上村松園画集

制作 : 平野重光 
  • 青幻舎
4.09
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本棚登録 : 34
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861521775

作品紹介・あらすじ

明治8年、京都に生まれた松園は、気品に満ちた美人画を描き続け、
凛とした女性美を繊細な筆致で見事に表現し、昭和23年、女性初の文化勲章の栄誉に輝きました。
格調高い近代美人画は日本画壇史に燦然たる光芒を放ち、その清楚にして典雅な絵画世界は、
今日もなお、多くの人々に深い感銘を与えています。
本書では、代表作を全国に取材し、美人画約66点、素描・下絵約30点を掲載し、松園の美の軌跡を辿ります。
序文:上村淳之 寄稿:志村ふくみ、杉本秀太郎
解説:鬼頭美奈子、青山訓子

感想・レビュー・書評

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  • 日本画の美しさに初めて気づかせてくれたのが松園さん。
    子供の頃からの愛読書に「焔」「雪月花」などが挿画として
    使われていました。
    長じてからは展覧会にも出かけ、画集も既に何冊か持っています。

    ただ、この夏日本画について学ぶ機会があり、新しい本ならより新しい
    研究の成果が反映されているかと期待をして、まとめて作品鑑賞もしたくて手に取りました。

    大判で印刷も美しく、紙質もいいので、作品の細部まで味わえます。
    手に取りやすいので本棚の飾りでなく現実に使える画集です。

    華麗で気韻溢れるその画風や素晴らしさは、どうか鑑賞なさって
    味わってみてください。代表作は丁寧に解説がついて収録されています。

    江戸から明治の風俗を写している作品は、史実考証の資料にもなるかも
    しれません。しかしそれだけではなくて、作品中の女性たちの佇まいが
    私たちにも慕わしく、この風景はどこかで知っている、
    と思えるものばかりなのが、最も着目する点かと思います。

    失われた風俗や美人を描いているように見えながら、現代の私たちにも
    脈々と伝わる、こころの感じ方や情愛を描いていることが魅力ですね。

    また、この本には、松園が愛し、こだわった日本髪についての考察や
    下絵などの貴重な資料が豊富に収録されているのも、とても良い点です。

    下絵の持つ独特の味わいや、製作過程を伺い知ることができるのは
    非常に興味深いです。解説も現役の学芸員の方や志村ふくみさんが
    筆を執られており、充実しています。

    絵の見方が変わるので、一度ご覧になってみてください。
    日本画に興味がなくとも、お気に入りの絵が必ず見つかると思います。
    あまり構えずに綺麗なものだな…と味わってみてください。

  • 何度目かの再鑑賞。元気がないときは松園か清方の絵を見て心を澄ますようにしている。本書には松園の主要な画業が網羅されている。松園は「一生姉様遊び(人形遊び)をしていたようなものだす」と語ったというが着物や髷のディテールの隅々まで神経が行き届いているしなやかな美人画の数々を見ていると何故か切ない郷愁を覚える。「柳に雪折れなし」ということばがあるが松園の瑞々しく清々しい筆致は正にそれだと思う。松園画の髪形についてのコラムが興味深かった。松園の日本髪に対するこだわりが伝わる。永く手許に置いて大事にしたい画集。

  • 資料番号:011083581
    請求記号:721.9/ウ

  • 小説に出てくる作品をひとつひとつこの画集で見ながら
    ひとつ前のレビューで書いた
    宮尾登美子『序の舞』を読んでいました。
    (なんて文化的なんだあたし!笑)

    圧巻は、『焔』。
    作者は大多数の作品が美しい美人画ばかりななか
    これは狂気の女を描いている。
    これは、おぼれにおぼれた年下の男にふられた後
    どん底の中で描かれたものだそうな・・・。
    (しかも、親以上に年の離れた師匠の子を未婚で産んだ後!)

    作者がどういう心境でそれを書いたのかを
    想像しながら絵を鑑賞するのが、好き。
    そこに生きた「人」が見えるから。

    人が生んだ作品には「意味」があって
    作者の「心」がこもっているのだ。

  • 上村松園が好きなら買っても絶対に損はないと思います。いい内容です。

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