氷の海のガレオン,オルタ (ピュアフル文庫 き 1-1)

著者 :
  • ジャイブ
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感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861763557

感想・レビュー・書評

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  • 『ほんとのこと』が書いてある恐ろしい本。

    ある人にとっては福音書になり得るだろうし、ある人にとっては黙示録のようなものかもしれない。
    思春期に読むのと、大人になってから読むのとでは読み方が変わってくるだろう。

    『氷の海のガレオン』
    斉木杉子(さいきすぎこ)。十一歳。
    この響きのいい、古風な名前のセンスが理解できるような子供は、ひとりもいない。そう思っている孤高の存在。
    詩人のママと、職業は「ムーミンパパ」と言って憚らないパパ。
    兄の周防(すおう)と弟のスズキ。
    畑と図書館と大きなナツメの木「ハロウ」がある家。

    自分の子供の成長とともに、また読み返すことになるかもしれない物語。

    『オルタ』
    物語というよりも育児日記のような感覚。


    世界観は嫌いではないし、感覚も言いたいことも分かる。
    なんだかもやもやするのは、その「閉じた」感じ。
    でも、時間が経てばまた読み返すかもしれない。

    自分の子供には「自由であろうとすること」からも自由であってほしい。

    • kwosaさん
      ユウさん

      コメントありがとうございます。

      思春期をふり返ってみれば、おかしな話ですが「自由」や「個性」といった言葉に縛られ、がんじがらめ...
      ユウさん

      コメントありがとうございます。

      思春期をふり返ってみれば、おかしな話ですが「自由」や「個性」といった言葉に縛られ、がんじがらめになって身動きが取れなくなっていた気がします。
      諦めや投げやりな意味ではなく、誤解を恐れずに言えば「そんなことはどうでもいい」
      そう思えば軽やかに生きていけそうな気がします。
      2013/01/22
    • ユウさん
      30年と少し生きてきて、いまのところ30代が一番生きるのが楽だと思えます。
      経済的にじゃありません。精神的にです。

      10代は早く大人...
      30年と少し生きてきて、いまのところ30代が一番生きるのが楽だと思えます。
      経済的にじゃありません。精神的にです。

      10代は早く大人になりたくて、なのに大人になるってことが具体的には何を意味するのか、よく考えてはいませんでした。
      大人なわたしはいまよりも絶対不幸ではない、そう思えていたのです。
      この頃はみんなと同じであることが良いこと、突出してもいいのは学校の成績だけ。
      それ以外の何かがまわりと違うということは、日々生きる上で相当の摩擦と負担になって返ってきました。

      20代は迷いの連続。
      それまで同じであることが良いことだったのに、自由と選択肢が与えられると、途端に別の息苦しさが襲ってきました。
      はじめて知りました。
      わたしが自由でいられたのは、自由であることを許された世界の中にいたからだってこと。

      そして30代。正直なところ、10代の頃と何が変わったのだろうと思います。
      若さを理由に無下に扱われることに反感を覚え、今度は年相応であることを強要されて、そうなれない自分に悩む。
      けれど30代になり肩の荷がおりました。
      結局同じところに行き着くのです。
      何をしても、どうやっても、わたしはわたし。
      枷を嵌めていたのは世間ではなく自分自身だったのですね。

      自由って、深い単語ですね。
      自らに由る、 全て自分次第。

      個性
      個々の性、それぞれ生まれ持った性質、宿命、そして魂。

      本来の意味を思えば、狭義の自由や個性など陳腐なもんです。
      広大だと思えた脳内の都合良過ぎる世界より、もっと多彩で残酷で、だけど耽美で輝かしい世界にいまわたしはいます。
      これが現実。自らに由る、自由を勝ち得る世界です。

      まだダメ、胸がきゅいんきゅいんするので、ここまでにしておきます。。(>_<)
      長々と失礼しました。
      2013/02/04
    • kwosaさん
      ユウさん

      しっかりコメント受けとめています。
      ありがとうございます。

      「自らに由る」深いですね。
      心に響きます。
      ユウさん

      しっかりコメント受けとめています。
      ありがとうございます。

      「自らに由る」深いですね。
      心に響きます。
      2013/02/05
  • 「バーナード嬢曰く」で超面白そうに紹介されていたので読みました。タイトルとか表紙もいいんだよなあ。…内容は期待はずれでした。

  • ド嬢で知って読んだ。
    基本的に学校での人間関係や過ごし方に悩む話なので、読む時期によって印象が変わる本。

    杉子は家庭が経済的にも環境的にも恵まれてんなぁ〜というのが第一印象。兄弟も音楽の先生もいい人だし。もっと何処にも行き場がない人はこれを読んでより落ち込むのではなかろうか。
    そもそも、世の中まりかちゃん側の人間のが多いんじゃないのか?杉子にはそこまで感情移入ができなかった。

    言いたいことや伝えたいことはわかるが、自分はこれを素直に受け取れる程できた大人ではないし、また賢い子供でもなかった。

  • ジャケ買いしました。
    アンバランスなままぬかるみに足を突っ込んだような文章だなあというのがまず最初の印象。たとえばもし、自分がジャンル分けで言うところの「ヤング・アダルト」の頃に読んでいたら、と思うと、ちょっとやっぱりアンバランスなスタンスの文章の様な気がする。でもきっと面白いとは思うだろう。

  • うーん。読み直したけどやっぱり好きじゃないみたいだ。みんながいいって思ってることとか、言いたいことはわかるけど、それとはべつの好みの問題。

著者プロフィール

1971年石川県生まれ。作家。
日本大学芸術学部演劇学科卒業。1993年「氷の海のガレオン」(群像新人文学賞優秀作)でデビュー。作品に『ねこの小児科医ローベルト』『悦楽の園』「マイナークラブハウス」シリーズ、『あたたかい水の出るところ』『夢界拾遺物語』『ぼくらは、まだ少し期待している』などがある。

「2023年 『ステイホーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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