- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861524301
作品紹介・あらすじ
「おいしい」って、「ごちそう」って一体なんだろう—
「地域の食のブランド戦略」のパイオニア、フードディレクター・奥村文絵。
次世代を見据え新しい食のビジョンをかたちづくる方法とは?
具体的事例をもとにそのプロフェッショナリズムに迫る、初の著書。
地域をデザインするすべての人に読んで欲しい。
そして「食」はその要として重要だと気付きたい。(ナガオカケンメイ)
アートディレクション:中村至男
感想・レビュー・書評
-
女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000020124
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フードディレクションとは、食をデザインすること―つくる人と食べる人の間に立ち、「食をどうつくるのか」というビジョンのもとに商品開発を担い、時代を経ても「価値ある食品」となれる味を生み出す。未来につなぎたい技術や食品にたくさんの目を向けてもらい、産地や素材、技、人と人をつなぐ―。著者が携わってきたプロジェクトの紹介を中心に、日本と地域の食について考える。
“デザイン”という言葉は現在では広義にとらえられており、なかでも「食のデザイン」という分野で著者は活躍している。本書を読んで、食の可能性とそれを引き出すデザインの力について考えさせられた。
フードディレクションが深い仕事だと感じたのは、自らが携わった後も継続できる商品をつくる、という点である。フードディレクターとして商品開発に携わる関係はいずれ終了し、商品を事業者に手渡して去るときがくる。世に出した直後はあまり認知されなくても、売り続けることで市場が成熟する商品もある。売り続けるには商品力だけでなく、事業者の努力が必要だ。根気強く続けてもらうためには、フードディレクターとして関わっている間に事業者に理解してもらい、ときには意識改革を強いる必要もあるだろう。環境を整え、人の意識の方向性を整える。自らが手放した後のことを見据えて種を蒔いておく。気が遠くなるような仕事だ。しかし継続していける商品でなければつくり出した意味がない。単に売れる商品をつくるのではなく、商品を通して未来をつくり出す仕事なのだと深く感銘を受けた。
「真似」ではない商品の生み出し方にもなるほどと唸った。例えばぶどうを使った商品を開発する場合。市場にはぶどうを原料にした商品がすでに多く存在しており、「他との差別化」を意識しがちだが、著者は「ぶどうからつくるものなのだから、どう工夫したって必ずどこかに同じような商品が存在するに違いない」と言う。大事なのは買い続けてくれるファンをつくること。そして商品が生産者の代弁者となれること。ブランドのポリシーに忠実な商品を通して、ブランドの価値やメッセージが伝わればよいのだ。地域の特産物で地域を活性化させようという「地域ブランド」は、目新しさを求める企業の商品開発とは違う価値観が求められるのだ、と気づかされた。 -
11月新着
「地方を元気にする」プロジェクトのために働くアドバイザー、それがフードディレクションだそうだ。
その土地の名物をつくると言っても、お土産だったりレストランだったり、まるっきり新しい製品のこともあれば今までの売り方を見直して新アプローチをする場合もある。
どちらにしても、さまざまな要素を考慮して、また、地元のあらゆるシーンを巻き込んで起こしていくことが重要で、そういったノウハウについて体験的に語ってくれる。今後、需要が多くなりそうな職業ながら、これになるためにはさまざまな経験が必要だろう。
それでも、将来こういった仕事がしたい方がいると信じて、読んでくれることを願いつつ進路支援図書に並べてみました。 -
地域のデザインを考える上で、食は本当に要だと思う。奥村さんの試行錯誤しているところも含めて書かれている本書は、いろいろと学び・気づきがあった!
-
地域おこしに携わる地元の先輩が紹介していた本。
具体的事例をあげていて、読みやすい。
ディレクション業務とおいう共通点があるから、余計に興味がわいたのかも。
途中、何でこの話が出てくるんだろう??というのもあったけど、全体的には勉強になりました。
大変なお仕事だけど、充実感は半端ないだろうなー -
結局フードディレクションって何?
カンブリア宮殿見てれば誰でも思いつくようなことを自分の腹も痛めずに、外から意見言うことで仕事になるの?
本から漂う「地方の経済のことまで考えてディレクションしてるワタシってスゴくない?ねぇ、すごくない?」オーラが気持ち悪くて最後まで読む気しませんでした。