Fairly Tale 老少女綺譚

著者 :
  • 青幻舎
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本棚登録 : 97
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (75ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861520983

感想・レビュー・書評

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  • 老女の顔を持つ少女、あるいは少女の体を持つ老女という両極の存在が、モノクロの写真を醜く血生臭く歪ませ、独特の美を構築させる。
    この寓話世界の老女は生に執拗であるのに対し、少女は聖に狡猾である。
    蔑んだ目、せせら笑う口元から少女の絶対的強さを感じ、怖ろしいこと極まりない。少女は処女というだけで絶対的権力を保持するのかもしれない。

  • おばあちゃんは昔、荒野で砂女に出逢ったそうだ。
    頭からテントをすっぽりと被り、少女の足と老婆の手を持つ砂女。
    砂を生み続け、自らの生み出した砂に埋もれて死ぬー故に彷徨い続けなければならない異形の者。おばあちゃんは砂女に授けられた物語を、わたしに語り始める……。

    赤ずきん。ラプンツェル。エレンディラ。シンデレラ……、老婆と少女が登場する昔話をモチーフにした写真集といったところでしょうか。しかし異様なのは、画面に登場するのが無垢な少女と老婆ということ。しかもこの老婆は顔だけが醜く年老い、体はまだ幼い少女のものだということです。そのアンバランスさがなんともシュール。
    白黒なので、直接的な残酷さは感じないです。が、白黒故により暗黒童話らしく仕上がっています。この世界観、好きな人はきっとかなり好きな部類では。私もその一人。是非一冊欲しいなあ。

  • おばあちゃんは昔、荒野で砂女に出逢ったそうだ。
    頭からテントをすっぽりと被り、少女の足と老婆の手を持つ砂女。
    砂を生み続け、自らの生み出した砂に埋もれて死ぬー故に彷徨い続けなければならない異形の者。おばあちゃんは砂女に授けられた物語を、わたしに語り始める……。

    赤ずきん。ラプンツェル。エレンディラ。シンデレラ……、老婆と少女が登場する昔話をモチーフにした写真集といったところでしょうか。しかし異様なのは、画面に登場するのが無垢な少女と老婆ということ。しかもこの老婆は顔だけが醜く年老い、体はまだ幼い少女のものだということです。そのアンバランスさがなんともシュール。
    白黒なので、直接的な残酷さは感じないです。が、白黒故により暗黒童話らしく仕上がっています。この世界観、好きな人はきっとかなり好きな部類では。私もその一人。是非一冊欲しいなあ。

  • なんともグロイ絵。

  • 前何かの書評にあって、見てみたいなーってずっと思ってて昨日まで貸出中だったのに、今日行ったらあった!超ラッキーだ。やっぱり、中味は何となくグロテスクな感じがあって、夜中に一人じゃ見たくないなって思わせる様なドキドキ感がある。怖いなーっていうのが。夢に出てきそうだ。それでも、惹かれるのはなんでなんだろうね。借りてる間何度ともなく見てしまいそう。

  • 醜く美しいもの。本の形で所有したい。

  • 好きな世界観。

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著者プロフィール

1967年神戸市生まれ。1991年京都市立芸術大学大学院(工芸専攻)修了。1990年代半ばより、若い女性をモチーフにCGや特殊メークを駆使した写真作品を発表し、とりわけ、制服を身につけた案内嬢たちが商業施設空間に佇む〈エレベーター・ガール〉、2000 年より女性が空想する半世紀後の自分を写真で再現した〈マイ・グランドマザーズ〉、少女と老婆が登場する物語を題材にした〈フェアリー・テール〉シリーズ等により世界的な評価を受ける。2009年第53回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表、2010年より演劇プロジェクトを始動。大正期の日本を舞台に新興芸術運動の揺籃を描いた『1924』三部作(2011–2012)を美術館と劇場双方で上演し話題を集めた。あいちトリエンナーレ2013にて上演した『ゼロ・アワー 東京ローズ最後のテープ』は2015年アメリカ・カナダ数か所を巡回した。ヨコハマトリエンナーレ2014を皮切りにステージトレーラー・プロジェクトが立ち上がり、2016年には野外劇『日輪の翼』(原作:中上健次)となって横浜・新宮・高松・大阪・京都への移動公演を行った。2018年高雄市立美術館(台湾)の国際企画展に招待され、新作写真〈女神と男神が桃の木の下で別れる〉等を発表した。

「2019年 『神話機械』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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