- Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861523861
作品紹介・あらすじ
わたしたちはたしかになにかを共有していて、同じ時間を生きている。
2012年、東京都写真美術館にて開催された個展「照度 あめつち 影を見る」に出品された新作《あめつち》。展示された作品は一部でしたが、その内側から輝くような力強さと圧倒的な存在感は、見る者の心に強い印象を残しました。
本作では、川内作品を特徴づけていたローライフレックスによる6×6の正方形の画面から、撮影までに作業時間を必要とする4×5へと、被写体に敬意を払いとらえるために、あえてそのメディアを変更。阿蘇の野焼き、プラネタリウム、夜神楽、自宅から見上げた空、そして嘆きの壁と、わたしたちみなの住むこの地球にしっかりと根を張り、向き合って、世界をとらえようとする意欲作です。
デザイン:Hans Gremmen
感想・レビュー・書評
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わたしが今生きている時代の阿蘇の景色のはずなのに、まるで高天原で神が躍動している神話の時代、力強い生命の息吹を感じるそんな幻想的な雰囲気になれました。
1300年続いた野焼きの炎はまるで意志を持っているかのようで、ある時は神々しく、ある時は荒れ狂うが如く舞い上がります。それは古代から絶えることなく脈々と受け継がれてきた生命の踊りのようにも見えました。
夜空の星々の中には、とうの昔に死んでしまったものもあるかもしれません。遥か遠く次元を超えて今もなお、わたしたちに古の光を届けてくれていることに、何か意味があるかもしれない……なんてふと考えてしまいました。
地球という惑星が誕生し、真っ暗な海の底から嵐吹き荒ぶ陸地の割れ目から、様々な試練を乗り越え生き残ってきた生命の欠片たち。今わたしたちはそんな尊い生命のバトンを渡されているのではないのだろうか、そんなことまで想像してしまう写真集でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示