あるべき姿像」を明確に抱いているからこそ、どんな危機やチャンスにもぶれない。
その「あるべき姿」は、
■社員を幸せにすることが経営の目的
■そのためには、急成長ではなく末広がりで永続的な低成長
など。
理想論に聞こえるかもしれないが、本当にそれを実践している方だからこそ響く。
自分の組織に根付かせたいことが満載だった。
小難しい表現もなく容易に読める上、内容は今の世界に本当に必要なもの。
ぜひ一読を。
【メモ】
■部下に、専門知識は劣っても、仕事への情熱は負けない
■好調の時も不調の時も「本来あるべき姿」を忘れない
■自社の「最適成長率」を見きわめる。急成長の誘惑に負けない
■「踏襲」ではなく「改革」を
■経営とは「知らしめること」
■採用基準は「この人はここで幸せになれるか」
■常に「以前よりも働きやすい職場」を作る