- Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861523427
作品紹介・あらすじ
江戸期に花開き、近代とともに姿を消して行く美人画が最後の輝きを放つ大正から昭和初期。
本書では、100余点の美人画を日本の美しい四季になぞらえて紹介します。
日本女性の儚さ、内に秘めた強さをあでやかに表現し、いまなお多くの人々を魅了してやまない「美人画」。
松園、清方、深水をはじめとして、関西、江戸、金沢の画家を中心に収録しました。
その妖艶優美なコレクションをお楽しみください。
おもな収録作家
上村松園、鏑木清方、伊東深水、北野恒富、島成園、
甲斐庄楠音、岡本神草、梶原緋佐子、伊藤小坡、寺島紫明、
村上華岳、菊池契月、北沢映月、中村貞以、
広田多津、吉川観方、土田麦僊、横尾抱月、幸野楳嶺、
など優品120点を収録
培広庵コレクション
編集・解説 加藤類子(元京都国立近代美術館学芸員)
感想・レビュー・書評
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美人画が好きでいろんな画集を見てきたがあまり偏らずいろんな画家の作品を収録しているのが好ましい。
大きな図で作品が示され点数も多い。
解説は巻末に簡潔にまとめられ、画集を買ったのに
解説よりもっと作品を収録して欲しい…
という恨みがない編集なのは本当に嬉しいものだ。
四季の移り変わりに沿って編集されるのを
見ると、美人画の大きな要素である着物などが
時節によってどんな柄行きが好まれるのかなども
見えてくる。
美人画の題材が、能や歌舞伎の演題とも密接に
つながっていることもなんとなく察せられたり
美しさの肝は、首筋なのだろうか…などと
自分なりの発見があったりもした。
美術書というのはありがたいもので
高名な秘蔵のコレクションでも、
私一人のためだけに開陳される。
何度見ても構わない。なんという贅沢。至福。
美術館で本物に接する前に、好きな絵やテーマの
中でも自分なりの発見を促してくれるのだから
本当に贅沢だ。
お正月などうららかで静かな時の中、無心に美人画を
ご覧になるというのも乙ではなかろうか。
是非おすすめする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
春夏秋冬にセレクトされた美人日本画の数々には圧倒されました。こうして見ると日本画は余白を大切にする絵画なのだなあと再認識した。美人画、というだけあって舞妓や芸妓中心の綺麗どころ揃いなんですが、アレー?22ページにマツコデラックスさんがいるよ?!?(寺島紫明「湯上がり」という絵)詳しくはWebで!(嘘)この本はひとりのコレクターの集めた美人画集らしく、すんなりすっきりした絵が多くあんまりエグみのある絵は収められていない。そこが多少物足りなくもないが、統一感があるとも言える。