君に降る白 (ダリア文庫)

著者 :
制作 : 麻生 ミツ晃 
  • フロンティアワークス
3.82
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本棚登録 : 341
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861343537

感想・レビュー・書評

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  • 藍はなぜそこまで自分を大事に出来ないのだろうかと思わずにいられないのですが、ひとえに愛情に飢えていたことに尽きるんだろうなと……。

    肉体労働のアルバイト、と流されるままゲイ向けのデリヘルで働き、加虐心を擽る佇まいゆえにおもちゃのように弄ばれることを「あたりまえ」と受け流していた藍は自分をただ抱きしめて慈しむように触れてくれる成瀬に出会い、不器用で純粋で真っ直ぐな愛情に包まれていく。
    成瀬だけでなく、オーナーも先輩もみんなで親身で優しいのに愛情に包まれて守られていることに気づけていないだよな、と。
    不完全な人たちが不完全なまま気持ちを柔らかに溶かしていく朝丘ワールドでした。
    静かに淡々と紡がれる感情のうつろいは純粋で真っ直ぐ、不器用でもどかしい。
    いや、オーナーひどいやつでしたけど。
    自分を大事にしてこなかった代償に「成瀬さんにはふさわしくない、汚れているから」と卑下するあたり、ダメだなぁ。まぁでも、気づくこと、愛せることは尊いことだよ。

    詩的でふわふわ柔らかな文章は時折キラリと優しく光るフレーズ、水彩画のように繊細な淡い描写が優しい。
    あと、わたしも「藍クン」は好きじゃないな…。
    ちょっと可愛すぎてところどころがムズムズする文体ではあったなーと。
    ところで藍は古本屋バイトでなぜ1LDKに住めるんだ。時給いくらだよ。

  • 体を売っている主人公と客の純愛物。
    特にドラマチックな出来事があるわけではなく、
    淡々と静かな物語でした。
    あまりにも主人公が感情の起伏が少ないので
    ちょっと感情移入しにくかったです。
    一番感情移入できたのは店長に言い寄られて失望するところ。
    あれは、普通の客より嫌だって気持ちがよく分かりました。
    店長もセクハラせずに真正面から口説いていたら、
    好意は持たれていたのだし、どうにかなったかもだけど、
    無意識に売春をしている主人公を蔑んでいたんだろうな。
    白シャツに靴下を着せて何にもしないで満足ってのは
    ある意味その服でエッチをするより変態だなって思いました。
    エロは最後の最後で一回だけ。どっちか言うと抒情的な感じ。でも一時間舐めてるのは変態だと思いました。
    全然関係ないけど、藍クンの「クン」が好きになれなくて気に障ってしょうがなかったです・・・。藍君でも藍くんでもいいのに藍クンは嫌・・・。
    これは個人的な好みですので他の方は気にならないと思います。

  • 身体を売るバイトをしている藍のお話。藍の表情が乏しいなか、時々苦しい思いが垣間見えて胸が締め付けられる作品です。

  • これを読む前に「あめの帰るところ」を読んだのですが、どちらも相手を思う気持ちが切なく、綺麗すぎて、読んでいて辛くなります。

    そして、どちらも相手がいるからこそ人として生きていける不可欠な2人の話。

    続けて読んだので、評価が★5つしかつけられませんでした。
    あとで読んだら変わるかもしれないのですが、しばらくは朝丘さんの世界に浸りたいので、その間はこの評価は変わらないでしょう。
    溺れて切なくなって自分を綺麗にしていけると錯覚しながら読んでいきたいです。

  • 高校を卒業してから二年。芹田藍は昼は古本屋、夜は身体を売るバイトをしていた。淡々としている藍を玩具のように扱う客が多い中、愛情を教えてくれたのは自分の身体を一切求めてこない客、成瀬恵一だった。平凡なサラリーマンで、温かく純粋な成瀬。だが彼に心惹かれるも、過去の出来事から自分自身を認められない藍は、遠ざかることしかできず――。切なく心揺れるラブストーリー。

  • じーんとしました。いいな。
    好きだけど、汚れた自分が近づけない人を好きになってしまう話。
    夜のバイトで出会った成瀬は「白シャツに靴下」が好きな変態と自分を思っているサラリーマン。藍を指名してホテルで会う二人。しかし、成瀬は藍を縛ったり殴ったりもしないし、身体を求めることもない。
    話をしたり、抱きしめたり。そんな関係が続いている中、藍の昼間のバイト先の古本屋に成瀬がやってきて、バレてしまう。しかしその後もそのことには触れずに夜を一緒に過ごす二人。しかし、信頼していた古本屋の店長に藍の仕事がバレ、それから身体を触られたりしていた藍はついに店長に指名されてしまう。
    あらゆることに傷ついた藍は昼も夜も仕事を辞め、成瀬とのつながりもなくなってしまう。
    しかし成瀬はあきらめずに藍を想ってくれていて・・・。
    なんでもなかった、ただの客だっただけの人の存在が藍の中でどんどん大きくなっていく過程と、それに比例するように傷ついて、自分を見つめなおしていく中で、どんどん自分が成瀬にふさわしくない事実を認識していく苦しい話。
    やー、でも成瀬が大阪から会いにきてるとことかもうキャーってなります。サイズのついたままの洋服。とか、そういう些細なエピソードとかも秀逸だなぁと想いました。あと、敬語の関係なのにどんどん心が深いところで繋がっていく二人。なんか言葉よりも無言の中に会話があるような二人ですごくよかったなー。
    そして、ラストあたりで野宮クンに白シャツ肯定された成瀬さんがこれまたいいです(笑)

  • 受が何でそこまで自分に対して興味がないのか、もうちょっと知りたかった気分。

  • ムガー(ノ`Д´)ノ彡┻━┻あいつがあんな奴だったなんて!!良いやつだと思ったわたしのバカヽ(`Д´#)ノ身体を売るバイトをしている藍とその客成瀬。白シャツは正義ですよね≡q(´ω`*)p≡わたしは靴下はない方が好きですwww半分位読んで、藍からキスした辺りからもう苦しくて切なくて、胸をかきむしるほどでした。古本屋のバイトを辞める前の成瀬と藍のシーンで気づいたら泣いてた(;∀;)野宮さんは本当良いやつ!最後の電話のシーンは笑ってしまったw…お兄ちゃん♪

  • また泣けた…泣いた…純愛だよ。
    好きだから大事だから一緒にいたい恵一。好きだから大事だから離れようとする藍。淡々とお話は進んで行くんだけど…切ない…。
    後半は涙涙…

  • 何度読み返しても、切なさに泣いて、幸せに泣けてくるBL作品。
    最初はフェチやウリといった設定に敬遠気味だったんですが、今は、すごく純粋であまりに不器用な人達のラブストーリーだと思っています。
    主人公の空虚、戸惑い、期待、絶望、そして愛が、すごく伝わってきます。

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