花がふってくる (DARIA BUNKO)

著者 :
  • フロンティアワークス
3.52
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本棚登録 : 339
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861342622

感想・レビュー・書評

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  • いままで読んだ崎谷作品に比べると 静かな雰囲気。イラストもとても合ってた。蛍をはなすシーンが好き!「なにも欲しくないのは、すべ て満たされていたからだ」でガツン ときた。いつもの作風よりずっと好き。

  • 田舎で育ったいとこ同士の話。
    雰囲気のある話です。
    証券マンの涼嗣は家族に心配されて田舎に連れ戻されそうだった秋祐と同居をしていた。
    あぶなっかしい秋祐を当然のように甘やかしてきていたが、自身の婚約が目前となり、秋祐が出て行くことを考えていることを知り愕然とする。
    新婚家庭に従兄弟が同居などありえないとわかっていても、秋祐が手の届かないところへ行くとは考えてもいなかった。
    そんな折、誕生日に秋祐から思いがけないものと告白を受けてとうとう自分の気持ちに気づき・・・。
    とにかくデキルくせにニブい涼嗣ですが、なにもかもカンタンに手に入った彼だからこそ秋祐の大切さを痛感するのでしょうね。
    田舎の古臭い空気と、二人のどうしようもないすれ違う緊張感が伝わってくるいい作品だと思います。
    うまいな~という感じ。

  • 頼りない受とノンケの攻、しかもイトコ同士という設定だけなら苦手な部類なのだが、やはりこの作者さんの手にかかるとすごくすんなりお話にはいっていけた。エロも素晴らしい。キャラクターとしてはどちらもあまり好きなタイプではないのだが、それでもおもしろく読めるのがすごいとおもう

  •  袴田涼嗣は、いとこの蓮実秋祐と同居している。
     同い年でありながら、大学助教授をしている秋祐のことが涼嗣は放っておけず、ついには「お目付け役」として同居まで買って出てしまう。
     ところが、涼嗣が結婚することになり、二人の関係は変わり始める。
     当たり前のはずなのに、涼嗣の結婚とともに「家を出る」という秋祐に涼嗣は動揺する。
     そして、涼嗣は近すぎる二人の距離を見つめなおし……

     というのが、大体のあらすじです。
     結局、涼嗣は結婚しようとしていた恋人よりも、近すぎるが故に、今まで離れることなんて考えられなかった秋祐を選んで、ハッピーエンド……なんですが。
     物語としては、割と淡々として進む感じの話でした。
     大きな盛り上がりもなく、ごくごく当たり前のことをごくごく当たり前にする感じの小説でした。

     今までの思いのたけを涼嗣にぶちまけた秋祐を涼嗣は追いかけたかったけれど、それこそドラマみたいに、何もかも放っておいて追いかけるわけじゃなくて、まず最初に結婚する予定だった彼女に別れを告げてから、秋祐を探しに行く……
     本当、現実だったらそうなるんだろうな……と思います。
     まぁ、そこで彼女を選ばずに、秋祐を選んでる時点で、非現実的と言えば非現実的なのかもしれませんが、でもやっぱり勢いだけで突っ走れないのがある意味、本当なのかなって思います。

     たんたんとした中にしっかり愛はある小説がお好きな方にはオススメです。

  • 今まで読んだこの人の本の中で一番好き。今先生のイラストもすごく合ってる。匂い立つような幻想的な描写も、現実的な部分もしっかり描かれてて、もちろん心理描写も丁寧できちんと恋愛が描かれてて。この人の本を読んでて良いなあ、と思う部分が凝縮されてる感じ。

  • すごく綺麗な作品だと思います。
    情景や登場人物の心理描写が美しい。
    穏やかな作品です。

    「小さな箱庭、ビオトープ。ふたりきりで完結する世界に、涼嗣を閉じこめてしまった。」

    この一文がものすごく印象に残って、ずっと好きな文です。

  • いとこ同士の話。
    受けは最初から意識してたけど、攻めはあるきっかけで想いに自覚する。そのときの表現とか胸が苦しくなるから好き。

  • ⇒『花がふってくる』
    『サーカスギャロップ』 スピンオフ

  • この作品、かなり好きです。地味目だけれど心情や情景の緻密な描写がふんだんにされているこういった作品の方が、崎谷さんの感性と文章の煌めきを強く感じます。IQも高く大人である涼嗣だけれど、恋愛に関してはおバカですよね。理論と計算で生きてきた涼嗣の感情の深い所にあるものは、幼い頃からずっと秋祐に向かっていたのに。気付くのが遅いよ。でも、気付いてよかった。傲慢な上から目線の涼嗣の執着が秋祐をきっちりと捕らえて離さないのがすごく良かったです。攻めも受けも個人的にツボでした(笑)

  • 地味にジンワリとした読了感。一緒に居る事に特別な理由は必要なかった関係の従兄弟。受けは早々に意識していたけど、攻めが気付くようになるまでのウジウジした心理描写がイイです。

    あきらめようともがく受けの最後の大切な拘りが、受けにしか出来ない贈り物。こういうの好き
    本当は、理性的で執着心の薄い攻めの1番欲しいものは、受けが夢中になってキラキラしていることだったんだろうけど、大きくは間違ってない感じでよい〜。

    家政婦さんにドッキリでしたがww 男同士であるからこその背徳感が切なくて、分かち合えるのは二人だけ、二人だけの孤独、そういうのが伝わってくる。

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著者プロフィール

小説家。3月16日生まれ、九州出身。
1998年、『楽園の雫』でデビュー。
ブルーサウンドシリーズ」や「白鷺シリーズ」「グリーン・レヴェリーシリーズ」など、多くのシリーズ作品を生み出したほか、漫画原案なども手掛ける。代表作として『トオチカ』など。

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