病院に整形外科医として勤める杉崎聡は、若手エースといわれるほど、腕がいい。
そんな時、空いていた形成外科医の席に突然現れたのは、「アーティスト」の異名を持つ御原。
帰国子女であるというその男は、独特の診療スタイルと言動で、年功序列の感が強い日本の医師のたちの反感を買ってしまう。
けれど、杉崎はその彼のナニモノにも縛られない“正しい”行動に却って新鮮な驚きを感じてしまう。
そして嵐の夜、同僚や病院関係者にはひた隠しにしてきた持病である喘息の発作を起こした杉崎に、御原は適切な処置をすると共に、「口止め料」を要求してきて……というような話でした。
杉崎は幼い頃に病弱であったせいもあって、身内であってもすべて敬語で話し、その美貌とあいまってやや近寄りがたい雰囲気を漂わせる美人医師。
一方の、御原は、歯に絹を着せない物言いで、ストレートに表現するので、他の医師の悪口としか思えないようなこともはっきり言うし、他の人が遠慮して言えないようなことも何のためらいもなく口にしてしまう。まぁ、いわゆる大きな子供状態。
おかげで、同僚から嫌な目で見られがちな御原だけれど、杉崎は彼が言っていることが真っ直ぐで正しいことがわかるがゆえに、新鮮な驚きを感じはするものの、憎からず思っていた。
そして、御原から求められるがままに身体を繋いでしまう。
というような話しでした。
なんというか、余りにも杉崎が自然体でさらさらしているので、何もつっこめない感じがあって、物語自体もさらさらと進んでいきます。
なので、人によってはそれでいいのか!? と思ったり、それが物足りなかったりするんだろうな……とは、思いますが、個人的には悪くなかったです。
途中、作者さんが医療関係者だからだと思うんですが、怪我の描写が余りにもリアルで、「うっ」って気持ち悪くなったことがちょっとありましたが、それさえ乗り越えられるのなら、何も問題はないかと……。
優しくじわじわくるBLが好きな方にはオススメです。