山口晃 大画面作品集

著者 :
  • 青幻舎
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レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861523670

作品紹介・あらすじ

圧倒的超絶技巧による時空混在の洛中洛外図、新作の平等院襖絵、
武者絵、素描などを収録。8年ぶり、待望の最新作品集。
真骨頂の絵画表現とともに、見立て茶室のオブジェ、現代アートに警笛を鳴らす
独自開催展覧会〈山愚痴屋澱エンナーレ〉まで、
山口晃の複層的思考を網羅した画期的画集。付:自作解題 

寄稿:椹木野衣(美術評論家)、ジョン・カーペンター(メトロポリタン美術館キュレーター)
デザイン:塚原敬史

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしいとしか言い表しようがない。
    最近、TVで知りました。こんなに素晴らしい方がいらしたなんて。
    こいいうのを望んでいたんだ、きっと、私は。

  • うー、もう最高だー。見てる間中、ドーパミンだかエンドルフィンだか知らないが、とにかく脳内快楽物質がダダ漏れだったと思う。ちょっと高いから長いことためらってたけど、買って良かったあ。

    心奪われる、っていうのはこういうことを言うんだろう。理屈抜きで、その線の優雅さや着想の面白さに耽溺する。

    本書に寄稿しているキュレーターの方が「そーゆー了簡ではいけません」という意味のことを書いていたけど(いえ、もっときちんとした論考でしたが。もちろん)、何と言われても楽しいものは楽しいのよ。見ることがこれほど快楽となる絵って、私には他にない。

    とは言っても、山口氏の絵は、ただ上手いとか面白いとかではない感慨を抱かせるのも確かだ。うまく言えないけれど、この人は「美術」というものについて、考えていること、言いたいことがたくさんあるんだろうと思わせられる。その思索の深さや鋭さがどの絵にもひそかに息づいているのを感じる。

    これからじっくり時間をかけて隅々まで眺めて楽しもうと思っているが、一通り見てとりわけ気に入ったのが「九相圖」。ここでは人間ではなく山口氏得意の「馬バイク」が土に還っていく。法隆寺を燃やしちゃう「炎上圖」もいい。いやもう、言い出したらキリがないが(山口氏の絵ってすごーく「語りたくなる」絵だ)、もしもこの中からひとつだけあげるよと言われたら、私は断然「廣目天」がいい! 誰もくれませんか、そうですか。

  • この画集見て気づいたけど、山口さんって油絵科なんだね。画材からてっきり日本画科なんだと思ってた・・・。ちょっとした茶室など絵画以外の作品をみると、ほんとに設計するように絵を描いているんだなって思った。

  • 大画面に偽りなしの超絶技巧画家・山口晃画伯の素晴らしい作品集です。立体作品もいくつか収録。山口氏の作品は過去と現在が交錯した混沌となりがちな街並みをスッキリとした美しい線の緻密な作画で魅せユーモアを織り交ぜたところが真骨頂とも言える。「藝大に入ったから絵が上手くなるわけではない。絵が上手いから藝大に入れたのだ」と某デッサンスクールの講師が仰っていたが山口氏の幼少期の作品にはもうその片鱗が伺える。以前Eテレで14歳の頃描いたと言う氏の作品を拝見したが既にもう超画力だった。ユーモアたっぷりのカッコいい画集。

  • 山口晃・・・やっぱり大好き!でも作品は素晴らしいけど、このひとつ前の画集を見たばかりで、インパクトとしては薄く感じたところもある。比べてみると、前の画集の小さいサイズや本のデザインけっこう好きだったし、作品が手元で収まる感じも楽しかった。

  • 昔の時代絵の中に現代人が混じっていたり、緻密な作品をまじまじと見れて面白かった。

  •  多様な作品。作品の中に多くのものが書き込まれているが、パラパラ眺めていると、色々の物が見え出して、好きだとか、嫌いだとかに分かれてきた。
     山口晃は面白い。

  • この人の絵の、何か風合いの合わないものが無理矢理に接続されている残酷な感じが好きだ。バイクと馬でも、花とメカでも。飛行機や三越の楽しげな絵でも、何かが破壊されている感覚。「大画面」といってもルーペがほしくなるのでご準備を。

  • 何でも出来てしまうがために描くべきものを見出せていない感。大和絵シンクロトロンはしびれた。

  • 以前、山口晃の画集『さて、大山崎』を見た。
    すごい、とは思ったが、うーむ、よくわからんな、というのも正直なところであった。
    で、すゞしろ日記(『すゞしろ日記』、『すゞしろ日記 弐』)やら新聞小説の挿絵やらでふははーと笑いつつ、画家本業の絵の部分は、何となく、「自分にはわからないのではないか」という印象を抱いてきた。
    その印象を追認した、というところである。

    本書は「大画面」というとおり、大型本である。
    以前の画集では価格を抑えるため判型が小さく見にくかったことから、判を大きくし、観音開きを取り入れたりしている。
    広大であると同時に詳細な世界である。
    ひぇーすごい、と思いつつ、到底掴みきれない、と思う。

    学生時代からの系譜に何だか圧倒された。
    とにかく卓抜した技術を持つ人が、美術に関する膨大な知識を背景に、「戦っている」感じがする。
    シロートで、美術の「文法」もまったく知らない自分としては、ぽかんと口を開けて見ているしかない。

    この人は、とても先鋭的でアグレッシブで尖った人なのではないか。
    そしてさらに「ここではないどこか」に驀進中なのではないか。
    うーむ、よくわからんな、といいながら、画家・山口晃が向かう「その先」の風景はどんななのか、見てみたい気もしている。
    見ても相変わらず、自分にはよくわからないのかもしれないけれど。


    *各作品のタイトル・解説の英訳付き。

    *今回手に取ったのは、馬バイクの九相図がある、とこちらのレビューで知ったため。タイヤを取っていく人や、骨相にあたる箇所など、部分的にはツボだったのだが、大判のこの本でもやはり、この絵(他の絵もそうなのかもしれないが)を鑑賞するには画面が「小さい」のではないかと思う。

    *スプラッタとメカニックが組み合わされた作品が、意外に自分は好きかも。

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著者プロフィール

やまぐち あきら
1945年生まれ。駒澤大学講師。
ヘンリー・ソローの著作を精力的に訳している。
そのソローの訳書に
『歩く』(ポプラ社)、
『ソロー日記 春』『ソロー日記 夏』『ソロー日記 秋』
『ソロー博物誌』(彩流社)、
『コンコード川とメリマック川の一週間』
(而立書房)などがある。

「2018年 『ソロー日記 冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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