感じる科学 (Sanctuary books)

著者 :
  • サンクチュアリ出版
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感想 : 125
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861139642

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしい!
    本当に頭のいい人とは、難しい内容を小学生にも理解できるように教えることができるらしいが、まさにこの本がそれ。

  • いやぁ、これは「目からウロコ」本だな。お笑い物理学とは此れまで誰も挑戦しなかった分野だ。つい先日「総統閣下はお怒りです」で最新ニュース科学について面白く語っているのを読み「やるなぁ」とは思ったけど、この「感じる科学」は異次元の笑劇、もとい衝撃だ。

    著者自らが「光・宇宙・相対性理論について説明した本としては過去にこの地球上で発売された中で最もバカバカしい本と自信を持って断言できる」と言いきっているが、確かに数式は出ない代わりにクダラない例え話は無数に登場するのだ。

    物を見るということは光子が物に跳ね返りそれが網膜に飛び込んでくるからだと極めて真面目に説明しているが、一方で「かわいいA子ちゃんの唇を今俺が見ているということ、つまり彼女のあのみずみずしい唇に一度触れた光子がそのまま俺の目に入っているということだからある意味これはA子ちゃんの唇と俺の眼球との間接キッス・・・」と妄想することを戒めたりするのだ。

    地球の重力も遠心力との相殺で赤道付近では北極・南極に比べ弱くなると前置きし、南太平洋の島々の住民にデブが多いのは「体重計の示す値が低く出るから」とか赤道付近のバリ島で地元の男に貢ぐ日本人女性の行動も「遠心力で尻が軽くなったから」と論理的な馬鹿話で締めくくるのだから堪らない。

    バカバカしいお笑いネタに包んでは居るけど物理学の本質は押さえているし、その例え話を裏付ける物理的計算はさくら剛の高校時代の同級生で横国大の准教授がやっているので間違いはない。それと本文中に出てくる多数のイラストもまた秀逸。唯一の問題は本書ののカテゴリー分けで「ノンフクション」に入れるべきか「科学物」に入れるか悩ましいことだ。量子重ね合わせ効果を採用して両方としたいくらいだ(図書分類コードでは「C0095」の日本文学、評論、随筆、その他だな)。

    この画期的な現代物理学を愚弄する本を書いた著者のさくら剛については多分誰も知らないだろうな。初めて買ったのは確か2006年発売の「インドなんて二度と行くか!ボケ!!」だ。「ひきこもり系」と自らを称しながら何故か余りそういう人間が行きそうもないインドへ行きあちこちで地元の人間に騙され、また旅先で頻繁に下痢に襲われる気弱キャラのお笑い旅行記ライターと認識していた。結構笑えたので。その後も「アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!」「南米でオーパーツ探してる場合かよ!! 」など出るたびに惰性で買っていたが、そのキャラは首尾一貫していた。

    それがまさかいきなり「現代物理学」に挑戦だから驚くとしか言いようがないけど、内容的には絶対的な「成功」だ。このならまだまだ話題を変えて続編がでる予感がある。但し、営業的にはさくら剛のファンが「なんだ旅モノじゃないのか?」と買わない可能性もあるし、一方で物理学ファンにとっては「さくら剛?誰それ?」で素通りされる恐れが高い。笑いが好きで物理も好きな人間ってどのくらい世の中に居るのかは判らないが、どちらかが好きなら是非とも読んで損はない本だ。

  • 教養レベルの科学知識を広く浅く、しかし面白く学べる。おすすめです。

  • "難しいことをわかりやすく伝えてくれる、とてもありがたい本。
    特殊相対性理論、量子のゼノン効果、重ね合わせ、等わかった気になる。
    素粒子の世界は摩訶不思議な世界。
    量子に関する本を読みたくなった。"

  • 最近はまっている科学系。個人的にはこういう文章は大好き。平易な言葉と極端な事例で様々に解説している。

  • 物理のこともっと学びたいと思わせてくれる本。とりあえず1番興味を持った進化論から専門書へチャレンジしてみます。知りたいとは思っていたけど、いきなり専門書は難解すぎていつも挫折。でも、これくらい軽ければどんどん読み進められます。そしてこの著者の文章が好きです❤︎

  • 科学本とか、まじめに書いてあるのを読む気にはなかなかなれんのだけども、まぁふんわりと表層をなぞって分かった気になれるような本はまぁちょっと読んでみるかという気になるときもある。やっぱそれなりにインテリぶってみたかったり、知ったかぶってみたかったりってのはあるんよね。
    というわけで読んでみたわけで。相対性理論やらなんやら、メジャーなところをそれなりに攻めているけども、にしたってネタが概ねおっさん向けで、これじゃ読者を選びまくりじゃないのか?って思うけど、まぁおっさんだしな、需要と供給のマッチってやつだし、ぶっちゃけ笑えてしまってね、お約束なネタも多いけど、それを笑える自分は笑点で笑ってしまうおじいちゃんと一緒じゃねーかと年を感じずにはいられないのです。
    でもって分かった気にはなれるけど、読んだ後に残った感が皆無。でも教科書を読んだ後も分かった気になるだけだし、きっと効果は一緒に違いない。

  • こんなバカバカしい本に今まで出逢ったことがありません。
    相対性理論などの難しい説明も、この人にかかれば笑えるものとなってしまうという不思議。スカートを覗くためにブラックホールを発生させるなんて発想、今まで思い浮かべた人がいるだろうか。でも、それはちゃんと理解しているからこそ出来ることだと思います。小難しい説明をされるよりも、このような例え話の方が印象に残って、いつまでも覚えていられます。
    本書で一番笑ってしまったのは、一番最後にある年表でした。もう何もないだろうと油断していたところに不意打ちで殴られました。恐竜さんには申し訳ありませんが、しばらく笑いが止まりませんでした。

  • おもしろい!
    浅く入りたかったから最適。
    とっかかりは敷居が低い方がいい(^-^)

    わたしはこの文体結構好きです(´- `*)

  • すごく面白くて分かり易い。相対性理論も量子論もそういうことなの?そうなの?ってことを面白く書いているのでどんどんページが進んでいきます。空間が歪んで時間が遅くなる…アインシュタインさん、やっぱりすごすぎますね。

著者プロフィール

1976年静岡県浜松市生まれ。中程度の引きこもり。ニートの現状を憂い一念発起して旅に出かけ、帰国後Webサイトで各方面の旅行記を発表。常識に囚われない独特の書き方が話題を呼び、トータル50万ヒットを超える人気サイトとなる。著書に「中国初恋」(幻冬舎)、「三国志男」(サンクチュアリ・パブリッシング)がある。

「2009年 『インドなんて二度と行くか!ボケ!! …でもまた行きたいかも』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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