僕の音盤青春記 Part2 1976~1981 著者:牧野良幸(CDジャーナルムック)

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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861710834

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  • 面白い。バック・ツー・ザ・70年代。

  • 「僕の音盤青春記1971-1976」に続く第2弾。時代は1976-1981。牧野氏、大学1年から卒業後1年。牧野氏は1つ下なのでほとんど体験は同時代。時代の雰囲気はあとがきによく書かれています。「60年代から70年代にかけて活躍したアーティスト達のパワーが、ひと段落した時期で、かわりにパンクやディスコなど新しい世代の音楽が台頭してきて」「音楽の聴き方もこの時期に変わって、70年代前半のようにみんなが同じレコードを聴く事も減って、これが大人への道で、大学生ともなればヒット曲に踊らされず自分がこだわる音楽を聴くようになる。がそれを差し引いても70年代前半とは変わったような気がする」と書いてます。

    これがまったく同感なのです。70年代後半は学生運動はひと段落し、キャンパスは大学によって違うでしょうが、自治会の独特の文字の立て看板はあったものの、話に聞くような運動はありませんでした。音楽に関し、高校時代と違ったのは、地方から東京へ出たせいもあって、それまではFMはNHKしか聴けなかったのが、FM東京が聴けるようになって格段に情報量が増えたことです。FM東京の邦楽・洋楽それぞれのベストテン番組は聴いていたものの、流行りの以外のジャズや特集される昔の音楽を聴くようになりました。

    これまた氏の言葉と同じ、なんといっても70年代後半のトピックは自分にとってはパンクとディスコでした。70年代前半にビートルズを聞くようになって、彼らとかサイケデリックとか同時代体験してないのが悔しかったのですが、やっとパンクは出現時に体験できたのです。これは音楽はもとより、男性の髪が短くなったのが印象的です。そしてディスコ。これは映画「サタデーナイト・フィーバー」で頂点に達したのでしょうか。この映画も友人と当時銀座でロードショーで見て、そのあと入った喫茶店でいくらだったのか、食事セットが値段が高くて頼めず、隣でおいしそうに食べてるおじさんを眺めてました。三橋美智也が焼きそばのCMで”フィーバー♪”とやってた気がします。それに、なんと卒業式のあと式服のまま新宿のディスコに行き、当時の友人たちとの最後の別れとなったのでした。

    ・・と同世代人である私は読みながら自分の事にオーバラップさせ、どんどん回顧のるつぼにはまっていきます。

    angelさんがおっしゃるように、こと音楽に関して、70年代前半と後半は、曲そのものへの思い出から時代への思い出と変化したのかもしれません。それは70年代前半から後半への時代の進化、そして、自身の年齢の進化による生活環境の変化を表していると思います。

  • 著者は私より一つ年上の同世代。著者が中学から高校時代にかけて聞いた音楽の思い出をカラー絵日記で綴ったのが「僕の音盤青春記 1971-1976」。当時、皆が一度は虜になったビートルズやエルトン・ジョンのレコードを買った思い出をなどをレコード・ジャケット(!)、ステレオ、カセットなどの直筆カラー・イラストと共に読むと、まさに「そうだ、そうだ。そうだったんだよ。」と懐かしく感じたものだ。

    そんな「音盤青春記 1971-1976」に続くのが本作で、著者の大学入学から大学卒業後の進路で悩む時代である1976-1981年を網羅するもの。著者は実家のある岡崎を離れ大阪の大学に進み、全くの素人ながら吹奏楽部に入りサックスを吹くことになる。聴く音楽も「1971-1976」とは大きく変わりチャイコフスキーやモーツアルトのクラシックに加えビッグバンドのジャズ。更に吹奏楽部の演奏会でやる曲目のなかから西城秀樹のヤングマンなどの歌謡曲やラジオから流れる当時流行った山下達郎・門あさみらのニューミューック。これらの曲を当時の街のたたずまい、部活動、下宿・アパート生活の記憶を絵日記形式で振り返るものだ。残念なのはこれらの曲目だけを見ると自分の大学時代に聴いた記憶のある音楽と殆ど重なりが無いことだ。

    しかしながら、翻って自分の大学時代を振り返ると、TVの無かった高校時代の反動からか、アパートにあった白黒TVに毎日かじりついて当時流行っていた「見ごろ、食べごろ、笑いごろ」「花王名人劇場」「落語特選会」とお笑い番組ばかり追いかけていた。高校時代のように音楽雑誌を買うことも無く、新譜をチェックすることもなく、唯一、寝ながら聴いていたのがFENから流れて来る洋楽だが英語も良く良く分からず誰の曲かも気にせずに居たのだから、余り重なりが無くて当然と言えば当然だ。

    が、それもこれも、いみじくも後書きで著者が書くように「60年代から70年代にかけて活躍してきたアーティストたちのパワーが、ひと段落した時期」であり、「みんなが同じレコードを聴くことが少なくなり」「友達とレコードについて語ることも減」った為なのかも知れない。時代もあろうし年齢の為もあったのだろう。

    あの曲、あのレコードの思い出を振り返るのが前作「1971-1976」だとしたら、「1976-1981」は時代を象徴する曲は無くなっていたのかもしれないが、それでも聞けば「あぁ、あの曲」と云う程度には知っているものが多く、その時代の生活に紐付いたバックグラウンド・ミュージックがあった時代という読み方も出来るだろう。豊富なイラストと共にしみじみと噛みしめたくなる味わいだ。

  • 前作から引き続き、購入。
    著者が大阪の大学に入学から卒業、そして将来をさがして東京に向かう処で終る。
    下宿暮らしで、ミュージックカセット中心の音楽生活。吹奏楽部の活動や映画の話、友人たちとの付き合い。ロックの話は少なくなったかな。
    ロック自体が低調になったんだから仕方ないか。ビージーズやアバのディスコミュージックや渡辺真知子、八神順子、山下達郎、ビリー・ジュエルなどなど。極所的個人史がイラストと記事で語られる。
    偶に掲載誌「CDジャーナル」で見かけても、そう反応しなかったが、こうして纏まると、なかなか面白い。絵もカラーだし。
    前作より判る、判ると共感する部分は少なくなったが、成程ねえと思う処が多かった。僕はこの頃何を聴いていたんだろう、と思いつつページを捲る。
    クラッシック通の友人に著者が勧められた「モーツアルトのピアノ協奏曲第20番」。僕も棚から見つけ出し、この本の読書中に聴いていました。ラフマニノフのようにゴリゴリしてませんが、なかなか良いものでした。

    ついでに岩崎宏美のチェコフィルと競演DVDが見たくなりました。

  • ちょっと今回は音楽ネタが薄かったなという印象。

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