コンビニたそがれ堂 (ピュアフル文庫 む 1-1)

著者 :
  • ジャイブ
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本棚登録 : 589
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861765179

感想・レビュー・書評

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  • 風早の街の夕暮れ時、赤い鳥居の並ぶあたり
    大事な探しものがある人のためにだけ現れる、コンビニたそがれ堂。

    そんな素敵な設定だけでも心惹かれるこの本ですが
    最後に添えられた瀧晴巳さんという方の解説。
    その7頁を読むためだけでも、この本をぜひ手に取ってほしいと
    心の底から思えるような、すばらしい解説です!
    物語の中からではなく、解説文から引用しても許されるのかとても迷いましたが、
    あまりにすばらしかったので引用の方に文章を引かせていただきました。

    もちろん、収められた5つの物語も

    誰かが今より少しでも幸せに近づきますように、と
    祈りをこめて語るラジオ番組のアナウンサー桜子の声が
    時空を超えた奇跡を呼ぶ「桜の声」

    少年によって命を救われた猫の最後の願いが切ない「あんず」

    自分を買い、楽しんでくれた家族をこよなく愛するテレビの
    純粋な魂を描いた「あるテレビの物語」など、

    やさしい言葉で衒いなく紡がれていて、心をほっこりと温めてくれます。

    • nobo0803さん
      この本も 本屋さんで見るたびにずっと気になっていたんです。きっと私の好きそうな本なんだろうな~と思ってました。
      まろんさんおすすめとなると、...
      この本も 本屋さんで見るたびにずっと気になっていたんです。きっと私の好きそうな本なんだろうな~と思ってました。
      まろんさんおすすめとなると、これはやっぱり読まないといけないですね!!
      読みたい本がたくさんで、この夏は大忙しです(笑)
      2012/07/23
    • まろんさん
      読みたい本がたくさんで大忙しって、すばらしくうれしいことですね♪
      私は、ブックオフからのお値下げお知らせメールが来るたび、
      図書館から「本、...
      読みたい本がたくさんで大忙しって、すばらしくうれしいことですね♪
      私は、ブックオフからのお値下げお知らせメールが来るたび、
      図書館から「本、届きましたよー」の電話が来るたびに
      くるくる踊ってはしゃぐので、娘にいつも
      「一番うれしいメールがブックオフからで
      一番うれしい電話が図書館からって、どうなの。。。?」
      と呆れられています(笑)

      この本、お話でほろっとして
      そのあと、解説でもっと泣いてしまうという
      素敵な本でした。
      noboさんも、ぜひぜひ(*^_^*)
      2012/07/24
  • 風早の街の、古い赤い鳥居のそばに、ポツンとあるコンビニ。
    そこは、お客さんの探し求めているものが見つかる不思議なお店。
    お店の中には、長い銀色の髪で、金色に光る目の店員のお兄さんがいて───


    #大事な探し物
    大切な友だちを、心無い一言で傷つけてしまった猫好きの雄太。
    雄太、なんてやさしくて良い子なんだろう。

    #手をつないで
    ママに捨てられてしまった、大事なリカちゃんを探し歩くえりかは、
    「たそがれ堂」でボロボロのリカちゃんを見つける。
    リカちゃんがえりかに話した、”お人形の宿命”のような思い出が切なくて…

    #桜の声
    桜子が通勤途中、いつも見上げる樹齢二百年といわれる桜の木。
    そこに立っていた少女の姿は───

    何百年もそこから人々を見守ってきた桜の木。
    大昔の人も同じように、そこでこうして桜を眺めていたのかと思うと、
    時空を超えた不思議なことがあっても、おかしくないような気がします。

    #あんず
    これはもう、泣けた…。
    赤いちりめんに金の鈴が付いた首輪をした、真っ白な小さな猫・あんず。
    自分の命がもう幾ばくもないと悟り「たそがれ堂」へやってきた。
    一度でいいから人間の姿になって、可愛がってくれた家族とお話したいの…
    そんなあんずの願いも「たそがれ堂」は叶えてくれました。

    ちりん、ちりん、愛らしい鈴の音が、しんみりと耳に残ります…。

    #あるテレビの物語
    だめだ。
    こんなお話を読んだら、また「断捨離」とは程遠いことになってしまう(笑)。
    こんな風にテレビが家族団らんの中心だった時代、ありましたよね。

    どのお話も、せつなくてホロリとさせられるんですが、
    読後は心が救われるような、温かい気持ちになりました。

  • 味の染みたおでんのようにほっこりあったかくて懐かしい。
    もともと児童向けのお話だと聞いて、ああ確かにと納得する感じです。
    なにかとても大切なものを心から探している人だけ迷い込める、たそがれ時にひっそりたたずむコンビニ、というより何でも屋さん。

    失った大切なものを見つけるとともに、もっと大事なものを取り戻したり心の傷を癒したり、悩んでいる子どもにも病んでいる大人にもやさしいファンタジーです。
    普通におでんとお稲荷さんを食べに行ってみたくなります。

  • 心が毛羽立ったり、沈んだ時に読むとふんわりさせてくれる本だと思う。
    全編優しさに溢れているので、読んでいて心地よかった。

    「大事な探しものがある人は、必ずここで見つけられるという。」
    魅力的な誘い文句だと思う。
    読み手にも、仕舞いこんだ忘れていることを思い出させてくれる。
    私も大切な小さな光の粒を、お兄さんの天体望遠鏡で観てみたくなった。

    元々が児童書ということもあり、少し物足りなさはあるが、これはこれでよいのだと思う。

    2024/04/16 20:08

  • リカちゃんの話は結構悲しかった。

    • やまさん
      文海胡さん
      おはようございます。
      きょうは、快晴です。
      体に気を付けていい日にしたいと思います。
      やま
      文海胡さん
      おはようございます。
      きょうは、快晴です。
      体に気を付けていい日にしたいと思います。
      やま
      2019/11/16
  • たそがれ時に大事な探し物がある人だけが訪れることができる不思議なお店。そんなお店を訪れる人たちが繰り広げるお話、連作短編集。しんみりしてしまうものでも、読み終わると胸があたたかくなるお話ばかりでした。特に『あんず』がよかった。

  • 本屋でふいに買ってみたくなった本。
    心のサプリメント。一家に一冊。
    私が無くした大切な物…優しい心かな(笑)

  • ピュアフルで文庫化購入。…この本のあとがきがとても好きで。もちろん本編含め、ですが。知らないだけでほんとうはあるんじゃないかというだけの夢物語なのかもしれないですが。
    美しくけれど残酷な、自然という世界中がほんとはちゃんとやさしいんじゃないかと。ほんの束の間でも、おもわせてくれる本。

  • 好きな話もいくつかあったのだが、如何せん内容が薄過ぎな気がする。


    一つ一つ、もっとボリュームのある話に出来たのではないかと。

  • 『ようこそ! 優しさ溢れるファンタジーの世界へ』

    少し子供っぽいかな、と思いながら読み終わったら、この作品、元は児童書だったんですね。自然と人とを繋ぐコンビニたそがれ堂。私の場合、どんな商品が見つかるのか、ちょっと気になりますね…

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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