スリー・カップス・オブ・ティー (Sanctuary books)

  • サンクチュアリパプリッシング
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本棚登録 : 641
レビュー : 98
  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861139413

作品紹介・あらすじ

1993年、ひとりのアメリカ人男性がK2登山に失敗し、パキスタンの小さな山村で助けられた。村人たちの手厚いもてなしに胸を打たれた彼は、恩返しをしようと再びこの地に戻り、「女子のための学校を作る」と約束する。だが、お金もツテもない。しかもそこは女性の権利が制限され、タリバンのような過激派が勢力を広げる保守的なイスラム社会。いにかして男はこの無謀な取り組みを成功に導いたのか。全米が熱狂した真実の冒険ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  •  登山家が、道に迷い助けてもらったパキスタンの山村に、「何か恩返しをしたい」と言う気持ちから学校を建てていくノンフィクション小説です。
     
    村人の素朴さに心を打たれ、その環境に何とか変えたいと。単純に、現代の資本主義を押し付けるわけではなく、イスラム社会の中で、生きていく術を学ばせる。
     
     正直にすごい話です。母国アメリカで資金(援助)を募り、1校。また1校と立てていきます。時代は9.11と重なります。
     
     無学が故に、危険思想の教育を受けた子どもたちが、タリバンになったり、今のISISになったりしてる。
     世界を守るために必要なのは、武器ではなく「教育」であると。
     
     今もその活動は続いているらしい。

  • 2013年96冊目。

    登山失敗の祭に助けられたパキスタンの村に学校を建てることで恩返しを図るアメリカ人男性の壮大な物語。
    久しぶりに素敵な冒険ができた。
    すすめて下さった書店員さんに感謝。

    9.11前、起きた瞬間、起きた後、全てをパキスタンとアフガニスタンで経験している著者は、子ども達の教育こそが最大の対テロの戦いだということ、全てのイスラム教徒が危険であることは決してないこと、人と人との信頼がいかに大事かということを教えてくれる。
    現地の文化を尊重し、現地に体当たりで飛び込む彼が学ぶことはとても大きい。
    560ページの大著だが、ぜひ読んで欲しい一冊。

  • 凄いの一言で片付けちゃいけない気がするけど、本当に凄い。
    始まりが約束を守るためで、しかもちゃんと果たすというのも凄いし、そこで終わらないでどんどん学校を建てていくのも凄い。
    自分の目で色んなものを見ないとなと思った。

  • K2登山に失敗したアメリカ人が命からがらたどり着いたのは、パキスタンの小さな貧しい村。
    先生もいない屋根もない学校で勉強している子ども達。
    『僕がなんとかしなければ、僕が学校を建てます。』

    パキスタンの貧しい村に学校を建てたアメリカ人。

    私達はイスラムの世界をあまりに知らなすぎるのかもしれない。
    テロリスト=イスラム。
    この簡単な図式は一体誰が作ったのだろうか。

    なぜテロが起きるのか。
    それを防ぐにはどうすれば良いのか。
    その一つの答えが彼の生き方だ。

  • -

  • この本から受け取ったのは、
    “教育と愛”

  • プリズンブッククラブより

    パキスタン、アフガニスタンの学校建設を通して、子供に生きる手段としての教育を提供し、アメリカに イスラム教徒の誤解を提示したノンフィクション

    宗教を超えて 人と人の関係に持っていけば、大丈夫というメッセージは感じた


    政治と教育の重要性を再認識した。子供への教育は 子供に テロ以外の生きる手段を与えること

    911を境に テーマが変わっている

    911前のテーマは イスラム教徒との信頼関係の作り方。国や宗教の違いを超えて 、現地の人と交流を図り、学校と信頼を 作っている姿を描いている

    911後のテーマは アメリカ人へのメッセージ。「イスラム教徒の善良な市民と テロリストを 一緒にしないでほしい」「善良な市民とテロリストの違いは 教育」「爆弾を落とすより イスラム教徒の子どもに教育を」

  • 9.11の後と前とでは描かれている風景がまるで違う。

  • 1993年、グレッグ・モーテンソン(アメリカ人)はk2登山に失敗した。パキスタンの小さな山村で助けられた彼は、村人たちのもてなしに心をうたれ、恩返しをするためこの地に戻ることを約束した。「学校を作る」と。
    だが、お金もツテもない。保守的なイスラム社会、しかもタリバン勢力のような過激派が女子教育を制限しようとし、かき集めた資金を自分たちの村で使わせようとする者がいたり、村人たちからは学校よりもまず橋が欲しいと言われたり。
    グレッグがはじめた、無謀とも思われる取り組みはジャン・ヘルニ博士の資金援助を受け形をなしてゆく。

  • “アッサラーム・アライクム”。私の大好きなイスラムの言葉だ。
    日本語の「こんにちは」のように使われるが、“平和があなたとともにありますように”という意味をもつ。イスラムの人々は、日常のあいさつのなかで思いやりの気持ちを口にできる。

    主人公のグレッグはK2登山で道に迷い、食料も底をつき力尽きる寸前、地元パキスタン人ポーターに運よく発見される。ポーターはグレッグを元気づけようと、パイユーチャ(バター茶)を作る。このバター茶は、お茶に塩と重曹とヤギの乳を加え、さらにヤク(ウシ科の哺乳類)のバターを入れたもの。グレッグいわく「そのにおいときたらフランス人が作った一番くさいチーズよりもひどい」。彼は一息で飲み干した。だがポーターは彼のために、さらにつぎ足す。グレッグが3杯目を飲み干すと、ポーターは大喜びで彼の肩をたたいた。

    ポーターはグレッグに無理に3杯もパイユーチャを飲ませようとしたのではない。
    バルティ族の人間にとって、1杯目では、まだよそ者。2杯目を飲んで尊敬すべき客人となり、3杯目のお茶をわかちあうことで、家族の一員となれる。
    (ポーターがバター茶を飲ませようとしたのは、行き倒れた者にすばやく栄養を与えるという合理的な意味もちゃんとある。余談だけど、飲用カロリーメイトってパイユーチャをヒントにできたんじゃないかって思ってる。)

    グレッグも最初は飲むのを断る口実を考えたほどのバター茶も、3杯飲み干すことで、文化の違いを超えた相手のもてなしの気持ちも飲み込め、仲良くなれる。36ページ目ではパイユーチャが苦手だったグレッグも180ページ目では「飲むたびに、だんだんこの味が好きになる」と言っている。

    父と妹を先に亡くしたグレッグにとって、家族としての温かさに満ちたバルティ族の3杯のお茶によるもてなしの真の意味を理解したときは、胸にしみたと思う。私はパキスタンよりも豊かな日本に生まれたが、バルティ族の人たちほど温かいもてなしや、他人への思いやりができているだろうか。この本を読んで、少し考えてしまった。

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